【富士通の先輩社員】法務・コンプライアンス・知的財産本部:川上千尋さん
同志社大学法学部卒業。 2015年に富士通株式会社に入社し、現在3年目。法務・コンプライアンス・知的財産本部に所属し特許訴訟などの紛争問題を日々解決している。
創業して80年以上の歴史を誇る富士通株式会社。PCやモバイル端末のメーカーとしての顔はあまりにも有名ですが、意外にも、機軸となるのはITや通信インフラなど目に見えないシステムサービスの事業。社会を支える富士通ソリューションは、もはや日常から切っても切り離せない存在といえるでしょう。そんな会社を支える先輩社員のひとり、川上さんは日本が誇るべきテクノロジーを「法律」で守るプロフェッショナル。学生時代の活動から富士通を選んだ経緯、そして今の仕事についてたっぷり伺いました。
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今のお仕事はどんな内容?
富士通の特許やそのほかの知的財産を扱う組織の中で、特許紛争案件の対応を行っています。具体的には、特許侵害の裁判や他社から特許ライセンスの提案を受けたとき、どのように対処するかを外部の弁護士さんや製品に詳しい事業部の担当者などを交えて相談しながら、訴訟戦略や交渉戦略を立てていくことが主な仕事です。また、実際に相手方との交渉の窓口も担当します。
扱っている特許紛争の多くが海外企業との紛争になるため、普段の業務では英語の専門用語がポンポン飛び交い、入社した当初は部のメンバーが何を話しているのかがわからないような状態でしたね。学生のときに国際的な法律を専攻してきたものの、ここに来てはじめて知る法律用語や言葉も多かったです。入社して3年目の現在は、知っている専門用語も増えて、部の一員として自分がどういった立ち回りをするべきかがわかるようになってきたと思います。
配属される前は、日頃から紛争対応している方たちなのでとにかく喧嘩っ早い人たちが多いのかも、と少し怯えていました(笑)。でも、入ってみるとそうではなく、コミュニケーション能力が高く、いい意味でやわらかい一面を持った人が多いです。交渉の局面では、相手の挑発に乗らないことも重要で、冷静に分析しながらかわしたり、なだめたりする技術が必要なんだなと実感しています。
一番楽しかった&つらかった仕事は?
入社1年目ではじめて担当した案件が、海外の大手企業との大型交渉案件でした。入社してすぐは細かな仕事が多いのかなと思っていましたが、はじめて担当させてもらう案件が社内での注目度が高い大型案件で、びっくりする反面、うれしかったことを覚えています。一方で、交渉における法律議論的なハードルも高かったため、どのようにこの紛争を着地させるかといった交渉戦略を練ることに苦労しました。
その際に、わたしたちは単に法律のプロとして存在するという側面だけではなく、最終的な解決策を導き出すための存在といえるところがやりがいだと強く実感したんですね。例えば、社外の弁護士さんからすると「法律的には難しいです」というところも、社内の人間として「では、こんな材料を集めたらどうですか?」といった提案をしながら、どの策が最善かを諦めずに考えていきます。そうやって、法律のプロとして、かつ社内の人間として、事業部の方々と一緒に汗をかきながら解決策を探し、会社の業績やビジネスに貢献できることが、この仕事の魅力だと思います。
今の会社を選んだ理由は?
とにかく法律関係の仕事をやりたかったので、業界で選ぶというよりも1年目から法務の仕事ができる会社という軸で企業を探していました。その中で富士通に興味を持ったきっかけは、大学に企業法務を目指す学生が集まるクラスがあって、そこで富士通の法務にインターンに行っていた先輩たちからいろいろな経験をさせてもらったという話を聞き、富士通でならおもしろい仕事ができるのではないかと感じたことです。
そう感じさせる会社は他にもありましたが、その中で最終的に富士通を選ぶ決め手になったのは「人」です。富士通の法務の方との面接では、「どんな法務部員になりたいか」「どうしてそう思ったか」など、法務の仕事について深く語り合えたことが印象的でした。
また、いろいろな会社を受ける中でも、法務の仕事をしている人はどうしても堅く内向きな印象を受けることが多かったのですが、この会社の法務の人は、やれと言われれば営業でもなんでもできそうな雰囲気があったんです。そういった外向きな雰囲気がとても魅力的に感じ、純粋に「この人たちと仕事がしたい」と思いました。