【博報堂の先輩社員】コピーライター:冨田有沙さん 2ページ目
冨田さんの「ガクチカ(学生時代一番力を入れたこと)」は?
私が大学の4年間で一番頑張ったことは、「考えること」です。大学に入学する年に東日本大震災が起こったのですが、その震災をきっかけに、抽象的、社会的な意味で「失うとは何か」を考えようと思ったんです。そのために、大学では芸術論を専攻し「喪失」をテーマに研究を続けました
その結果、社会的に何か大きなものを失うと、ひとは、「つくること」と「残すこと」をするという発見をして、論文を書きました。この論文は、「4年間考えることを頑張った証」だと思います。
仕事で役立っている大学時代の経験は?
「考える」ためには、内側からだけでなく、外からも見る必要があると思い、フランスに1年間留学をしました、そこで「日本における豊かさは便利、フランスにおける豊かさは自由」という違いがあることに気づきました。そうした発見をするには、常に新しい視点を持つ必要があるとそのとき学び、それは今の仕事にも生かされています。
あとは、留学時にフランス語で小説を書いてみたり、現地のアートギャラリーで働かせてもらうなどして「フランス語」を身に付けたのですが、そのフランス語もいまの仕事で生かせているのではないかと思います。例えば日本語だと、難しい言葉をつけて濁したりもできますが、外国語はよりシンプルに伝えることが大事なので、アイデアを言葉で生み出すコピーライターの仕事になくてはならない視点を身に付けることができました。
就活前にやっておいたほうがいいことは?
何か一つでもいいので、「情熱を持ち続けること」は大事だと思います。私も「考えること」に情熱を持って4年間頑張ることができたので、情熱を持ち、いろんなことに取り組むことが大事だと思います。それと、「好奇心を無駄にしない」ことも心掛けてほしいです。好奇心を持ったら、次は疑問を持ち、さらに違う視点を持つことで、いろいろなことが見えます。それはきっと就活でも仕事でも生きると思います。
プロジェクトの核となる言葉を生み出す、非常に重要な仕事を担うコピーライターの仕事。「産みの苦しみ」が常に付きまとう仕事ですが、その反面、良いものを生み出せたときの達成感や楽しさ、またその言葉が世の中に出たときのうれしさは格別のようです。
良いものを生み出す考えや視点は、一朝一夕で身に付くものではありませんが、経験が浅いながらも、冨田さんが大きな成功を納めている背景には、学生時代に情熱を持って取り組んだ「考えること」があるのかもしれませんね。
趣味: 読書、映画・美術鑑賞
特技:水泳、フランス語
就活で受けた企業数:8社
志望していた業界: 出版、テレビ
今の会社の魅力:自由なところ、人がいいところ
文:中田ボンベ@dcp
写真:ブリッジ
取材協力:株式会社博報堂