【連載】『あの人の学生時代。』 ♯8:マンガ家 タナカカツキ「自分に魔法をかけよう!」 4ページ目
現役大学生にアドバイス 「魔法を使え!」

――現在大学生のみなさんにアドバイスをお願いいたします。
僕は小学生のころから、うっすらとマンガ家になりたいと思っていたんですけど、その当時から「売れすぎて忙しくなったらどうしよう」と心配していたんですよね。売れっ子のマンガ家って、寝るヒマもなくマンガを描いているみたいなイメージがあるじゃないですか。
「寝るヒマもないのは嫌だなあ」と思って、まあそんな心配よりも先に売れろ! って話なんですけども、「締め切りに縛られないマンガ家になりたい」と思ったんですね。その「思ったこと」は「現在叶った」と思っているんですよ。
ヒマですし、別に締め切りにも追われていませんしね。それは、自分の思ったことを実現するために、自分に言い聞かせたというか、きっと将来はマンガ家になるんやろなといった態度でその日を過ごした。そのためにその日できることはやっておいた、機嫌よく準備はしていたと思います。どうせ自分の思ったとおりになるんやろうなと、自分に魔法をかけたんですよね。そして、その魔法はちゃんと自分に効きました。
――なるほど。
魔法だと思えばいいんですよ。みんなジャッジするでしょう? 「これは実現できるんだろうか?」とか「この仕事は自分に向いているんだろうか」とか。そしてどんどん萎縮するでしょう? 萎縮するとだいたい自分を小さく見積もることになるんですよ。
自分を小さく見積もらなくていいので、どんな魔法に自分がかかりたいかだけ考えて、楽楽観的に行動してればいいんです。時間のかかる魔法使いと思って。でもそれは結局効くんですよ。「魔法を使え!」と思います。
――ありがとうございました。
タナカカツキさんは、大学時代に吸収した素晴らしい刺激の数々を素地にして、数々の作品を生み出し、多くの人を魅了しています。大学時代が本当に楽しかったそうですから、その点はとてもうらやましいですね。現在大学生のみなさんは「魔法を使って」、いつか自分の願いどおりの自分になってください。
(プロフィール)
たなか・かつき
1966年大阪生まれ。京都精華大学美術学部(現芸術学部)ビジュアルデザイン学科卒。在学中の1985年にマンガ家デビュー。著書には『オッス!トン子ちゃん』『サ道』、天久聖一との共著「バカドリル」などがある。カプセルトイ『コップのフチ子』の企画・原案・デザイン。
⇒タナカカツキさんの公式サイト『カエルカフェ』
http://www.kaerucafe.com/
⇒『逆光の頃 完全版』
https://goo.gl/4heFSe
⇒映画『逆光の頃』公式サイト
http://gyakko.com/
(高橋モータース@dcp)