希少価値がある「レアメタル」、一体どのくらいの価格で取引されるの?
産業界で必要とされているのに、埋蔵量が少ない、採掘にコストが掛かり過ぎて高くつく、などの理由によって希少な金属を一般的に「レアメタル」といいますね。近年、その供給のほとんどを中国一国に依存していたため、問題になったりしました。さて、このレアメタルっていくらぐらいで取引されるものなのでしょうか!?
■そもそもレアメタルってどんなものなの!?
まず、普通に取引高の多い「ベースメタル」「コモンメタル」というものがあります。アルミニウム・鉄・銅・亜鉛・スズ・水銀・鉛・金・銀がそうです。一般的に「レアメタルとは、これらのベースメタル、貴金属以外の、非鉄金属のことを指す」とされます。レアメタルの中でも、特に、ニッケル・クロム・タングステン・モリブデン・コバルト・マンガン・バナジウムの7つについては、日本の産業に重要なものとして国策で60日分の備蓄(国家備蓄の42日分+民間備蓄の18日分)が行われています。それだけ重要な資源というわけですね。
■レアメタルの取引価格は!?
では、レアメタルはどのくらいの価格で取引されるのでしょうか。「金属国際相場情報」(2015年4月14日現在)によりますと価格は以下のようになっています。
●ニッケル:12,520.00ドル/トン
●コバルト:12.05-12.95ドル/ポンド LMB99.8%
●酸化モリブデン:8.00-8.125ドル/ポンド
●フェロモリブデン:9.25-9.60ドル/ポンド
●パラタングステン酸アンモニウム:390.00-410.00ドル/キロ
●フェロタングステン:34.00-35.00ドル/キロ
●フェロチタン:5.50-5.70ドル/キロ
※注
・1ポンドは「約453.6g」です。
・LMBは「ロンドンメタルブリテン」のことです。
・「酸化モリブデン」は合金鋼に用いられます。
・「フェロモリブデン」は鉄とモリブデンの合金です。
・「パラタングステン酸アンモニウム」からは「タングステン」が取り出せます。
・「フェロタングステン」は鉄とタングステンの合金です。
・「フェロチタン」は鉄とチタンの合金です。
ちなみに「高いよ!」といわれる「アルミニウム」の同日の相場が「1,784.00ドル/トン」ですから、ニッケルはアルミニウムの7倍の価格ということになります。また、「酸化モリブデン」は1ポンドで約8ドルですから、無理矢理1トンにすると「17,636.68ドル」で、アルミニウムのほぼ10倍の高値というわけです。
また、代表的なレアメタルを世界の市場規模で見ると(2011年のレポート)、コバルト:約6万トン・タングステン:約5万トン
・リチウム:約2万トンといった規模の小ささで「採れないんだなあ」ということが分かります。ちなみに、「粗鋼」は約11.2億トン、「銅」は約1,700万トンもあるのにです。でも、この時点でリチウムの1トン当たりの価格はなんと概算で40,000ドルもするのです!
いかがだったでしょうか。調べてみますと、市場規模が小さくて取引業者も少ないため、レアメタルの取引はとても厄介なのだとか。安定的にレアメタルを入手できるようにするため国が動くのも当然の成り行きだそうです。
⇒データ出典:『株式会社メタルドゥ』公式サイトの相場情報より
http://www.raremetal.co.jp/2015/04/1037.html
(高橋モータース@dcp)