東南アジアの成長ランキングを名目GDPと実質GDP成長率で紹介!
日本から見て南西に位置する東南アジア地域。フィリピンやタイ、シンガポールといった国がありますね。
東南アジアは近年目覚ましい経済発展を続けており、世界各国から注目されています。
では、発展著しい東南アジア諸国のGDP(国内総生産)はどうなっているのでしょうか?
2020年の東南アジアASEAN地域の経済成長ランキング
『JETRO』(日本貿易振興機構)が、「IMF」のデータを基にした各国の名目GDPを公開しています。
名目GDPとは、GDPをそのときの市場価格で評価したものです。実質GDPが名目GDPから物価の影響を差し引いたものに対して、名目GDPは物価の影響を差し引きません。
金額ベースで経済成長率を調べたい場合に名目GDPを使用します。
2020年ASEAN加盟国の名目GDP総額ランキング
2020年のASEAN加盟国の名目GDP総額は、多い順に以下のようになっています。
- 1.インドネシア 1,089 (10億ドル)[2020年]
- 2.タイ 501.79 (10億ドル)[2020年]
- 3.フィリピン 362 (10億ドル)[2020年]
- 4.シンガポール 340.0 (10億米ドル)[推計値][2020年]
- 5.マレーシア 337 (10億ドル)[2020年]
- 6.ベトナム 271 (10億ドル)[2020年]
- 7.ミャンマー 81.3 (10億ドル)[2020年]
- 8.カンボジア 26.0 (10億ドル)[推計値][2020年]
- 9.ラオス 19.1 (10億ドル)[推計値][2020年]
※縦軸の単位は10億ドル(シンガポールは10億米ドル)
※ブルネイは参照データがなかったためなし
2020年ASEAN加盟国の実質GDP成長率ランキング
実質GDP成長率とは、実質GDP(物価変動による影響を除いたGDP)の伸び率のことです。
「実質GDP成長率(%)=(今年の実質GDP-前年の実質GDP)÷前年の実質GDP×100」で計算できます。
- 1.ミャンマー 3.19(%)[2020年]
- 2.ベトナム 2.9(%)[2020年]
- 3.ラオス △0.44(%)[推計値][2020年]
- 4.インドネシア △2.1(%)[2020年]
- 5.カンボジア △3.53(%)[推計値][2020年]
- 6.シンガポール △5.39(%)[推計値][2020年]
- 7.マレーシア △5.6(%)[2020年]
- 8.タイ △6.1(%)[2020年]
- 9.フィリピン △9.6(%)[2020年]
※縦軸の単位は「%」
※ブルネイは参照データがなかったためなし
2019年の東南アジアASEAN地域の経済成長ランキング
2020年は、世界的にコロナの影響が出た年でした。コロナの影響が出る以前の2019年のASEAN加盟国の名目GDP総額も見ていきましょう。多い順に以下のようになっています。
2019年ASEAN加盟国の名目GDP総額ランキング
2019年のASEAN加盟国の名目GDP総額は、多い順に以下のようになっています。
- 1.インドネシア 1,120(10億ドル)[2019年]
- 2.タイ 544.26(10億ドル)[2019年]
- 3.シンガポール 374.4(10億米ドル)[2019年]
- 4.マレーシア 365(10億ドル)[2019年]
- 5.フィリピン 360(10億ドル)[2019年]
- 6.ベトナム 261.92(10億ドル)[2019年]
- 7.ミャンマー 68.8(10億ドル)[2019年]
- 8.カンボジア 26.7(10億ドル)[2019年]
- 9.ラオス 18.8(10億ドル)[2019年]
※縦軸の単位は10億ドル(シンガポールは10億米ドル)
※ブルネイは参照データがなかったためなし
2019年ASEAN加盟国の実質GDP成長率ランキング
実質GDP成長率をランキングするとこのようになります。
- 1.カンボジア 7.05(%)[2019年]
- 2.ベトナム 7.0(%)[2019年]
- 3.ミャンマー 6.75(%)[2019年]
- 4.フィリピン 6.1(%)[2019年]
- 5.インドネシア 5.0(%)[2019年]
- 6.ラオス 4.65(%)[2019年]
- 7.マレーシア 4.3(%)[2019年]
- 8.タイ 2.3(%)[2019年]
- 9.シンガポール 1.35(%)[2019年]
※縦軸の単位は「%」
※ブルネイは参照データがなかったためなし
2020年の経済成長率はほとんどの国でマイナスに
コロナウィルスの封じ込めに成功した国で、観光業への依存が低い国ほど経済成長率が上がっていますが、ほとんどの国でマイナスになっています。
特に注目すべきはベトナムです。ベトナムは、コロナ以前の2019年から実質GDP成長率2位(7.0%)、2020年もプラス2.9%とASEAN諸国の中で上位をキープしています。
以前は、東南アジアで名目GDPが高い国といえば「インドネシア」、「タイ」、「フィリピン」、「マレーシア」といった日本だけでなく欧米の企業が多く進出している国でしたが、今後はコロナの封じ込めに成功した国に注目が集まりそうです。
東南アジアの経済成長から目が離せない!
東南アジアの「名目GDP」と「1人当たりのGDP」をご紹介しました。
コロナ前、コロナ後の経済成長率を比較し「なぜそうなったのか」を分析してみると新しい発見があります。
その国によっては経済発展に伴う「格差問題」などもありますが、日本との関係が深い国も多く今後の発展には要注目です。