Newtype編集長に聞いた! 2016年秋アニメの注目作は?
アニメ情報誌『月刊ニュータイプ』(株式会社KADOKAWA刊)の角清人編集長にお話を伺いました。
――2016年秋シーズンで、編集長の注目作を3作品挙げるとするとどのタイトルになりますか?
角編集長 なかなか難しいのですが、3タイトルを挙げてみましょう。
●『ユーリ!!! on ICE』
原案:久保ミツロウ × 山本沙代
ネーム・キャラクター原案:久保ミツロウ
キャラクターデザイン:平松禎史
監督・シリーズ構成:山本沙代
キャスト:勝生勇利(CV豊永利行)/ユーリ・プリセツキー(CV内山昂輝)/ヴィクトル・ニキフォロフ(CV諏訪部順一)/西郡豪(CV福山潤)
●『ドリフターズ』
原作:平野耕太
監督:鈴木健一
シリーズ構成・脚本:倉田英之
脚本:黒田洋介
キャラクターデザイン・総作画監督:中森良治
キャスト:島津豊久(CV中村悠一)/織田信長(CV内田直哉)/那須与一(CV斎賀みつき)/安倍晴明(CV櫻井孝宏)/オルミーヌ(CV古城門志帆)/カフェト(CV西田雅一)/ジャンヌ・ダルク(CV皆川純子)/ジルドレ(CV乃村健次)/アナスタシア・ニコラエヴァ・ロマノヴァ(CV北西純子)/ラスプーチン(CV田中正彦)/土方歳三(CV安元洋貴)/紫(CV宮本充)
●『文豪ストレイドッグス』(第2期)
原作:朝霧カフカ
漫画:春河35
監督:五十嵐卓哉
シリーズ構成:榎戸洋司
キャスト:中島敦(CV上村祐翔)/太宰治(CV宮野真守)/国木田独歩(CV細谷佳正)/江戸川乱歩(CV神谷浩史)/与謝野晶子(CV嶋村侑)/谷崎潤一郎(CV豊永利行)/谷崎ナオミ(CV小見川千明)/宮沢賢治(CV花倉洸幸)/福沢諭吉(CV小山力也)/芥川龍之介(CV小野賢章)/中原中也(CV谷山紀章)/梶井基次郎(CV羽多野渉)/樋口一葉(CV瀬戸麻沙美)/泉鏡花(CV諸星すみれ)
――それぞれの作品のどのような点に注目していらっしゃいますか?
角編集長 『ユーリ!!! on ICE』はアニメオリジナル作品ですが、原案に漫画家の久保ミツロウさんが参加して、山本沙代監督と一緒に物語を作っている点がまず注目ポイントです。山本監督は『LUPIN the Third -峰不二子という女-』の監督を務めていらっしゃいますが、非常にスタイリッシュで格好いい映像を作る方です。そんなスタッフが手掛ける『ユーリ!!! on ICE』の見どころは、なんといってもスケートのシーン。かなり手間をかけて、画(え)をつくっていると聞いています。
――フィギュアスケートがテーマというのも珍しいですね。
角編集長 そうですね。例えば「キンプリ」(『KING OF PRISM by PrettyRhythm』)にもそういった要素はありましたが、作品全体でフィギュアスケートを扱うのはアニメでも初めてのことではないでしょうか。男性キャラクターが多いので、女性ファンの注目を集めそうですが、男性ファンが見ても十分楽しめると思います。少なくとも僕は、1話視聴後に2話以降も見たいと思いました。
――『ドリフターズ』は人気漫画のアニメ化タイトルですね。
角編集長 先日3話まで先行上映会で見たのですが、映像は非常によくできていて圧倒されました。平野さんの原作漫画は、クセのある表現というか、独特の世界観に厚みがありますよね。今回の『ドリフターズ』は、かつて同じ平野さん原作の『ヘルシング』を手掛けたスタッフも参加していますし、平野さんの世界の再現化に本気で取り組んでいる感じが伝わってきます。「逃げずに、原作にある描写は全部ちゃんと描きました」という感じです。上映会には、女性のファンもかなり来ていらっしゃいました。
――原作漫画には濃い男性ファンが多いような気もしますが?
角編集長 戦いの描写などかなり激しいシーンがあるので女性がどう反応するのかは気になるところだったんですが、会場から帰るときに女性のみなさんの話に耳を澄ましていると、評価は高いようでした。キャラクター同士の関係性であるとか、女性ならではの視点で見られる余地もあって、そのような点でも人気なのではないでしょうか。僕が行った上映会は「新宿バルト9」でしたが、登場するキャラクターにゆかりのある土地でライブビューイングを行ったりして、そちらも好評だったようです。
――『文豪ストレイドッグス』は第2期ですね。
角編集長 実は『文豪ストレイドッグス』の注目ポイントを言ってしまうとネタバレになってしまうので(笑)、非常に言いにくいのですが……、特に第1クールのエピソードをチェックしてきたファンには、いろいろな意味で驚きがあるのではないかと。「とにかく13話(第2クールの1話)は見逃さないほういいです」と言っておきましょう。
――なるほど13話は必見!なのですね。この秋シーズンの作品に何か傾向はありますか?
角編集長 人気作、強い作品の続きとなるタイトルが目立つということでしょうか。