日本の建築史を旅する! 大学生からのアートのはじめかた「江戸東京たてもの園」編

編集部:すい

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東京都内には、さまざまな美術館や博物館がありますが、大学生のみなさんは行ったことはありますか? 「美術」や「芸術」は敷居が高そうなイメージがあるので、もしかしたら興味はあるけど抵抗がある、という人も多いかもしれませんね。そこで今回は、実物大の建築物を見たり、建物の中に入ったりしてタイムスリップした気分を味わいながら、初心者でも楽しんで芸術や民俗を学ぶことができる博物館『江戸東京たてもの園』をご紹介します。

江戸から昭和へ……自然に囲まれた開放的な野外博物館

東京都小金井市にある江戸東京たてもの園は、文化的価値の高い建造物を移築・公開している野外博物館。ここにある建物は全て実際のものを移築したもので、他ではまず見られないような貴重な展示物が数多くあります。

東京ドーム約1.5個分の広大な敷地には、美しい木々が茂り、また飲食施設などもあるため、まるでテーマパークのような雰囲気。博物館ではあるものの気軽かつ気楽に楽しめます。また、大手旅行サイト『トリップアドバイザー』の「親子でお出かけしたい10のアミューズメント」ランキングで第1位になったため、最近は海外からの観光客も多く訪れています。

初心者でもボランティアガイドがいるから安心!

今回は、江戸東京たてもの園の若林昇子さんの案内のもと、大学で史学を学んでいるという桶川大輝さんと香山るかさんとの3人で、歴史ある建物が建ち並ぶ江戸東京たてもの園を巡るツアーを体験してみました!


園の玄関口であるビジターセンターを出ると、まずは園内マップが現れます。ここではボランティアガイドが園内の建物や見どころを解説してくれます。


ガイドは毎日行われているんですか?
はい、ボランティアは4月から9月の間ですと、開園日の10時~16時で活動しています(※10月~3月は15時まで)。ガイドだけでなく、かやぶき民家の囲炉裏(いろり)で火を焚いたり、さまざまな活動を行っているんですよ。

ほとんど毎日! 初心者は助かりますね。


9月4日まで「ちょっと涼しいたてもの園」というイベントを実施しています。その一つとして植物で作られた「グリーンゲート(緑のカーテン)」を設置しています。

今日は雨ですけど、晴れている日はすごく涼しそうですね!

晴れている日はミストシャワーも出ますよ。

歴史的建造物を間近で見学できる!

グリーンのトンネルを抜けると、特徴的な形をした建物や、モダンな色使いの建物が目の前に登場。今回はそのうちの一つ「前川國男邸」に入ってみました。

※前川國男さんについてくわしく知りたい方は「東京都美術館編」をご覧ください


これは実際の建物なのですか?
そうです。ル・コルビュジエの弟子で、東京都美術館や東京文化会館などを手掛けた建築家・前川國男が、1942年に品川区に建てた自邸です。解体して保管されていたものをこちらに移築したものになります。

本物なんですね! 古い建物が今でもしっかり残っているのはすごいなぁ……。

古い建物なのに、すごくモダンな内装でおしゃれ! 住んでみたいと思ってしまいました!

内観は吹き抜けの居間を中心として広々とした印象。前川國男ならではのこだわりも随所に見られます。


続いて1937年に建てられた白い外壁がモダンな建物「常盤台写真場」へ。ここでは2階が撮影スタジオになっており、当時の雰囲気がそのまま残されています。


撮影に必要な安定した外光を取り入れるために、建物の北側には大きな窓が配置されているのが特徴です。

2階の撮影スタジオは、普段はスクリーンの前まで入ることができませんが、8月6日・7日に開催される「下町夕涼み」という昭和の夏祭りを再現したイベントでは、柵がはずされてスクリーンの前で撮影をすることができますよ。

スクリーンも雰囲気がありますし、昔っぽい写真が撮れそうですね!

他にもこのエリアには、ドイツ人建築家のゲオルグ・デ・ラランデが住んでいた洋館を移築・復元したものなどが並んでいます。デ・ラランデ邸は1階がカフェになっており、喫茶やおいしい食事を楽しむことができます。

古き良き日本の情緒が残るかやぶきの古民家で一服


続いて園の西側にある、江戸時代に建てられたかやぶきの古民家が立ち並ぶゾーンにやって来ました。ここでも建物の中に入ることができ、当時の暮らしぶりを垣間見ることができます。今回は、江戸時代後期に建てられた「吉野家」に入ってみました。


わっ、すごい! 囲炉裏がある!

本当だ! 実際に火を焚いているんだね!

ここでもボランティアの人が囲炉裏で火を焚きながら、訪れる人たちに建物の説明をしてくれます。

そうなんですね!でも囲炉裏で火を焚くのはなぜですか?

火を焚いて燻(いぶ)すことで、かやや木に虫が付かないようにしたり、また囲炉裏から出るすすで梁(はり)をコーティングして長持ちさせることができます。

へぇ! そういう理由があるんですね!


吉野家は村の名手役を務めたといわれる家であり、式台付きの玄関(お客様を迎えるための玄関)が備え付けられているなど、格式の高い家屋です。こうした貴重な建物が楽しめるのも、たてもの園の魅力でしょう。

「ちょっと涼しいたてもの園」イベント期間中には、囲炉裏の周りを囲みながら冷たい麦茶のサービスもしてもらえます。たくさんの建物を見て周って少し疲れたときには、ここ吉野家でひと休みするのもいいかもしれませんね。

日本を揺るがす事件の舞台がそのままに……


園のセンターゾーンに戻り、次は中心部にある「高橋是清邸」へ向かいました。高橋是清邸は、庭を眺めるガラス戸が広く開放的です。このガラスは少しゆがんでいるのが特徴で、明治時代そのままのものだそう。

高橋是清といえば、大蔵大臣や第20代内閣総理大臣も務めた政治家。二・二六事件(高橋是清が暗殺されたクーデター未遂事件)で有名な人物ですよね。高橋是清邸は、その二・二六事件の現場となった2階へ行くことができます。歴史好きなら一度は訪れておくべきです。


これって本物ですか!?

港区赤坂にあった邸宅の一部を移築したものですよ。

本物の高橋是清邸なんですね! 中に入ることもできるんですか?
もちろん、中にも入れます。高橋是清邸に隣接する西川家別邸では今「ちょっと涼しいたてもの園」というイベントの一環で100個の風鈴を軒下に吊るした「百風鈴」を行っています。とても魅力的ですよ。


素敵な風景ですねぇ……。

わぁ、たしかに時間を忘れてぼーっとしてしまいそうです……。



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