名作を先取りできる?! 直感で本を選ぶ“ジャケ買い"のすすめ【学生記者】
大学生のみなさんはどのように本を選んでいますか? 映像作品の原作だから、好きな作家だから、好きなジャンルだから……などさまざまあると思います。このうちのどれにも当てはまらない、とっておきの選び方を、日芸文芸学科の柳沢が伝授します!
■とっておきの選び方とは……?
それは“ジャケ買い"です。CDのジャケ買い、はよく耳にしますよね。それと同じように、本のジャケット、表紙を見て直観で選ぶというものです。私は、ミステリー小説を読むのが苦手で敬遠しがちで、どうしても読む本のジャンルや作者が偏ってしまっています。本のジャケ買いの利点は、内容にとらわれずに作品を読むことができることでしょう。一方、欠点は、自分の好みに合わないものを買ってしまった際に完読せずに放置してしまうことです。私はしばしばそういう経験をしています。しかし、冒険するという意味ではジャケ買いにはワクワクさせられますよ。
最近は、近代作品の表紙を新たに現代風にしたものも売られていますし、自分好みの表紙をきっかけに過去の作品に触れてみるのもいいですね。“帯買い"もいいかもしれません。本に巻かれた帯には作品の概要や有名人の煽り文など色んな情報が書いてありますので。
■ジャケ買い・帯買いの成功例は?
私がジャケ買いした本で心に残っているものは『流れ星が消えないうちに』(橋本紡)。帯買いした本では『陽だまりの彼女』(越谷オサム)です。『流れ星が消えないうちに』の表紙は夜空にいっぱいの星が描かれていて書店で見て直観的に「いいな」と思ったのを覚えています。『陽だまりの彼女』の表紙にはかわいらしい女の子のイラストがあるのに加えて帯に「女子が男子に読んで欲しい恋愛小説No.1」という煽り文が書いてあり、読まない手はないと買ってしまいました。
この二つの作品は実は両方とも映画化されているんです。本にとって映像作品になるのがすべてではありませんが、映像作品になるかならないかは、おもしろい作品かを測るひとつのものさしにはなると思います。友達とその映画の話題があがったとき、自信を持って原作をおすすめすることができるのも文芸学科で学んでいる私としてはうれしいです。
学校の課題以外では本を読まないという人は、ぜひ一度ジャケ買いをしてみてください。名作を先取りできるかもしれませんよ! 梅雨に入り、雨が降ったりやんだりな気候が続いていますね。はっきりしない天気に気分も下降気味……。そんな日は読書で本の中の世界に想いを馳せるのはいかがでしょうか。
文●柳沢眞那