養殖マグロの近大 今度は養殖アナゴで泉南市とタッグ
近年、大阪湾では、アナゴの漁獲量が激減している。
大阪府泉南市は、その危機を乗り越えようと、養殖マグロで有名な近畿大学とタッグを組み、アナゴの養殖にのりだしたことを、16日の「キャスト」(朝日放送)で放送した。
焼いても、揚げても美味しいアナゴ。
今、日本一美味しいと言われている大阪湾のアナゴが激減して、危機的な状況に陥っている。
全国的にみても、2004年7,937トンあった漁獲量が、2014年には4,011トンまで減っており、このままだとさらに減少してしまう。
そんな中で、泉南市はアナゴの復活を目指して立ち上がり、養殖に着手した。
泉南市は、大阪府内でも第1位の漁獲量を誇るが、2004年に140トンだったものが、2013年は25トンまで減ってしまった。温暖化や、水が綺麗になりすぎたことが原因と言われているが、確かではない。
そこで、アナゴを養殖することになり、近畿大学水産研究所とタッグを組むことになった。
近畿大学が、アナゴ養殖の研究を始めたのは2004年。
試行錯誤を繰り返して、アナゴが育つ環境やエサを作りだすことに成功。
マグロのように卵からつくり出す完全養殖とまではいかないが、稚魚から育てたアナゴのおよそ90パーセントが、半年ほどで出荷できる大きさになった。
天然のアナゴの場合は、2~4月の寒い時期にはあまり漁獲されない。
仮に漁獲されても脂がのっておらず、質の悪いものが多い。
しかし、養殖の場合は安定しており、脂がのり肉厚のものが出荷できる。
養殖アナゴは、とても肉厚で、脂を感じるがしつこくない味だとか。
アナゴを養殖するためには、技術の習得と施設の確保が必要。
アナゴはしっかり管理さえすれば、比較的育てやすく、5日間ほどで習得できる。
泉南市は、漁港のBBQ会場だった場所を大改造して、養殖施設に変更。
そして、今月の6日に、近大から泉南市に養殖アナゴが贈られて、養殖プロジェクトがスタートした。
今年は、必要なデータの収集を行い、今後2年を目処にブランド化と販路の開拓。
3年目からは販売にこぎづけたいとしている。
ウナギも減っていると言われているが、アナゴも減少とは…。
近大は、昨年末「ウナギ味のナマズ」も開発している。
泉南市の養殖アナゴが市場に出るのは3年先だが、早く食べてみたいものだ。