海賊王も黒ひげもキッドも! ワンピースに出てくる実在した海賊、どんな人だったの?
世界的漫画『ONE PIECE』の中ではルフィが「海賊王に俺はなる!」と言ってますが、これはあくまで架空の世界の話。ですが、現実世界でも確かに「海賊王」と呼ばれる人物がいました。今回は、実在した有名な海賊を紹介します!
●「海賊王」と呼ばれた男!
1659年生まれのヘンリー・エイブリー(Henry Every)という海賊は、同時代の人から「The Arch Pirate」(大海賊)や「The King of Pirates」(海賊の王)と呼ばれました。ヘンリーの海賊としてのキャリアは長くありませんが、それでも海賊王と呼ばれるのはファンシー号を駆って、ムガール帝国のガンジサワイ号(Ganj-i-sawai:巨大帆船でした)を撃破して拿捕(だほ)。積んでいた莫大(ばくだい)な財宝をかっぱらうのに成功したからです。
●「黒ひげ」と呼ばれた男!
「黒ひげ」(Blackbeard)と呼ばれたのは、エドワード・ティーチ(Edward Teach)という海賊です。40門の砲を積んだ「アン女王の復讐号」(Queen Anne's Revenge:300トンのフリゲート艦)に乗船。2隻の小型艦(それぞれ12門、8門の砲を搭載)を率いていたといわれます。1716-1718年にカリブ海、大西洋を舞台に大暴れしましたが、最後はイギリス軍艦パール(HMS Pearl)と白兵戦になるほどの死闘を演じた後殺され、その首はさらされました。
●財宝を残した!? と伝説になった男
「キャプテンキッド」の名前で知られる海賊で、本名をウィリアム・キッド(William Kidd)といいます。もともとは商人だったのですが、(海賊退治も含んで)私掠船の許可を得たことから道を踏み外します。
私掠船は、(イギリスと争っていた)フランス船と海賊船しか襲わないと約束した「公認の海賊」です。しかし、キッドはやってるうちにただの海賊になってしまうのです。結局うまくいかず国に帰るのですが、そこで待っていたのは海賊行為と殺人に対する裁判でした。
最後は絞首刑にされますが、その際「実は財宝を隠してあって……」と言ったという伝説があります。執行人が最後まで聞かずつるしてしまった、と。これが「キャプテンキッドの財宝」伝説になったそうです。
●「王女」から海賊へ!?
実在したかは怪しいといわれますが、勇ましい女性海賊の話もあります。5世紀ごろアビルダ(Awilda)というスカンディナビア王女がいました。スカディナビア王はアビルダをデンマ-クのアルフ皇太子と結婚させようとしますが、アビルダはこれを拒否!
アビルダは女友達らと逃げ出すのです。バルト海へ逃げた彼女らは親玉が死んだばかりの海賊に出会います。アビルダはその船長になり、ここに女海賊が誕生したのです。その後、アルフ皇太子が海賊退治に乗り出し、ついにアビルダと対決します。
アルフの勇敢さに感じ入ったアビルダは戦いをやめ、彼と結婚することにしました。……ちょっとおとぎ話みたいですが、ロマンのあるストーリーではないでしょうか?
実際の海賊の歴史をひもといてみるとロマンのかけらもないことが多いです。また、現代の海賊となると殺伐としているだけです。ドクロの旗をたなびかせ……といったロマンあふれる海賊の物語は、やはり漫画や映画で楽しむのが良いようです。
(高橋モータース@dcp)