サーロイン、フィレ、Tボーン……いろいろあるステーキの違いってなに?
ステーキハウスに食事に行くと、「サーロイン」「フィレ」「Tボーン」などなど、いろんなステーキの名前が並んでいますよね。これらがどのように違うのかを知らないと、オーダーに迷ってしまうものです。そこで! 今回はステーキの種類についてご紹介します。
ステーキはまず「肉の部位」によって名称が分けられています。通常ステーキに供される肉は、ウシの後半身部分の肉が多いのです。
●サーロイン
ステーキ屋さんでよく聞くステーキですね。これは腰の上部分の肉です。
●テンダーロイン
サーロインより下の部分の肉で、脂肪分が少なくて軟らかい赤身の肉になります。フィレやヒレ(あるいはヘレ)と呼ばれるのもこの部分の肉です。
・フィレ・ミニヨン
テンダーロインの尾の方に近い、最も軟らかな部分をカットして焼いたステーキです。貴重な部分であるため、量は少なめです(笑)。でも高級なステーキです。
・シャトーブリアン
テンダーロイン(ヒレ)の肉(より中心に近い部分)のステーキがシャトーブリアンと呼ばれます。これは人名で、「フランソワ=ルネ・ド・シャトーブリアン」という19世紀フランスの政治家が料理人に作らせ、好んで食べたことからこの名前があります。
●トップ・サーロイン
日本ではあまりこの名前を冠したステーキにはお目に掛かれませんが、テンダーロインよりもさらに下の部分の赤身の肉です。日本では「ランプ」(あるいはモモ)という名前が一般的です。
●ショートロイン
こちらも日本ではあまりメジャーな名称ではありません。上記よりも前の部位(ほぼおなかの部分)の肉です。
・NYストリップ
アメリカのステーキハウスに行くと「NYストリップステーキ」というメニューにお目に掛かることがあります。これは(多くの場合)ショートロインの部位のステーキです。サーロインより脂身が多めで、その分ジューシーですがちょっと硬めになります。
・Tボーン
「Tボーンステーキ」は、肉の真ん中にT字形の骨があることが特徴ですが、これはショートロインを骨ごとカットしたステーキです。サーロインとテンダーロインの二つの味が楽しめるぜいたくなステーキです。
・ポーターハウス
「ポーターハウスステーキ」はTボーンステーキ同様にT形の骨が入ったステーキですが、よりテンダーロイン(ヒレ)の部分が多くなります。
・Lボーンステーキ
「Tボーンステーキ」よりテンダーロイン(ヒレ)の部分が少なくなります。そのため(肉が接している部分が)T型というよりL型に見えるため、この名前があります。
●リブ
「リブ」(肋骨)の名のとおり、あばらの部位の肉です。普通「リブステーキ」といえば、肩ロースとサーロインの間の部分、「リブロース」の肉を焼いたものです。
・プライムリブ
(多くは)骨付きのリブ部分の肉をじっくり焼き上げた、ローストビーフのような味わいの一皿。大変に軟らかく、ジューシーですがお値段も張ります。
・リブアイ
あばら肉の中心部分を指し、脂が多めでさっぱりしていながらうま味の濃いステーキになります。「デルモニコ」という呼び方がされることもあります。
部位ではなく、調理法によって名前の付けられているステーキもあります。
・ケイジャン・ステーキ
ケイジャン料理は、タマネギ、セロリなど香味野菜を炒めたものを料理のベースに使用します。このステーキは、香味野菜・香辛料をピリリと効かせた味わいになります。
・シャリアピン・ステーキ
日本で作られたステーキのレシピで、訪日したオペラ歌手、フョードル・シャリアピン(ロシア人・ソ連からパリに亡命)さんのために考案されたものだそうです。歯痛に悩まされていたシャリアピンさんが食べられるようにと、牛肉をタマネギのみじん切りに漬け込んで軟らかくしてから焼くのです(現在ではいろいろな調理法あり)。これは帝国ホテルの料理長だった筒井福夫さんが編み出したものだそうです。
・ペッパーステーキ
某チェーン店のステーキのことではなく(笑)、肉全体にコショウをふんだんにまぶしたステーキです。アメリカのステーキハウスではお目に掛かることがあります。筆者(バカ)も昔「スパイシーでおいしいよ」とウエイターに薦められたことがあります。
いかがだったでしょうか。ステーキの種類はけっこうあるものですね。ステーキハウスに行ったら、ぜひ今回紹介した名称を参考に注文してみてください。
(高橋モータース@dcp)