社会人に聞いた! 人生に大きな影響を与えた一冊は? 「ぼくを探しに」「人間失格」「成りあがり」
本はいろいろな世界を見せてくれて、ときに大切なことを教えてくれる。ふと手にとった一冊が、自分の生き方を大きく変えてしまうこともあります。そこで今回は、人生に大きな影響を与えた一冊を社会人に教えてもらいました。気になる本を見つけたら、ぜひこの「読書の秋」に味わってみてください。
■子どものころに、出会った一冊
・「『ぼくを探しに』。小学生のころ、卒業のプレゼントに先生がメッセージつきでくれた。マイペースに生きることを学んだ」(女性/24歳/機械・精密機器)
・「金子みすゞの詩集。『見えぬものでもあるんだよ』。小学生だったが、なにか胸に深く刺さった」(女性/28歳/その他)
『ぼくを探しに』は、シェル・シルヴァスタイン氏の絵本ですね。「ぼく」が「足りないかけら」を探すというストーリー。大人が読んでも、考えさせられることの多い作品です。
■心を変えてくれた一冊
・「『小さいことにくよくよするな』。父に読んでみると良いと言われて読んでみて、考え方一つで前向きになれると思った。落ち込むことはあるけど、そういう考え方を知っているだけでもこれからの人生に有益だと思う」(女性/42歳/マスコミ・広告)
・「『<在る>ことの不思議』。生きることに意味を求めなくても良いんだと思えるようになり、気楽になりました」(女性/32歳/ソフトウェア)
古東哲明氏の『<在る>ことの不思議』は、そもそも、物がそこに「在る」ことが不思議だという、普段は考えもしないようなことに向き合わせてくれる一冊です。
■その人の生き方から学んだこと
・「ナイジェル・マンセル、自伝『全開』。人生というものは自分で切り開くものだと教わった」(男性/32歳/商社・卸)
・「矢沢永吉の『成りあがり』。何もなくても、情熱一つで成功する」(男性/35歳/団体・公益法人・官公庁)
自伝には、その人物の生き様や考え方がギッシリ詰まっていて、非常に勉強になります。
■心を動かされた小説
・「浅田次郎の『蒼穹の昴』。本を読んで感動して泣いたのは、この小説がはじめてでした」(女性/33歳/医療・福祉)
・「『海辺のカフカ』。固定観念から解き放たれた」(女性/25歳/商社・卸)
・「太宰治の『人間失格』。学生のときに読んで、衝撃を受けた」(女性/27歳/アパレル・繊維)
小説は、さまざまな世界観を味わえることが魅力。それまで自分の中にはなかった世界が、小説を読むことで広がっていきます。
■私を導いてくれた一冊
・「『置かれた場所で咲きなさい』。タイトルだけで、そうだなぁって思う」(女性/28歳/団体・公益法人・官公庁)
・「『マジメすぎて、苦しい人たち』。まさに自分に当てはまる内容で、今後の働き方・人生設計を見直すきっかけになった」(女性/29歳/団体・公益法人・官公庁)
・「『7つの習慣』。細かいことの積み重ねが大切だということに気づかされた」(男性/30歳/学校・教育関連)
なんとなく前に進めないときや、気持ちが沈んでしまうとき。こういった本が、少しだけ背中を押してくれることもあります。
■私の愛読誌!
・「『ナショナルジオグラフィック』。はじめて読んだのは海外旅行で訪れたアメリカだったのですが、これほどきれいな写真を多用して美しい光景を見せてくれる雑誌があるのかと感動した覚えがあります。日本に帰ってからさっそく定期購読して、今でももう20年以上続いています」(男性/37歳/金融・証券)
・「雑誌『idea(アイデア)』。子どものころに押し入れで見つけて以来、今でも愛読しています」(男性/47歳/その他)
雑誌との出会いを語ってくれた人も。何十年も愛読している雑誌があるなんて、とても素敵ですね。
■マンガで人生が変わった!
・「『ベルサイユのばら』。ヨーロッパへのあこがれが強くなり、旅行マニアになった」(女性/38歳/警備・メンテナンス)
・「『スラムダンク』。バスケをやるきっかけになったから」(女性/28歳/金融・証券)
・「『めぞん一刻』。一生懸命頑張れば、想いは叶うということを教えてくれた」(男性/43歳/機械・精密機器)
コマに書かれているセリフが、キャラクターの言葉としてダイレクトに心に響いてくるのは、マンガならではの魅力かもしれません。
もう「人生を変えるような一冊」に出会ったという人も、まだ出会っていないという人も、これを機会に、新しい本との出会いを求めて書店や図書館へ足を運んでみては? もしかしたらそこで、これからの人生を大きく左右するような、運命の一冊が待っているかもしれません。
文・OFFICE-SANGA 森川ほしの
調査時期:2015年9月
アンケート:フレッシャーズ調べ
集計対象数:20歳から60歳の社会人327人(インターネットログイン式アンケート)