大人なのにキャラクター入りグッズは日本だけ? 「かわいい」が許される日本、許されないヨーロッパ 2ページ目
そんなこんなで、通帳や通帳入れ、ポーチなど日本国内ではキャラクター入りのものも好んで使う筆者ですが、ヨーロッパに行く時はなるべくキャラクター入りのポーチなどを周囲の人に見られないよう極力注意しております。そう、ヨーロッパは「大人の趣味」こそが正解だとされている社会。ですので、キャラクター入りのものを持ち歩いていると周りにナメられやすかったりします。現にうっかり見られてしまった際には周りの人の「あの人、大人なのに、なに子どもっぽいモノ、持っちゃってるの……」と言いたげな視線が痛いです。
基本的にヨーロッパではキャラクターものは「10歳以下」の子どものためのもの、というような雰囲気があるため、ヨーロッパでは10代前半の子さえ「子どもモノは卒業!」といわんばかりに大きくセクシーなイヤリングをつけ、パーマをかけ、デコルテの見える服を着て闊歩しています。10代前半であっても、20代後半ぐらいの女性に見えるようにと一生懸命です。若くても「自分がいかに大人であるか」を演出する人がヨーロッパには多いです。10代になっても20代になっても、筆者のようにもうじき四十路になってもキャラクター入りのものを「わー、かわいい!」とやるのとはだいぶ雰囲気が違います。
既に10代前半からキャラクターなど「かわいいモノ」とは縁を切り「大人っぽい容姿」を演出することをヨシとするのか、日本のようにいくつになってもキャラクターをかわいいと思うことをヨシとするのか。--- そこに答えはありませんが、キャラクターにもTPOがあることは確かのようです。TPOとは日本やアジアではキャラクター入りの持ち物はオッケー、ヨーロッパでは要注意、といったところでしょうか。
それにしても最近はキティの“提出できる"婚姻届も登場したとのこと、キャラクターに囲まれた大人が多い日本はつくづく平和だと感じます!
サンドラ・ヘフェリン
プロフィール/ドイツ・ミュンヘン出身。日本歴17年。日本語とドイツ語の両方が母国語。自身が日独ハーフであることから、「ハーフといじめ問題」「バイリンガル教育について」など、「多文化共生」をテーマに執筆活動をしている。