警察コスプレで即逮捕? 「コスプレ」にまつわる法律トリビア
最近ではオタクだけでなく、ごく普通の人もコスプレをすることが増えました。特に大学生は学園祭やサークルの催しなどでコスプレする機会が多いのではないでしょうか。そんなとき、入門編として手を出しやすいのが職業系の衣装。ただ、そこにはいろいろと問題もあるようです。
ということで、本日はレイ法律事務所の河西邦剛弁護士に、コスプレと法律について伺ってみました!
――問題になるコスプレってあるんでしょうか?
もちろんあります。例えば、警察官の制服です。「軽犯罪法」という法律により罰せられる場合がありえるんです。
――警察官のコスプレをしただけで罰せられるのですか?
軽犯罪法の1条15号では「資格がないのにかかわらず法令により定められた制服等を用いた者を拘留又は科料に処する」と定められています。
――そうなんですね! ちなみに、科料や拘留ってなんですか?
「科料」は罰金の軽いものというイメージで、1000円以上1万円未満を国に納めるという罰則です。「拘留」は1日から30日未満の間、刑事施設に収容されるという罰則ですね。
――他に問題になる制服はありますか?
消防署員や自衛隊員のコスプレも警察官の場合と同様に問題になることがありますね。
――じゃあ、大学の学園祭とかで警察官とか自衛隊員のコスプレをしたら、すぐ逮捕されるなんてことは……。
いえ、現実的には逮捕される可能性はほとんどありません。警察官のコスプレだったら、あくまで「詐欺や恐喝の手段として用いられる可能性がある」から、軽犯罪法により規制されているというだけなので。警察官から注意を繰り返し受けたのに無視する、とか相当悪質な事情がない限り、学園祭で警察官のコスプレをするくらいでは、逮捕はされないでしょう。実際に警察官のコスプレをして処罰された裁判例はほとんどありません。
たしかに学園祭で本格的に取り締まりを行ったら、かなりの人数逮捕されてしまうかも。ほっと一安心の回答をいただいたところで、そのほかコスプレについて気になることを聞いてみました!