通学するなら定期券と回数券どちらがお得?お得になるのは週に何回からなのか検証
通学定期券は、通勤定期券に比べると割安な料金になっていますが、大学に通学する日数を考えると「回数券の方がお得かもしれない」と考えてしまうもの。
オンライン授業が一般化されている大学もある中、定期券の購入が必要なのかどうか、考えてみる余地がありそうです。
引っ越しや一人暮らしを検討している人には、部屋選びの際に通学定期のことも考えて検討したいという人もいるはず。
そこで今回は、定期券より回数券の方がお得になる通学回数を検証しました。
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定期券が回数券に比べてお得になるのは週何回から?
高校時代と違って、毎日決まった時間に通うわけではないのが大学生。通学定期券を購入した方がお得なのか、回数券を購入した方がお得なのか悩むところですよね。
先輩方には、
「定期券を買っていたのは2年まで。3年からは毎日学校へ行くわけではなくなったのでメリットを感じなくなったんですよね。ただし、試験前の7月と12月だけは購入していました」(現代福祉学部・4年女性)
という意見もありました。
回数券と定期券のお得ラインは週3回、1ヶ月12回通学なのか
「週2の登校でしたから、俄然、回数券がお得。小さなことですが、塵も積もれば山となるのことわざ通り、4年トータルで考えるとかなりのコストセーブになりましたね」(経済学部・4年男性)
「乗車距離や鉄道会社によって違うと思うけど、週3日を目安にしている人が多いかな」(法学部・3年男性)
先輩達の意見では、「週2回の通学なら回数券の方がお得」が多く、定期券を買うかどうかのラインは「週3回、月に12回いくかどうか」としている人が多いようでした。
回数券と定期券どちらがお得か計算した結果
東京メトロの通常運賃170円区間(上野から日本橋など)で、定期券と回数券のどちらがお得なのかを計算しました。
- ・比較するのは170円区間
- ・大学へは週に3回、月に12回通うものとする
- ・講義は夕方4時以降もある場合がある
- ・大学へは平日に行くものとする
こういう条件で比較します。
通常乗車の場合はIC運賃で支払った方が2円お得
通常乗車の場合は、IC運賃で支払った方が2円お得です。
- ・通常運賃:170円
- ・IC運賃:168円
参考:東京メトロ 普通券
東京メトロの回数券は使用シーンに合わせて3種類ある
東京メトロの場合、回数券は普通回数乗車券、時差回数乗車券、土・休日割引回数乗車券の3種類あります。
- ・普通回数乗車券:11枚綴り、終日利用可能
- ・時差回数乗車券:12枚綴り、平日10時から16時まで、土日祝日と年末年始は終日利用可能
- ・土・休日割引回数乗車券:14枚綴り、土日祝日と年末年始のみ終日利用可能
それぞれの料金は、通常運賃の10倍で共通です。今回は、170円区間で比較するので、1,700円ですね。
平日に終日使える回数券を購入した場合の一乗車あたりの料金
今回のケースは、月に12回、平日に大学に行くので「土・休日割引回数乗車券」は購入する意味がありません。
- ・普通回数乗車券:11枚綴り、終日利用可能
- ・時差回数乗車券:12枚綴り、平日10時から16時まで、土日祝日と年末年始は終日利用可能
のどちらかを購入することになります。
大学の講義は、午前9時から午後6時頃まである場合もあるので、普通回数乗車券のみを購入することにします。
普通回数乗車券は、1,700円で11枚綴りなので、一乗車あたりの料金は
- 1,700円÷11回=154.545454…円
四捨五入して155円です。
参考:東京メトロ 回数券
定期券を170円区間で購入した場合の一乗車あたりの料金
東京メトロで170円区間の定期券を購入した場合の料金は、こちらです。
- ・通学:1ヶ月3,500円、3ヶ月9,980円、6ヶ月18,900円
- (・通勤:1ヶ月6,770円、3ヶ月19,300円、6ヶ月36,560円)
春・夏・冬にある長期休暇は大学に行かないとすると6ヶ月定期を購入するより、1ヶ月もしくは3ヶ月定期での購入になりそうですね。
月に12回通学するので、往復にすると毎月24回定期券を使うことになります。1ヶ月、3ヶ月の定期券を購入した場合の一乗車あたりの料金は、
- ・通学1ヶ月:3,500円÷24回=145.8333…円
- ・通学3ヶ月:9,980円÷(24回✖︎3ヶ月)=138.6111…円
になります。それぞれ四捨五入して、
- ・通学1ヶ月:146円
- ・通学3ヶ月:139円
としましょう。
週に3回大学に行くなら定期券の方がお得という結果に
計算した結果、週に3回大学に行くなら定期券の方がお得という結果になりました。
一乗車あたりの料金はこうなります。(小数点以下は四捨五入したもの)
- 1.通学定期券(3ヶ月):139円
- 2.通学定期券(1ヶ月):146円
- 3.普通回数乗車券:155円
- 4.IC運賃:168円
- 5.通常運賃:170円
取得すべき単位数が多い大学1年生・2年生、卒業論文の関係で毎日のように大学に行く必要があるケースでは定期券の方がお得ということですね。
定期券より回数券の方がお得になるラインは月10回の登校から
定期券より回数券の方がお得になるラインは、「月10回の大学への登校」です。月10回というと、週に2回通学し、たまに3回行くことがあるという状態でしょうか。
月10回(往復20回)大学へ行く場合の一乗車あたりの料金は、
- 1.普通回数乗車券:155円
- 2.通学定期券(3ヶ月):166円
- 3.IC運賃:168円
- 4.通常運賃:170円
- 5.通学定期券(1ヶ月):175円
となります。
「4年生になると、そこまで頻繁に学校にも行かなくなるし、回数券を買った方がお得」(社会学部・4年男性)
という意見もありますし、就活などで大学へあまり行かなくなる時期になったら回数券に切り替えたほうが節約になりそうですね。
定期券にはこんな魅力もある
大学に行く頻度が月10回以下なら回数券の方がお得ということになりましたが、定期を持つことは、外の世界へのフットワークを軽くしてくれる効果もあるようです。
先輩方からはこんなお話を聞くことができました。
「さいたま市にある実家から市ヶ谷キャンパスに通っているのですが、上野経由ではなく、よく遊びにいく新宿経由の定期券を買っています。休日も定期券で遊びに出られるのは嬉しいですね」(文学部・2年男性)
「定期券を持たなくなったら、次第に家から出なくなり、引きこもり状態になった時期がある」(スポーツ健康学部・4年男性)
「定期がない頃、飲み会の誘いがあっても、交通費もかかるからと断っていた。あまりにも断りすぎて誘われなくなった」(経営学部・4年男性)
バイト先やよく遊びにいく街を経由する定期券を買えば、使用頻度も上がり、お得感もアップしますね。
多くの人が「定期券があれば外出する気になる」と口を揃えていました。
定期券と回数券、どちらを選ぶのがお得かは生活スタイルも考慮して
定期券と回数券、どちらを選んだ方がお得なのかは本人の生活スタイルにもよります。
大学へ向かう沿線上にアルバイト先がある場合は、途中下車も可能な定期券の方がお得になりますし、週に数回大学に行くくらいしか外出しないなら、回数券の方がお得でしょう。
「ネットを使えば定期券代も回数券代も調べられるから、一度は比較検討する価値大だと思います」(経営学部2年男性)
こんな意見もありますし、一度「どちらが自分の生活スタイルに合っているか」「お得か」を調べてみるといいでしょう。
イラスト:おかだみずき