Excelでの検索機能には、条件検索や行検索、関数での検索などさまざまなものがあり、どれも、覚えておくことで、Excelの作業に活用できる便利なものです。
今回は、まとめ記事としてExcelでの検索機能について活用法と基本操作を解説します。
<目次>
1.Excelでの検索方法について
2.Excelで検索できない場合の対処法
3.Excelでの条件検索と行検索について
4.ExcelのCOUNTIF関数について
5.ExcelのMATCH関数について
6.Excelのプルダウンについて
7.Excelのオプション機能について
Excelで「検索と置換」を利用すると、セルに入力されている値や数式などを検索できます。
ここからは、Excelの検索機能の使い方の手順を解説します。
(1)「ホーム」タブから「検索と選択」をクリックし、検索を選択します。
(2) 「検索と置換」のダイアログボックスが表示されます。ここで「オプション」をクリックします。
・細かな条件を指定しない場合は、「オプション」を選択せず、このまま「検索する文字列」に値を入力することで検索ができます。
(3)「検索する文字列」には、検索をかけたい文字列を入力します。
「検索場所」は、「シート」か「ブック」のどちらかを選択。「シート」は、現在開いている「シート」、「ブック」は、Excel内にあるすべての「シート」が対象となります。
「検索方向」は、行か列を指定できます。どちらかを指定しても、指定した行や列の検索結果が先に表示されるだけであるため、特に変わりはありません。
「検索対象」は、「数式」「値」「コメント」から検索値に合うものを選択します。
(4)それでは、実際に「50」という文字列を検索してみましょう。
「検索する文字列」に「50」と入力
「検索場所」に「シート」を選択
「検索対象」に「値」を選択
「すべてを選択」をクリックします。「すべてを選択」にすると、検索結果が一覧で表示され、「次を選択」にすると検索結果が1つずつ表示されるようになります。
(5)50の値の検索結果が一覧になって表示されました。
Excelで検索ができない場合には、ここで紹介するいくつかの対処法を試してみてください。
(1)Excelの検索機能の「シート」を「ブック」に変更する。
検索機能を選択し、表示されたダイアログボックスの「検索する文字列」に値を入力したけれども、検索結果が表示されず、エラーメッセージが出てしまいます。
こちらの表は、シートが「部署名1」と「部署名2」の2つに分かれているため、「検索方向」で選択されていた「シート」を「ブック」に変更します。開いているシートだけでなく、シート全体が検索範囲になるように設定し直します。
「すべてを選択」を押すと、エラーメッセージが消え、「部署名2」のシートにあったデータが検索結果として表示されました。
(2)「検索対象」をチェックする
文字列を検索しているのに、「数式」を選択していたなど、検索対象が検索値に合ったものを選択しているかどうかをチェックします。
以下の3つのチェックボックスにチェックが入っていないことを確認します。
●大文字と小文字を区別する(C)
●セル内容が完全に同一であるものを検索する(O)
●半角と全角を区別する(B)
検索対象がはっきりとわかっているか、表記の違いを重要視している場合でなければ、エラー表示が出やすいのでこの3つのチェックは入っていないほうがよいです。
検索の際に、特定のセルを選択していないかどうかを確認します。
検索の際に、誤って特定のセルを選択していると、特定のセル範囲の中だけで検索がかけられ、エラーになってしまうことがあります。
データの容量が重すぎて、検索がうまくはかどらないことも考えられます。その際の対処法を解説します。
(1)不要なセルを削除する。
データの中で、不要なセルはできるだけ削除していきます。
(2)不要なシートを削除する。
1つのブックにシートが多くある場合は、Excelが重くなりやすいため、不要なシートを削除します。
Ctrlを押しながら複数のシートを選択し、右クリックをして削除をすると、選択したシートが一気に削除できます。
(3)数式を値に置き換える。
数式が複数のセルにわたって入力されていると、データが重くなるため、数式の範囲をコピーし、貼り付けのオプションで値を貼り付けます。
次に、Excel検索が機能しない、表示が消えてしまうなどといった場合の対処法を解説します。
まず、セルの中に「Ctrl」+「J」が入力されていないかどうかを確認します。「Ctrl」+「J」は、セル内での改行を意味しています。Excelを活用している間に、気付かないうちに「検索する文字列(N)」の見えない場所に改行が入ってしまっているということがあります。こういった場合は、「BackSpace」や「Delete」で「検索する文字列(N)」の中にある値を消していき、いったん中身を何もない状態にします。そうすることで、検索がうまく機能することもあります。Excel検索で表示が消えてしまう場合には、一度試してみるとよいでしょう。
Excelでは、関数を用いて条件検索や行検索ができます。ここからは、関数を用いた検索の仕方を解説します。
(1)VLOOKUP関数を用いた条件検索の手順
ここからは、Excelの複数条件検索の手順を解説します。
出席回数を求めるため、講演会IDと講演会名簿の複数条件を指定して、検索をしていきます。
検索結果を求めたいセルを選択し、「Shift」+「F3」を押して「関数の挿入」ダイアログボックスを表示させ、VLOOKUP関数を選択します。
検索値に、2つの複数条件が示されたセルとして「A2&B2」と入力します。
範囲には、データ範囲のセル「E2:H15」を選択。
列番号に、データ範囲の右から四番目の列番号を示す「4」を入力。
検索方法は、絶対参照を表す「FALSE」を入力。
「OK」を押します。
複数条件を指定した検索結果が表示されました。
(2) HLOOKUP関数を用いた行検索の手順
HLOOKUP関数の数式
表からたまねぎの11月納品数を検索します。
検索結果を表示させたいセルを選択します。
「Shift」+「F3」を押して「関数の挿入」ダイアログボックスを表示させ、HLOOKUP関数を選択し、「OK」をクリックします。
HLOOKUP関数のダイアログボックスが表示されたら、
「検索値」にセルB1を選択。
「範囲」にセルC3からF7を選択。
「行番号」に「範囲」の中で上から三番目を表す3と入力。
「検索方法」に絶対参照を表すFALSEを入力します。
「OK」を押して、指定した行の検索値が表示されました。
COUNTIF関数は、指定した値の個数を数える関数です。複数ある同じ値のセルの個数を数えたい場合や空白以外のセルの個数を数えたい場合などに活用できます。
ここからは、COUNTIF関数の手順を解説します。
COUNTIF関数の数式
講演会の初回出席者人数を導き出します。
(2) 「Shift」+「F3」を押して「関数の挿入」ダイアログボックスを表示させ、COUNTIF関数を選択し、「OK」をクリックします。
(3) COUNIF関数のダイアログボックスを表示させます。
「範囲」にセルG2からG15を選択。
「検索条件」に○と入力。
(4) 「OK」を押すと、セルB1に検索値の個数が表示されました。
→【Excel】COUNTIF関数とは? その概要と活用法について解説
MATCH関数は、指定した行や列の中で、検索値の場所を求めることができるものであり、最大値や最小値、等しい値など条件を指定して検索することができます。
MATCH関数の数式
「検索値」 検索をしたい値
「検索範囲」 検索をする範囲
「照合の型」 検索方法を1、0、-1の中から選択。選択をしない場合は、自動的に1が選択されます。
1を選択した場合 検索範囲の中での最大値が求められます。データは、昇順に並べておきます。
0を選択した場合 検索値に一致する値が求められます。データは特に並べ変えなくてもよいです。
-1を選択した場合 検索範囲の中での検索値以上の最小値が求められます。データは、昇順に並べておきます。
ここからは、MATCH関数の使い方の手順を解説します。
じゃがいもの11月納品数の表にある場所を検索します。
(1) 検索値を表示したいセルを選択します。
(2) 「Shift」+「F3」を押して「関数の挿入」ダイアログボックスを表示させ、MATCH関数を選択し、「OK」をクリックします。
(3) 「検索値」にセルC1を選択。
「検索範囲」にE4からE7を選択。
「照合の種類」に絶対参照を表す0を入力。
(4) 「OK」を押すと、値が表示されました。
→【Excel】MATCH関数とは? その概要と活用法について解説
Excel のプルダウンは、セルの中でいくつかの項目を選択できる機能です。ここからは、プルダウンの基本的な使い方の手順を解説します。
プルダウンの直接入力の手順
(1)プルダウンリストを作成したいセルを選択し、「データ」タブから「データの入力規則」をクリックします。
(2) 「データの入力規則」のダイアログボックスを表示させ、「入力値の種類」に「リスト」を選択します。
(3) 「元の値」にプルダウンリストの内容を直接入力します。
(4) 「OK」を押すと、セルにプルダウンリストが作成されました。
次に、プルダウンの範囲指定の手順を解説します。
(1)、(2)までは、直接入力と同じ手順で進みます。
(3) 「データの入力規則」の「元の値」にSheet1にあらかじめ作成しておいたデータ範囲を選択します。
(4) 「OK」を押すと、セルにプルダウンリストが作成されました。
ここからは、プルダウンの削除の手順を解説します。
先ほど作成したプルダウンを削除していきます。
(1) プルダウンが入力されているセルを選択し、「データ」タブから「データの入力規則」をクリックすると、「データの入力規則」のダイアログボックスが表示されます。
(2) 左下にある「すべてクリア」のボタンを選択します。
(3) 「OK」を押すと、プルダウンリストが削除されました。
プルダウンに行を追加、削除する方法を解説します。
プルダウンリストに行を追加する手順
新たに項目に入力された16行目をプルダウンリストに追加します。
(1) Sheet2にあるプルダウンリストの入っているセルを選択し、「データ」タブから「データの入力規則」のダイアログボックスを表示します。
(2) 「元の値」に入力されている範囲を選択し直し、新たに16行目までの範囲を選択します。
(3) 「OK」を押すと、プルダウンリストに新しい項目が追加されました。
プルダウンリストの行を削除する手順を解説します。
プルダウンリストの項目の14行目と15行目を削除します。
(1) Sheet2のプルダウンリストのセルを選択し、「データ」タブから「データの入力規則」のダイアログボックスを表示します。
(2) 「元の値」に入力されているSheet1の選択範囲を2行目から13行目までに変更します。
(3) 「OK」を押すと、プルダウンリストから項目が削除されました。
→【Excel】プルダウンとは? その概要と活用法について解説
Excelでは、「検索と置換」のオプション機能を利用することで、検索場所や数式、値など、より細かな条件を指定しての検索が可能になります。
ここからは、Excelのオプション機能による検索方法の詳しい使い方を解説します。
オプション機能を呼び出すには、「Ctrl+F」を押して、「検索と置換」のダイアログボックスを表示させ、右下にある「オプション」をクリックします。
オプションにある3つの項目には、
●大文字と小文字を区別する
●セル内容が完全に同一であるものを検索する
●半角と全角を区別する
があり、検索内容に合わせてチェックを入れていきます。
また、「検索場所」は、「シート」か「ブック」を選べるようになっています。
「シート」を選択すると、現在開いているExcelファイルが検索対象となり、「ブック」を選択すると、Excelファイルにあるすべてのシートが検索対象となります。
「検索方向」では、「行」と「列」を選択できるようになっています。「行」は横方向に、「列」は縦方向に検索をします。しかし、実際には、結果表示で順番が異なるだけであり、検索結果自体は変わらないため、「検索方向」のどちらを選択しても結果は同様です。
「検索対象」には、「数式」「値」「コメント」の3つがあります。
「数式」は、「=」でセルに入力された関数などの数式を検索対象とし、「値」は、セルに入力されている値が検索対象となります。
そして、「コメント」は、「コメント」に入力されている内容が検索対象となります。
→Excelのオプション機能で、より細かな検索ができることについて解説
紹介してきたように、Excelの検索機能には、さまざまなものがあり、活用法を覚えておくと便利です。これを機会に、皆さんも、検索機能を利用し、Excel作業の効率化や時間の短縮化を図っていきましょう。
(学生の窓口編集部)
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