2021年01月26日 更新

伝統息づく「オークヴィレッジ」のこだわりアイテムで、”木”と触れ合う心地よい暮らしを

「オークヴィレッジ」は木製の“100年使える家具”を目指し、オーダーメイド家具から小物まで、こだわりのモノ造りを続けている飛騨高山の工房。今回は、伝統の技術と工夫が散りばめられた、木のぬくもりを感じるアイテムがそろう直売店「オークヴィレッジ自由が丘」を紹介します。

自由が丘駅徒歩5分。正面口前のロータリーから続く「メープル通り」をまっすぐに進むと、左に見えてくるのが「オークヴィレッジ自由が丘」です。店内に入れば、ふわりと木の香りが。シンプルかつ、全体的に柔らかな丸みのあるかわいいデザインの家具や小物たちが、明るい店内に並びます。オークヴィレッジの家具の魅力や一人暮らしにもおすすめのアイテムとは? さっそくスタッフの市田さんにお話をうかがいました。
オークヴィレッジ 市田浩祐さん

“素材を使ったら、返す” 「循環」にこだわったオークヴィレッジのモノ造り

飛騨高山でオークヴィレッジの工房が創業したのは1974年。「持続可能な循環型社会を創りたい」という大きな志のもとにスタートしたといいます。
市田さん

創業当時は高度経済成長の真っ只中。大量生産の時代に「ひと風吹かせたい」と、循環型の素材である木に着目しました。木は使ってもまた植えて育てることができますよね。それを生かすツールとして、木を使った家具を造りはじめました。創業してしばらくは、ほかにも羊を飼って洋服を編んだり、米を育てたりして、自給自足のような暮らしをしていましたが、次第に木製の家具造りだけに専念するようになったんです。

飛騨高山に工房をかまえたのは、古くから“木のモノ造り文化”が続いてきた土地だから。飛騨高山地域の森林率は面積の90%以上と驚くべき高さ。「木に生かされていることを実感する」と話す場所でのモノ造りは、製品へのこだわりにもつながっているとか。
市田さん

オークヴィレッジの製品はすべて国産の木でつくっています。「国産の家具なら普通国産の木を使っているはず」と思われている方も多いのですが、実際はほとんどが外国産なんです。
なぜかというと、流通が安定していて安く手に入るから。実は、飛騨高山にあるほかの家具メーカーも基本的には外国の木を使っています。ですが私たちは、日本の森林資源の循環促進の観点から、材料費が少し高くなっても、創業時から国産材にこだわって使い続けています。

循環を意識してモノ造りを続けるオークヴィレッジには、3つの大切な理念があるそう。
市田さん

1つ目の理念は、「100年かかって育った木は100年使えるものに」。これには、木はとても成長に時間がかかるということが関係しています。たとえば私たちがテーブルの天板に使っているのは、主に平均80年くらいの樹齢のナラの木。それなのに、作った家具が5年で壊れてはサイクルが合わなくなってしまうため、100年使える物をつくって循環を合わせようという考え方が根幹にあります。

2つ目の理念「お椀から建物まで」には、大切な素材とお客さんのことを考えた、2つの意味が込められているとか。
市田さん

私どもは、生活の中で木の文化を伝えていくことを意識しています。生活に取り入れてもらうのにいきなり家具だと少しハードルが高いので、小物もつくりますし、逆に建築も手掛けています。またそうすることで、材料を無駄にせずすべて使えるんです。3つ目は、「子供一人、ドングリ一粒」。木を1本使ったら、将来同じ大きさの木に育つ種を一粒植えようという考えで、NPO法人を立ち上げて継続的な植樹活動をしています。

日々の暮らしをワンランク底上げしてくれる、一人暮らし向けアイテムをご紹介

素材への愛情と丁寧な仕事へのこだわりが詰まったオークヴィレッジの、日々の暮らしをワンランク底上げするようなおすすめアイテムを紹介していただきました!

リピーター続出! 日本人の体にフィットする“人にやさしい椅子”

見た目は、どんな部屋にも溶け込みそうなシンプルな椅子。実際に編集部も腰を掛けてみたのですが、その座り心地のよさ、ラクチンさに思わず歓声が! 座っただけで自然に背筋がスッと伸びる感覚になります。実はこちらは、同社と岐阜県、人間工学を専門とする大学教授が共同で研究して開発された“人にやさしい椅子”なのだそう。

Swallowチェア 73,700円

台座はダークブラウン、ネイビー、ベージュ、グレーの4色。革座(ブラック、ブラウン、ベージュ)は+11,000円となっています。
市田さん

日本人の動作と体型を2年間研究してつくり上げました。一番のポイントは背板の高さと形。人が椅子に座るとき、背中には支えなくてはいけない箇所(支持点)があるのですが、その高さを日本人の平均値を出して決めました。形は背筋がカーブに沿って伸びるように計算されています。
飛騨高山には曲木という技術があって、背板は大きな木からくりぬいたのではなく、真っすぐな板を曲げているんですその方が木が無駄にならないですし、強度も増しますから。

背板が腰部分を支えてくれる一方、上半身が自由に動かせるのも快適でずっと座っていたくなります。口コミで人気が広がり、リピーターも続出している商品なんですよ◎
市田さん

幅広い世代の方が愛用してくださっています。最近多いのは、テレワークで自分用に一脚……というお客様ですね。40代くらいで新居を買われた方や、子どもが育ちあがってゆとりができたので家具を見直したいという60代の方もいらっしゃいます。

もちろん「生活の中で長く使える」ことを前提につくられたもの。60代にも愛される椅子なら、最初の“一生モノ”としてトライしてみるのもいいかも!?

コロンとした形とすべすべの手触りに恋するマグカップ

コロンとした形に深みのある茶色がマッチした「シェーヌ・ドゥ マグカップ」。手に持つと、なめらかで吸い付くような触り心地、女子の手にもしっくりなじむサイズ感に思わず笑みがこぼれます。

シェーヌ・ドゥ マグカップ 4,180円

市田さん

素材の「トチノキ」は、もとは真っ白で “絹肌”といわれるほどすべすべなんです。それをくりぬいて、工房の漆職人が漆を塗って仕上げています。漆というと少し古いイメージがあるかもしれませんが、独自の工法でマットな風合いにしました。20代の方にも好評をいただいています。

“無垢”の魅力を存分に楽しめる、幅広いシーンで使いたい座卓

どこにでも置けて、たためば高さ約8cmとさらにコンパクトになる、一人暮らしにぴったりサイズの「折りたたみ小机」。勉強や仕事で使うほか、サイドテーブルやソファテーブルにするのも◎ さまざまなシーンで活躍してくれそう!

折りたたみ小机 51,700円

仕上げはナチュラル、ブラウンの2色展開です。
市田さん

この机は金具を使わず、木の組み合わせ方で折りたためるようにしています。素材は無垢の木で、丁寧に扱えば本当に何十年でも使えます。無垢の木には空気の出入りがあって、なにもしないとねじれていってしまう。そこで、見えないところに昔ながらの工法を施し、変形しないようにしました。無垢の手触りや香りをぜひ楽しんでいただきたいです。

足の上部についている木の突起を動かすことで、足がたためます

勉強にも仕事にも! 伝統技術が詰まった「折りたたみデスク」

床座りよりも、デスク派!という人におすすめなのが、同じく無垢素材を使い、伝統技術とノウハウがギュギュっと詰め込まれた「折りたたみデスク」。

折りたたみデスク 82,500円/折りたたみスツールとのセットは121,000円

幅90cmのコンパクトなデスク。ちょっとしたスペースにすぐ自分だけの作業空間をつくれます。角を丁寧に整えた優しいフォルムも魅力的♪
市田さん

こちらはテレワークが広まったことで人気を呼び、実は4月頃からずっと品切れ状態が続いていました。手軽に折りたためるようにするため、かなり複雑な設計を伝統技術とオリジナルの工法を組み合わせて形にしています。
角部分を念入りに処理する一番の理由は手触りがよくなることですね。よく“美は細部に宿る”といわれますが、私たちもディティールにはとても気を遣っています。

親しみをもてるラインナップとディスプレイで、気軽に立ち寄れるお店づくり

そんなこだわりの家具や小物がずらりと並ぶ「オークヴィレッジ自由が丘」も、伝えたい思いは会社の理念と同じ。この街に訪れるお客さんが気軽に立ち寄れることを意識し、お店に置く商品はできるだけ気軽に手に取りやすいものをそろえているといいます。たとえば入り口では、丸くてかわいいアクセサリー「MOKURIN(もくりん)」がお出迎え♪

入り口裏に掛けられた木の鈴のアクセサリー「MOKURIN(もくりん)」

市田さん

ラインナップとディスプレイは親しみをもっていただけることを心がけています。雑貨目的でも入りやすいよう、時季によっては他メーカーのアイテムを置くことも。特に多いのは岐阜県の藍染のストールやガラス製品などですね。ほかにも丁寧に手作りされた品物など、なにかしらシンパシーを感じるものを選ぶようにしています。
「MOKURIN(もくりん)」は私が最初に出合ったオークヴィレッジの商品なのですが、それまでこういう手触りの物に触れたことがなかったんです。これがきっかけで木の製品の心地よさに気づき、当時働いていた金融の会社からオークヴィレッジへの転職を決めました。お店に来られたときには、ぜひみなさんも触れてみてください。

オーダーメイドの家具作りも手掛けているオークヴィレッジ。インテリア好きならいつかは……!と憧れが募りますが、プロから見た魅力はどういうところにあるのでしょうか?
市田さん

オーダーメイドの魅力は、やはり自分の夢が形になっていくところ。そういう意味では家に近いかもしれません。実際、依頼をしてくださるお客様で「こんなデザインにしたい」と決まっている方は少ないんです。ですので、要望をいただいてから設計担当者と提案をして、調整をして……というのを1カ月くらいかけて繰り返してから作ります。その分お客様もでき上がったときの愛着はひとしおのようです。

「まずは感覚の変化を楽しんで」暮らしに木を取り入れて、心地よい空間への第一歩を

最後に、長く付き合える家具や心地よいインテリアを生活に取り入れたいけど、どういうものから始めたらいいのか分からないという人への、アドバイスをいただきました。
市田さん

それほど難しく考えることはなく、「木」という素材を生活に何か一つでも取り入れるところからはじめてみてください。赤ちゃんは無意識に触れていて気持ちのいいものがわかるので、自然と木のおもちゃを触りたがる。そういった潜在意識は大人になっても残っているものです。木を身近に感じていれば森を大事にしようというふうに意識も変わります。ですから、まずは普段使っている物を木にしてみて、感覚の変化を楽しんでください。それで木がいいと思っていただけたら、次は少し大きな家具……と段階を踏んでいかれるのがいいのではないかと思います。

まとめ

細部まで使う人のことを考えられたアイテムがそろう「オークヴィレッジ自由が丘」。プレゼントで喜ばれそうなおもちゃや生活雑貨もバラエティ豊かに並びます。生活の中に自然のアイテムを取り入れてみたい人、手触りや心地よさにこだわりたい人、最初の“一生モノ”との出合いを探している人など、ぜひ足を運んでみてくださいね。

取材協力

diclasse

オークヴィレッジ自由が丘

【住所】東京都目黒区自由が丘2-15-22
【営業日】11:00~19:00営業、年末年始休業
【電話番号】03-5731-3107

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