塩野瑛久「今経験していることは確実に将来、何かの糧になって自分の道を作り出してくれる」#学生の君に伝えたい3つのこと
人生の先輩である著名人の方々から、まだまだ自由に使える時間が多い大学生のみなさんに、“学生のうちにやっておいたほうがいい3つのこと”をアドバイスしてもらおうという連載「学生の君に伝えたい3つのこと」。
今回は、映画『ラブ≠コメディ』に出演した塩野瑛久さんが登場。これまで経験してきたことから、学生たちに大切にしてほしいと思うことを教えてくれました。
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学生の君に伝えたい3つのこと
塩野瑛久が<学生の君に伝えたい3つのこと>
1.人間関係はしっかりと作っておいたほうがいい
──学生のうちにやっておいたほうがいいと思うことはありますか?
人間関係はしっかりと作っておいたほうがいいなと思います。恋愛って言おうかなと思ったんですが、恋愛って意外と大人になってからでもできるんですよね。でも、芯で繋がっているというか、何があっても大丈夫と思えるような友だちは学生時代にしか作れないのかなと思っています。大袈裟にいうと、自分の身に何かあったときに家まで来てくれるような友だちとか。逆にいうと、恋愛で友だちを失わないようにしたほうがいいかもしれません(笑)。
──塩野さんにとっても学生時代から続く絆があるのでしょうか。
ありますね。大人になってからも変わらない関係でいられて、唯一と言えるくらいいろんなことを話せる相手です。心の支えになっています。
2.学生のうちにいろんな作品に触れて、感じてみてほしい
──学生のうちに見たり、聞いたりしたほうがいいと思うことはありますか?
むしろ教えていただきたいくらいなんですが、やっぱり映画などは観ておいたほうがいいなと思います。僕も学生の甥っ子、姪っ子がいるのでその世代のリアルをなんとなく知っていますが、今の子はドラマや映画から距離があることが多いかなと思うんです。
でも、そこで培える人間の心の機微だったり、自分が感じた感銘みたいなものって、すごくかけがえのないものだなと僕は思っています。僕と同年代でも、すごく突出した能力を持っているんですが、そういうものを観てこなかった人で、どうしても人間関係でうまくいかなくて苦労している人がいます。
そういうものを観るか、観ないかだけが影響するわけではないと思うんですが、内面的なものや情緒的なものを感じる経験は大事だと思いますし、そこから自分のパーソナルなものを見つけたり、衝動を感じて何かを作り出すというのも大事だなと思うので、ぜひ学生のうちにいろんな作品に触れて、感じてみてほしいです。
3.自分が当たり前だと思っていることは、多くの人が当たり前だと思っていない
──これまで経験した中でやっておいてよかったなと思うことは?
すべてです。無駄なことなんかひとつもないと思います。習い事だったり、失恋や友情関係、自分が心を病んだ瞬間でさえ、のちに糧になって、その経験があるからこそ将来の選択ができたみたいなこともあると思うんです。だからこそ、今がしんどいから、今が苦しいからといって絶望はしないでほしいです。今経験していることは確実に将来、何かの糧になって自分の道を作り出してくれるはずです。
あと、人に「あなたのここがすごいよね」と言われたことは絶対に覚えておいてほしい。「字がうまいよね」や「着眼点がいいよね」だったり、ちょっとしたことでもいいから覚えておいて、それを自分の強みにして極めてほしい。僕の周りにも、自分では大した特技だと思っていなかったところを伸ばして活躍している方がたくさんいらっしゃるので、そういうところを大事にするのは人生において幸福度が高いと思うし、将来絶対に役に立つと思います。 それに実は自分が当たり前だと思っていることは、多くの人が当たり前だと思っていないものだったりもするので、そこを育みながら過ごしてほしいなと思います。
──あとになってから経験してよかったと思えることがあるものの、落ち込んでいたり、辛いことに直面しているときはなかなかそう思えない部分もあると思います。ネガティブになったとき、しんどいなと思うときはどう気持ちを切り替えていますか?
「次にこの機会があったら絶対に同じ過ちはしないぞ」というプラスの方向に考えることでしょうか。もうすでに一回経験したから、次に同じ状況が自分に降りかかったときには対処法がわかっているんだと思えれば、過去のことも今起きていることもプラスに捉えられるのかなと思っています。
映画『ラブ≠コメディ』は、作品を作る裏側を知っているからこそ、すごくリアルだなと思いました
──そして、塩野さんが出演した映画『ラブ≠コメディ』についてもお話を聞かせてください! まずは、完成した作品をご覧になっていかがでしたか?
ラブコメっぽい要素が前面に出ているとは思うんですが、お仕事ドラマとして人と人との繋がりや一種の青春を見せてくれるような雰囲気がある映画かなと思っていて。それをキャストのみなさんがすごく個性豊かに演じられているので、ポップで入り込みやすいと思います。
また、僕は俳優をやっていて作品を作る裏側を知っているからこそ、すごくリアルだなと思いました。まさに僕がつい最近撮影をしていた場所がロケ地に使われていたり、僕らにとっても見応えのあるシーンがかなりあったので、観てくださるみなさんも「こういう感じで撮影してるんだな」という目線で見ていただいても楽しめると思います。
それから、僕は光石(研)さんが演じる役にすごくグッと来ました。いろんな発見もあるし、心が温まる映画だと思うので、そこは推していきたい部分のひとつでもあります。
──今回演じた颯真という役は、どう演じようと考えていましたか?
今回は俳優という役どころだったので、自分たちの身近な要素から拾い上げていくことが多かったです。僕はまだまだ(中島健人さん演じる)麗司と同じように賞がほしいと思っているタイプなんですが(笑)、颯真の苦悩や抱えている気持ちは理解できる部分がありましたし、僕も主演経験がないわけではないので、背負うものや重圧はすごくわかりました。
あと、みんながそうとは言わないですが、やっぱり隣の芝生は青く見えることがかなりあるのかなと思っています。僕自身もそうですし、他の役者さんと話していても、自分と年齢が近い人たちが出ている作品はなかなか観られなかったり、嫉妬心があるという方も多かったりする。ですので、僕としてもわかるな、こういう心境あるよなというところを大事にしながら作っていきました。
自分の信念、持っている美学があって、媚びていないところがカッコいい
──俳優仲間である麗司との関係性を演じる上で、意識したことはありますか?
二人の関係性はあんまり難しく考えるというよりは、自分の身近な関係性を想像しながら作っていきました。僕は中島健人さんをとてもリスペクトしているので、そこは撮影初日にご本人に伝えて、そこから話が弾んですごく距離も縮まったかなと思っています。そのリスペクトの気持ちを持ちながら演じていました。
──具体的にどういった部分にリスペクトを感じていたのでしょうか。
ご自身の中の芯がブレないところや、ちゃんと信念がありながら求められているものを120%で返せるところです。僕、中島さんが出したグッズがすごく好きで、本当にほしい!と思ったくらいにセンスがよくて。形容しがたいですが、あそこまで振り切ってくれるとリスペクトせざるを得ないですよね。それに、いやらしさがないんです。自分の正解が正解というか、自分の信念、持っている美学があって、それに準じて生きているだけで、決して媚びているわけではないところがカッコいいなと思っていて、そこがすごく好きですと伝えました。
──それを伝えた際は、中島さんからはどんな反応がありましたか?
「すっごく嬉しい」と言ってくれました。そこから「でも実はちょっとこう思うこともあった」「俺はこうでいいと思ってるんだよね」ということを話してくれたりして。すごく人間らしい一面を見ながらも、決してブレてはいないところがすごいな、人を惹きつける方だなとも思いました。
──今回の共演で見えた、中島さんの新たな一面はありましたか?
共演は初だったんですが、画面越しで受けていた印象そのままでした。むしろそれ以上に熱いものを持っていて、裏でもスタッフさんを盛り上げたり、気の遣い方やサービス精神を目の当たりにして、そういったところも頼りになる座長だなと思いました。
俳優ほど心に素直な人ってあんまりいないんじゃないかなと感じている
──今回はご自身と同じ俳優を演じられましたが、役者としてここは妥協したくないと考えていることはありますか?
最近はそこまでストレートな言い方をする人もいないとは思うんですが、「俳優さんだから普段の生活でもお芝居をするのが上手」と言われたり、バラエティなどでのリアクションやコミュニケーションを疑われることもよくあるんです。
ただ個人的には、俳優ほど心に素直な人ってあんまりいないんじゃないかなと感じています。その中で、フィクションの世界の物語であっても、いかに心情をリアルに自分の中に落とし込むかは、どんな作品であれ大事にすべきことなのかなと最近特に感じます。
どんなにコメディであろうと、どんなにデフォルメされた世界であろうと、そういう自分の中でのリアリティラインみたいなものは持っておかないといけないのかなとすごく感じています。
──お仕事ドラマとして、キャストやスタッフが熱くぶつかり合う姿や一致団結する姿も描かれていましたが、これまでに現場での佇まいや言動が印象に残っている方はいますか?
本当にたくさんいるので挙げていったらキリがないですね……、現場って実はそこまでそのシーンに対して話し合ったりということはあまりないんですが、すごくガツンときたことでいうと、吉田羊さんと『光る君へ』でご一緒したときの印象は強く残っています。大河ドラマは基本的にリハーサルをその週の初めに行って撮影に挑むのですが、(吉田さん演じる母・)詮子と(塩野さん演じる)一条天皇が対峙するシーンに関しては、羊さんがお仕事の都合でリハーサルに来られなくて、現場で初めて対峙しました。羊さんは一条天皇を小さいときから見ているけれど、成長した僕が演じる一条天皇と相対するのはほぼそのときが初めてという状況でもありました。そんな中、リハーサルから熱量が凄まじく、僕のほうにビシビシと緊張感と母の思いが伝わってきて、身が引き締まりました。あそこまでキャリアを積み上げられてきたものがあっても驕りがない、その姿が印象に残っています。
──最近、塩野さんが熱くなった瞬間はありますか?
いろんな俳優さんの作品を観たときですかね。あと僕自身も年齢を重ねて、この業界で仕事をしている年下の人とも関わることが増えてきて、そういう方たちの熱がすごく高かったときとか。最近、若いプロデューサーさんとお会いする機会があったのですが、そのときに「一緒に仕事をしたいと思っていました」とおっしゃっていただいたんです。そういう思いには応えたいですし、その方が持っている情熱を浴びたときにすごく素敵だなと思うと同時に、自分の持っていたものを思い出して、僕も頑張らなきゃなという気持ちにさせられます。
PROFILE
塩野瑛久(しおの あきひさ)
1995年1月3日生まれ、東京都出身。2012年、デビュー。2013年『獣電戦隊キョウリュウジャー』で注目を集める。以降、映画『HiGH&LOW THE WORST』、2024年大河ドラマ『光る君へ』一条天皇役などで話題を集め、活躍の幅を広げている。2026年7月3日に全国公開する映画『ラブ≠コメディ』で、中島健人が演じる主人公・神崎麗司の友人であり、ライバル俳優でもある渕上颯真役を演じる。
映画『ラブ≠コメディ』7月3日(金)全国公開

STORY
「ラブコメ一色のキャリアに、終止符を打ちたい!」人間ドラマへの出演を熱望する俳優、神崎麗司。しかし、またまた舞い込んだオファーは、世間が彼に求めるキラキラしたイメージそのままの"ラブコメ"だった。理想と現実のギャップに葛藤しながら向かった撮影現場。そこで出会った共演者の南風美里は、麗司の想像を超えていた。役のために妥協せず、不器用なほどまっすぐ突き進む彼女の姿に、麗司は苛立ちと戸惑いを感じながらも、目が離せなくなっていく。「本当の自分」を見失っていた俳優と、「本当の自分」を貫くアイドル。二人の情熱が周囲を動かし、バラバラだったキャスト・スタッフの心は次第にひとつに―。 観終わったあと、誰もが笑顔で「明日も頑張ろう」と思える、最高の輝きに満ちた大人の青春物語!
【クレジット&ビリング】
■監督:紙谷楓
■脚本:大北はるか
■キャスト:中島健人 長濱ねる
板谷由夏 塩野瑛久 本多力 前野朋哉 今野浩喜 野村麻純 宮崎吐夢 磯山さやか 岩井拳士朗 信川清順
工藤美桜 今野大輝(B & ZAI) 北代祐太 アパッチ長男 / 菊田竜大(ハナコ) 三石琴乃 光石研 / 財前直見
■主題歌:中島健人「Fiction Love」(Sony Music Labels Inc.)
■製作:ストームレーベルズ
■配給:ストームレーベルズ/ライブ・ビューイング・ジャパン
■制作プロダクション:共同テレビ
コピーライト:(C)2026 Storm Labels Inc. All Rights Reserved.
公式X:https://x.com/lovenotcomedy
公式IG:https://www.instagram.com/lovenotcomedy/
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2026年6月29日(月)~2026年8月2日(日)23:59まで
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取材・文/東海林その子
撮影/米玉利朋子


































