ルームシェアのメリットとデメリットとは?契約前に知っておきたいチェックポイント
大学進学や新生活のタイミングで、「友達とルームシェアしてみたい」と考える学生の方も多いのではないでしょうか。ルームシェアは家賃や生活費を抑えられるだけではなく、「仲のいい友達と一緒に住めたら楽しそう!」というワクワク感も、新生活をより一層高めてくれますよね。
しかし、実際のところルームシェアは楽しいことばかりではありません。生活スタイルの違いからケンカになってしまったり、契約や退去の際にトラブルが発生したりするケースも少なくありません。
そこで今回は、ルームシェアを検討している学生のみなさんに向けて、契約前に確認しておきたいポイントや失敗を防ぐためのコツをご紹介します。
安心して、そして楽しくルームシェア生活をスタートさせるために、ぜひ参考にしてみてください。
契約前に確認!ルームシェアが可能な物件かチェック
ルームシェアを検討している場合、まず押さえておきたいのが「その物件でそもそもルームシェアが可能かどうか」という点です。 実は、すべての賃貸物件がルームシェアに対応しているわけではありません。規約で「複数人での入居」を禁止しているケースもあるため、注意が必要です。
特に単身者向けの物件では、友人とのルームシェアを前提とした契約ができないこともあります。気になる物件を見つけたら、内見前の段階で「ルームシェア可」かどうかを必ず確認しておきましょう。
また、物件検索サイトによっては「ルームシェア可」の条件で絞り込み検索ができることもあります。最初から対応物件に絞って探すことで、スムーズに物件選びを進められます。
契約方法に注意!名義と保証のルールは物件ごとに異なる
ルームシェアで物件契約をする際は、誰を契約者にするか、保証人や保証会社をどうするかなど、いわゆる「契約方法」の確認が重要です。あとから不動産会社や同居人と揉めないよう、契約書の内容や手続きは、お部屋探しと並行してしっかり確認しておきましょう。
代表者契約か連名契約かは管理会社の判断に従う
ルームシェアの契約方法は、大きく次の2通りがあります。
1:どちらか一方が契約者となり、もう一方は同居人として入居する
2:2人とも契約者(連名)となり、それぞれに保証人や保証会社を付ける
どちらの形になるかは物件によって異なり、管理会社やオーナーの方針によって決まります。「名義は誰にするか」「保証人はどうするか(誰に頼むか/保証会社の利用有無)」など、内見・申込前の段階で合意しておくと、希望物件が見つかった後の手続きがスムーズです。
入居者は入れ替え不可の物件が多いため注意が必要
賃貸借契約書には、入居者の氏名が明記されます。したがって、自己判断での入れ替え(例:「Bさんが退去するので、代わりにCさんが入る」)は、契約違反となるのが一般的です。
同居人の結婚や引越しなどやむを得ない事情であっても、入れ替えが認められないケースがあります。入居者の入れ替え可否、不可の場合に必要となる手続き(再契約・審査・解約手続きなど)を、契約時に必ず確認しておきましょう。
物件選びでは“動線や構造”にも目を向けよう
「家賃や立地が良ければOK」と思いがちですが、ルームシェアをはじめるとストレスになりやすいのは、“動線の不便さ”や“音問題”です。物件を選ぶときは、間取りや生活動線も意識してチェックしておくと安心です。
ベランダの出入りが一方の部屋だけからの場合は注意
よくあるのが、「ベランダに出るには、もう一方の部屋を通らないといけない」という間取りです。一見するとそこまで大きな問題ではなさそうですが、洗濯や布団干しのたびに誰かの部屋を行き来するのは意外と気を遣うもの。「相手が寝ている時間は遠慮して使えない」「着替え中で入れなかった」など、小さなストレスが日常的に積み重なる原因になります。
また、動線の問題はベランダだけでなく、玄関・トイレ・キッチンなどの位置関係にも関係します。たとえば、「トイレがどちらかの部屋すぐ隣で音が気になる」「玄関までの動線が一方の部屋を横切る」など、住んでみてから気づくケースも少なくありません。
内見の際は、間取り図を見るだけでなく、実際にその場で動きをイメージしながら、「自分がその空間をどう使うのか」「お互いがどんな場面で気を遣いそうか」という視点でシミュレーションしてみましょう。
壁の薄さには、家具できる簡易的な防音対策を
ルームシェアでは、生活リズムの違いが思わぬストレスにつながることがあります。 特にお互いの部屋が隣り合っている場合、「夜中の物音で目が覚めた」「電話の声が筒抜けだった」など、壁の薄さが原因でトラブルになるケースも少なくありません。
そんなときは、家具を使った簡易的な防音対策が効果的です。たとえば、本棚や収納棚を壁際に置くことで、音をやわらげることができます。
大切なのは「音をゼロにする」ことではなく、お互いに配慮し合う姿勢です。「夜中に電話する日は事前に伝える」「早朝に出かけるときは音を立てないように気をつける」など、ちょっとした気遣いの積み重ねが気持ちよくルームシェアを続けるための秘訣です。
入居後の揉めごとを防ぐコツは、最初の“ルール作り”にあり
ルームシェアを始めるときに、意外と見落とされがちなのが「生活ルール」のすり合わせです。どんなに仲が良い友だち同士でも、掃除の頻度や水回りの使い方、来客に対する感覚などは驚くほど違うもの。小さな違いが積み重なると、後々トラブルにつながることもあります。
家事分担は「なんとなく」ではなく明確に決めておく
ルームシェアで特にトラブルになりやすいのが、共用スペースの家事分担です。 「誰が・いつ・何を担当するのか」が曖昧なままだと、「また自分ばかりが掃除している気がする」「ゴミが出されずにずっと置かれている」といった不満が募り、お互いの関係にも悪影響を及ぼしかねません。
最初の段階で、「掃除は週1回で交代制にしよう」「ゴミ出しは朝に出られる人が担当しよう」など、できるだけ具体的なルールを話し合って決めておくことが大切です。
お互いの得意・不得意を補い合う形にできれば、ストレスを減らすだけでなく、気持ちよく暮らすための信頼関係づくりにもつながります。
来客ルールは“感覚の違い”を前提にすり合わせて
友人を家に呼ぶ頻度や時間帯、宿泊の可否なども、人によって感覚が異なるポイントです。
「誰かがいると落ち着かない」と感じる人もいれば、「友だちがよく来るのは楽しい」と思う人もいます。こうした違いは、どちらかが我慢し続けてしまうと、やがて大きなストレスになります。
だからこそ、「友人を泊めるときは前日までに連絡」「夜22時以降の訪問はNG」など、お互いが納得できるラインを事前に決めておくことが大切です。
ルームシェアでは、ほんの少しの感覚のズレが、知らず知らずのうちに不満の原因になることも…。「私たちは仲がいいから大丈夫」と思わずに、まずは一度しっかり話し合ってみましょう。このひと手間こそが、楽しく心地よい共同生活を長く続けるための一番の近道です。
家賃や光熱費の“分け方”も不満を生まない工夫を
ルームシェアする上で避けて通れないのが、家賃や光熱費などの金銭的な負担割合の話。
最初に話し合っておかないと、「なんか自分だけが損してる気がする…」という不満につながってしまうこともあります。そんなトラブルを防ぐためにも、住まいの条件や使い方に合わせて、お互いが納得できる分け方を考えてみましょう。
部屋の広さや設備の違いは、家賃配分で調整を
ルームシェアでは、同じ家に住んでいても、それぞれの部屋によって条件が違うことがよくあります。たとえば、一方は6畳でクローゼット付き、もう一方は4畳で収納なし――このように広さや設備に差がある場合、家賃を単純に半分ずつにすると「なんだか不公平…」と感じてしまうことも。
部屋の広さだけでなく、収納の充実度・採光・ベランダやエアコンの有無など、さまざまな要素を加味して、「それぞれが納得できる負担割合」を決めることが大切です。あらかじめ調整しておくことで、暮らし始めてからのストレスや不満を防ぐことができます。
節約意識に差があると不満に直結、電気や水の使い方は事前に話し合いを
水道代や光熱費は、使えば使うほど料金が上がるもの。 それなのに、使い方に差がある2人が費用を折半していると、「なんでこっちばかり我慢してるの?」という不公平感が生まれてしまいます。
たとえば、一方は毎日お湯をためて湯船につかりたいタイプ、もう一方はシャワーだけで済ませるタイプ。こうした差が積み重なると、節約している側にとっては大きなストレスになることも。
だからこそ、「光熱費は折半が当たり前」と決めつけずに、まずはお互いの使い方の傾向や意識を共有することが大切です。そのうえで、光熱費の負担割合を変えるのか、それとも水や電気の使い方そのものを見直すのかを事前に話し合っておくと安心です。
ストレスをためないための“仕組みづくり”も忘れずに
どれだけ気の合う相手でも、生活をともにする中で「気になるけど言いづらいこと」が出てくるのは自然なこと。ちょっとした不満や違和感を放っておくと、ある日突然、大きな衝突につながってしまうケースもあります。
だからこそ、普段からお互いの気持ちを話せる“場”や“仕組み”をつくっておくことが、ルームシェアを長く続けるうえでとても大切です。
定期的な話し合いが関係を保つコツ
ルームシェアでは、「言いたいけど言いづらいこと」が積み重なりやすいものです。
たとえば、「掃除の頻度がゆるくなってきた」「生活音が少し気になるようになってきた」など、日常のちょっとした違和感は、わざわざ言うほどでもないと我慢してしまいがち。でも、そうした“小さな気になる”をため込み続けると、ある日突然、関係がギクシャクしてしまうことも…。
そうならないためにおすすめなのが、月に1回など定期的に“なんでも言える時間”を設けること。掃除やゴミ出しのルールを一緒に見直したり、「もう少し音に気をつけてもらえると助かるかも」と伝えたり。あらかじめ“言ってもいい場”があるだけで、言いづらいこともずっと伝えやすくなります。
定期的な話し合いは、お互いが気持ちよく暮らし続けるための“リセットタイム”。「ルールを守るかどうか」ではなく、「どうすれば快適に続けられるか?」を一緒に考える場として活用しましょう。
住んでみないとわからないからこそ、“期限を決めて住む”ことがおすすめ
どれだけ話し合っても、実際に暮らしてみないとわからないことはたくさんあります。そんな時におすすめなのが、あらかじめ“期限”を設けてスタートする方法です。
期限を決めておけば、生活スタイルの違いや距離感に悩んだ時も、期限があるからこそ必要以上に我慢せずにすむはずです。
「ずっと一緒に暮らす前提」でスタートするよりも心理的なハードルが下がり、相手にも自分にも優しくなれるのが、期限を定めて暮らす大きなメリット。
万が一うまくいかなかった場合でも、最初に“終わりの時期”を決めておけば、関係にヒビを入れることなく、自然にルームシェアを解消することができます。
「とりあえず一緒に住んでみよう」よりも、“決まった期間だけ”という前提で始めることで、気持ちにも余裕が生まれ、お互いにとって無理のないスタートになるはずです。
なんとなくで始めないことが、ルームシェア成功の第一歩
ルームシェアは、ただの「家賃を分け合う暮らし」ではありません。ひとつ屋根の下で過ごす相手とは、日々の生活を通じて信頼やリズムを築いていく関係が求められます。
だからこそ大切なのは、「なんとなく始める」のではなく、事前にきちんと話し合い、お互いを理解し合う準備をしておくこと。
どんなに気の合う相手でも、話してみて初めて気づくことや、すり合わせが必要な部分は意外と多いものです。
暮らし方に正解はありませんが、「話して決めたことがあるかどうか」で、その後の関係性やストレスの感じ方は大きく変わります。
仲の良さだけに頼らず、“住む”ということを一緒に考えながら、安心してスタートできるルームシェアを目指してみてくださいね。
教えてくれた先生
相馬 かおり(そうま かおり)
株式会社CHINTAI イノベーショングループ
不動産仲介会社の株式会社エイブルに新卒で入社し、店長経験を含め約10年間、不動産賃貸業務に従事。 その後、同グループの株式会社CHINTAIへ転籍。これまで培った不動産業務の知識を活かし、お部屋探しに関する新サービスの立ち上げやテスト店舗の運営、不動産会社向けのカスタマーフォロー、サービス開発などをマネジャーとして担当。 現在は、その知見を活かし、不動産会社向けシステムの開発に携わっている。
文:CHINTAI編集部
編集:学生の窓口編集部
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