ジャーナリングを挫折せずに続けるには「余白」を持たせるのがおすすめ!【学生が知りたい“習慣化”のコツ】
「三日坊主」という言葉があるように、多くの人にとって何かを習慣化することは、簡単なようで難しいもの。もし、考え方のシフトやちょっとしたコツを知っているだけで、継続する力が身につくのであれば、うれしいですよね。今回の企画では、習慣化アプリの開発者で『継続する技術』の著者でもある戸田大介さんが、大学生の「習慣化」にまつわる悩みに答えます! 5回シリーズでお届けする第2回のテーマは「夜のルーティーン」です。

夜のルーティーンを持ちたいけれど思うように続けられないという大学生に対し、「元・筋金入りの三日坊主」という戸田大介さんならではのアドバイスが光ります。
寝る前にジャーナリングを始めたけれど…
平日は大学と部活で1日がすぎ、楽しいことを考えて寝たい!という気持ちから、夜な夜なSNSを見て時間が経ってしまいます。目標実現や思考整理によいというジャーナリングの時間に充てようと、専用の手帳を買って、1冊終わるまでは続けると意気込んでいたのですが、1週間ほどしか続かず……。しかも、書くのに30分以上かかってしまい寝不足になってしまいました。
疲れた日でも穏やかに寝るために、自分なりのルーティンの見つけ方があれば教えていただきたいです。また、ジャーナリングなどの「書く習慣」をつけるにあたって、継続と効果という観点からおすすめの方法や、スマホと紙の違いがあればお聞きしたいです。
(monさん/ガクラボメンバー)
問題はSNSを見すぎてしまうこと
楽しい気持ちになれるのなら、SNSを見ること自体はよいと思います! 問題はそれを後悔してしまうほど「見すぎてしまう」ということなのではないかと推察しました。
見すぎてしまうのはSNSが「見るのをやめられないように」作られているためです(それも驚くほど巧妙に)。そのため、「絶対長時間見ない!」などと決意しても、とても勝ち目の薄い戦いになってしまいます。ではどうすればいいのかというと、こちらも同じように「見るのをやめられるように」工夫を施します。
スマホのアプリ利用制限を活用
その方法の一つが、スマホの利用制限です。今のスマホには普通、「利用制限」なる機能があります。制限の方法は色々あるのですが、今回おすすめしたいのは、時間による制限。たとえば、「午前1時を過ぎたらSNSを開けなくする」という方法です。
といっても、実際は開こうとすると「制限中です。それでも開きますか?」という画面が出るだけで、かんたんに開けてしまいます。ですが、これでもちゃんと効果はあります。1時になった瞬間にSNSを見ていたら、「制限中です」という画面に切り替わるので、「あ、これで終わりにするか」というきっかけが生まれます。もちろん、それでも見続けてしまうこともあるかと思いますが、SNSを見ない確率が上がるだけでも、長期的にはよい方向に向かうことは間違いないと思います。
具体的な方法は、「iPhone アプリ 利用制限」などで検索すれば見つけられるので、よければぜひ調べてみてください。(ちなみにiPhone の場合は「スクリーンタイム」という機能です)
『ほぼ余白』作戦
次に、ジャーナリングを挫折してしまう原因としては、「イメージしている作業量が大きい」ということがあるかもしれません。人は行動する前に「これからやろうとしていること」をイメージして、その想定量が大きければ大きいほど、面倒に感じてしまいます。(たとえば自炊が面倒で、外食がラクに感じるのは、自炊の方が「買い物」「献立」「料理」「片付け」など、作業量が多いため)
というわけで、「しっかり書かなきゃ」と思わないで「適当に1行書いたらオッケー!」という図々しいメンタルになれると、継続できる可能性はグッとあがります。しかし、そうは言っても一行しか書いていないと、なんだかサボっているような、情けないような気になってしまうかもしれません。
そんな時におすすめなのが、「ほぼ余白」 作戦です。
たとえば私が大学生の頃から書いている雑記ノートがあるのですが、ページ全体がほぼ余白となることがよくあります(写真参照)。ここまで大胆に余白ができると、逆にそういうデザインのような雰囲気が出てきて、しかもまじめに書かなくてもページがどんどん進み、なんだかちゃんとできているような気がしてくるのでオススメです。(ちなみに今では44冊目になっています)
夜なら紙がおすすめ
紙とデジタルは一長一短なのですが、夜に書くと決めているのであれば、紙の方がよいかもしれません。夜にスマホで書いていると、それだけでSNSを開く誘惑になったり、ブルーライトで寝つきが悪くなったりするので、紙の方が穏やかに書いて、よいメンタルで眠りにつけると思います。参考になれば幸いです!
文/戸田大介
編集/学生の窓口編集部
『継続する技術』
元・筋金入りの三日坊主が開発した、日本で一番使われている習慣化アプリ「継続する技術」。その開発過程やユーザーの行動データから、「継続する」ために重要な三原則がわかりました。
原則1:すごく目標を下げる
原則2:動けるときに思い出す
原則3:例外を設けない
とてもシンプルですが、この原則を守った人は、
筋トレや勉強などの「30日間継続成功率」がなんと8.23倍。
「なぜ、ここまで大きな差が生じるのか」
「具体的に何をすればいいのか」
本書は、その答えを客観的な事実にもとづいて示していきます。
著者:戸田大介
発売:2024/10/18 定価:1870円 (税込み)
発行:ディスカヴァー・トゥエンティワン
詳細ページ:https://d21.co.jp/book/detail/978-4-7993-3099-9