「早起きは三文の得」は本当か? #もやもや解決ゼミ
日常に潜む「お悩み・ギモン」=「もやもや」を学術的に解決するもやもや解決ゼミ。今回はことわざのひとつ「早起きは三文の得」がテーマです。
「早起きは三文の得」は、「早く起きることはわずかではあるものの、良いことである」という意味のことわざです。しかし、早起きは得になるのでしょうか? この疑問について、東京医科大学 精神医学分野の志村哲祥先生が研究をされており、驚きの結果が出ています。

「早起きが生産性向上に本当に関連するのか」は未検証だった
志村先生の研究は、クロノタイプ(朝型・夜型といったその人が本来持つ体内時計の傾向)が生産性にどのような影響を及ぼしてるのか、また「早寝早起きは生産性に対してどのように影響するのか」を調査するという内容です。
昨今、朝方のアスリートは早い時間、夜型のアスリートは遅い時間に高いパフォーマンスを発揮するなど、クロノタイプによるパフォーマンスの影響が注目されています。スポーツだけでなく、仕事でもクロノタイプと合わない時間に働くことで、健康上の問題が生じることも明らかになってきました。
しかし、「早起きが生産性向上に本当に関連するのか」については今まで検証されたことはなく、「夜型人間は認知機能が高い」「しかし夜型人間はプレゼンティズムが強い(労働生産性が低い)」といった、曖昧な結論しかなかったそうです。そのため、今回の研究を行うことになったとのこと。
早起きは得なのか損なのか
本調査では、第三次産業42社で働く約1万人を対象に、2017~2019年にかけて調査を実施。その結果、朝型の人が「1時間の遅寝」をした場合は0.29%、夜型の人が「1時間の早起き」をすると、0.14%の生産性低下が明らかになりました。
一方で、朝型の人の起床時刻、夜型の人の入眠時刻は生産性との有意な関連はありません。つまり、朝型の人は無理に夜更かしをするとパフォーマンスが落ち、夜型の人は無理に早起きすると不調につながる――というわけです。
朝型の人が早起きをしても生産性には影響はなく、むしろ夜型の人が早起きをすると生産性が低下するということですから、早起きは「三文の得」ではなく「三文の損」になるとのこと。
ちなみに、OECD平均賃金換算で年額8,000~1万3,500円程度の損になるそうです。

◇けつろん!
志村先生の研究では「早起きは三文の損」と意外な結果が明らかになりました。志村先生によると「『夜ふかししないこと』『無理に早起きしないこと』、『良好な睡眠をとること』が重要」とのこと。
起床時間や就寝時間がめちゃくちゃという人は、健康的な生活を維持するためにも生活リズムを見直してみるといいかもしれませんね。
◇おしえてくれたせんせい!
●志村哲祥先生
profile
東京医科大学 精神医学分野客員准教授。臨床精神医学、睡眠医学、産業衛生、学校保健が専門。
参照元:早起きは三文の損: 朝型人間の夜ふかしと、夜型人間の早起きが生産性低下と関連
https://team.tokyo-med.ac.jp/omh/news/202203_chronotype/
文:高橋モータース@dcp
編集:学生の窓口編集部



























