「企業の魅力は社員です!」 ANAでマーケティングに携わる先輩社員に、仕事や会社の魅力を聞いてみた。
「将来の“なりたい自分”がまだわからない」という悩みを抱えるみなさんに、いろいろな企業で活躍する先輩たちの姿を通してロールモデルを見つけてもらう企画「#先輩ロールモデル」。
今回は、空からはじまる多様なつながりを創り、社員・お客様・社会の可能性を広げていくことに取り組んでいる【ANA】の先輩社会人にインタビュー。
ANAの価値を提供するために、コミュニケーションを推進し、海外マーケットでANAの認知度向上に貢献しているヤヘルニツカさんに、仕事内容や学生時代に取り組んだことについてお話を伺いました!
2019年度入社
マーケティングコミュニケーション部において海外コミュニケーションを担当。
各国の文化やニーズに合わせたコミュニケーションや活動を企画し、ローカルブランディングを推進していくことでANAを知ってもらう機会を増やすことに取り組んでいる。
――自己紹介をお願いします。
ウクライナ出身のヤヘルニツカ リリヤと申します。2015年に山口大学に1年半研究生として留学した後、山口大学日本語教育研究科で修士号を取得しました。今年で9年弱、日本に住んでいます。
ANAには2019年に新卒採用で入社し、2020年までは成田エアポートサ―ビスの旅客サービス部で国際線のグランドスタッフの仕事をしていました。2020年から2024年の約4年間はANAのDEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)推進部で、DEIの推進や社内コミュニケーションなどに携わり、主に社員の働きやすさの向上に取り組みました。
2024年の4月からは、ANA CX推進室のマーケティングコミュニケーション部に所属しています。
――現在のお仕事内容を簡単に教えてください。
CX推進室マーケティングコミュニケーション部では、各海外マーケットに根ざしたローカルブランディング活動の支援を行っています。海外でのANAの認知度を向上させるために、お客様とどのようなコミュニケーションを取ればよいのかを日々考えています。また、企業との連携を通じてコラボレーションも実施しています。
――語学力はやはり重要ですか?
所属している部署や具体的な業務内容によって結構変わってくると思います。英語に関しては、英語を使う部署もあれば、使わない部署もあります。また、英語や日本語ではない他の言語を使う部署もあります。入社時には特に必須ではありませんが、語学力は重要なコミュニケーションツールなので、社内の語学力が向上できるプログラムを活用して、勉強している社員も多いです。グローバルな企業においては、外国語力だけではなく、グローバルな視野も重要だと思います。コミュニケーションは言葉だけではないので、グローバルなマインドセットを持ち、自身の立場を理解し、他国や多様な人々に関する知識や理解、オープンマインドな思考が大事です。
――ヤヘルニツカさんが所属する部署ではどのくらい英語を使っていましたか?
成田で国際線のグランドスタッフをしていた頃は、海外からいらっしゃるお客様の対応にときどき英語を使っていました。また、2020年から所属していたDEI推進部では、基本業務は日本語でしたが、海外支店とコミュニケーションを取る際に英語を使っていました。現在のマーケティングコミュニケーション部では海外企業と関わる機会が多いので、英語を使う機会が増えたと感じています。
――英語以外の言語も使うことがあるとおっしゃっていましたが、どのようなときに使うのでしょうか?
これも部署によります。例えば海外地区での配属がある場合は、他の言語が役立つこともあります。また、私の母語はウクライナ語なのですが、成田空港でエアポートサービスをしていた時に、ウクライナ人のお客様をウクライナ語でご対応させていただきました。海外駐在になった場合は、現地で語学を勉強することも会社がサポートしてくれます。
――仕事で海外に行くことはありますか?
こちらも仕事の領域や業務内容によりますが、海外支店や海外の企業、国際会議などで海外にある組織と関わりが多い部署だと海外に行く機会も多くなりますし、国内出張が多い方もいると思います。
――さまざまな部署で仕事をしてきたと思いますが、現在の部署はご自身で選んだのでしょうか?
マーケティングについては以前から深く知る機会がありませんでしたが、ビジネスの視点でマーケティングに関わって学びたいと思っていました。お客様に弊社自体や提供しているサービスの魅力をどのように伝えるか、お客様の視点から考えることの重要性やブランドの価値観を伝える方法、戦略の立案などに興味を持っていました。そのため、この部署への異動を希望しました。
以前の経験では、DEI推進部で社員向けの業務に携わり、全ての人が働きやすい環境づくりや公正な機会提供に取り組んできました。その経験を通じて、多様性のあるお客様のニーズや特徴に対して、どのように魅力的なサービスを提供するかを考えることに興味を持ちました。マーケティングコミュニケーションを通じて、お客様をワクワクさせる方法や戦略を考える業務に非常に興味があります。
――マーケティングの部署ならではの魅力はありますか?
1番の魅力は、この部署のミッションだと感じています。
「ANAの良さをお客様に伝えること」がミッションのため、企業とお客様との架け橋となることができる部署です。ANAには様々な部署があり、それぞれの部署や部門は、お客様に、ANAの顧客体験を通じて、より付加価値を提供できるように取り組んでいます。その部署の努力や提供しているサービス、ANAの魅力、ANAが提供するワクワクする経験などをお客様に届けていくのはマーケティングコミュニケーション部の仕事です。
また、ゼロから企画を作る機会が多いので、どのアプローチややり方が正しいかなどのはっきりとした答えがないです。小さなトライアンドエラーを繰り返しながら少しずつ成功につなげていくプロセスが非常に難しいですが、とてもやりがいのある創造的な仕事だと感じています。
さらに、さまざまな部署や他の企業とも関わる機会が多いので、個人のネットワークを増やすことができ、視野を広げたり、マインドをオープンにしたりできることも魅力だと感じています。
――企業全体としてはどこが魅力だと感じていますか?
魅力は社員だと思います。仕事に情熱を持っていて優秀なメンバーが多く、社員が会社の力になっていると感じています。特にコロナ禍では、困難な状況の中で、社員たちは自分にできることを考え、さまざまなアイデアを出し合いました。その結果、非航空事業のサービスが多く生まれ、会社の存続に貢献しました。もちろん、大きな変化を実現するためには仲間のサポートが必要ですが、変化の原動力は個々の想いや行動、努力によって生まれるという精神を持つ人々がいるからこそ、ANAはさまざまな危機を乗り越え、お客様に夢を届け続ける企業として成長しています。
ANAのトップが語る「人の力」の重要性についての記事を読んでみるとよいと思います。興味を持った方はぜひ調べてみてください。
――今までで一番楽しかった仕事でのエピソードを教えてください。
自分が関わっていてプロジェクトが成功した時に達成感を得ることが、一番楽しいと思っています。DEI推進部にいた時は、DEIフォーラムという社内の大きなイベントの担当をしていました。4年間担当している中で、DEIに対する社員の関心が上がっていると感じました。イベントの事後アンケートの反応もよかったので、やってきてよかったなと感じました。
DEIというキーワードが様々な場面で聞かれるようになったことから、これまでの活動が意味を持っていたと感じます。もちろん、まだ一部の課題が残っていますが、認知度が着実に上がっていくことは素晴らしいことだと考えています。
――ANAに入社して感じたギャップはありますか?
私は新卒採用で入社したのですが、社内での合意形成プロセスがあるということを知らなくて、想像よりも時間がかかる上に簡単ではないということにギャップを感じました。自分が所属している部署だけでなく、関連がある他の部署への説明等が必要なことがあり、プロジェクトによっては合意形成プロセスが目的を達成するために大切だということに驚きました。
複雑と思われるプロセスを、より円滑化させ、各関係部の視点でものごとを考え、説明するという先輩の姿勢やスキルを学ぶように心がけています。
――「未来の世代が誇れる世界を」をモットーに選んだ理由は何ですか?
未来の世代が「今の時代に生きること」を誇れる社会をつくりたいからです。
私は日本に住んでいる中で、「どうして今ここにいるのか」をよく考えます。社会における私の意味や役割は何なのかということについても考えますし、私がこの場所を離れたら何が残るのかという思いもずっと頭の中にあります。
すべての人はこの世界でそれぞれのミッションがあると信じていますが、私たちが今どのような基盤を作るかによって、次の世代がどのような状況の中で生きていくかが決まると思います。家族の頑張りによって私は今日本にいることができていて、自分の夢の実現に向けて取り組むことができているので、私も同じように、未来の世代が夢を実現できる状況を作りたいと思っています。
これまでのキャリアでDEIに関わる仕事がメインとなり、その4年間で違いを尊重し、相互理解を深め、円滑なコミュニケーションの重要性を学びました。その理解を活かして、様々なバックグラウンドを持つ多様な人々のために多様性を尊重し、活かすことができる社会づくりに貢献していくことが、私のミッションだと思います。
――どのような学生時代を過ごしていたのかについて聞かせてください。
大学では東洋言語学科で主に東アジアを対象とした言語学を学んでいました。勉強の内容が難しかったので学生時代は勉強に一番時間をかけていました。大事にしていたのは、夢や目標を持って進んでいくことです。私は日本語を学んでいたので日本に留学をしたいと思っていました。
しかし、ウクライナから日本に留学することは自費だけでは経済的に難しかったので、試験を受けて留学する機会を勝ち取りました。とにかく機会があったら色々チャレンジしていました。留学の際は、せっかく日本にいるからこそ、「内面」から社会を学びたいと思い、学生のボランティア活動や様々なアルバイト(たくさん経験しました)の機会を大切にし、なるべく多くの経験を積むように取り組んでいました。
――学生時代の経験が仕事に役立っていると思うことはありますか?
知識はもちろんですが、分析力や課題解決力、コミュニケーション能力などの社会人に必要な基本的なスキルを大学で身につけることが出来ていたことが良かったと思っています。これらのスキルは、仕事で問題を解決したり、業務を効果的に遂行したりする上で非常に重要です。
また、社会における関心を学生時代に持っておくことが大事だと思っています。国際経済や国際政治、社会問題などの知識を持っておくと役に立つはずです。
例えば、私の経験の中で、多様な人々との関わりがありました。これは、仕事で様々なバックグラウンドを持つ人々と協力する場面や、異なる意見や視点を尊重する必要がある場面で役立っています。
――就活の際にやっておいて良かったことはありますか?
自己分析はやっておいてよかったなと思います。企業のリサーチなども大切ですが、自分がどのような仕事がしたいのか分からないと、どんな会社で何の仕事をしたいのかが分からないと思います。
簡単な部分から自己分析を進めていき、最後は細かい自己分析も行いました。自分の関心や興味、パッションのあることや、自分にとって何が大切か、どのようなことをしたいか、どのような自分になりたいか、どのように社会に貢献したいか、どのような人生を送りたいか、なぜ働きたいのかなどを考えました。また、仕事を通してどう社会の役に立ちたいのか、仕事をすることで何を達成したいのかも分析しました。
自己分析を行うことで、自分がどう働きたいのかがイメージしやすくなったので、やっておいて良かったと思います。
――就活の際には何を「ガクチカ」にしましたか?
専門的な知識や社会的な知識の獲得や、目標を持って戦略的に動いたことをガクチカにしました。社会人になって仕事をする上でも、プロジェクトをどのように進めるのか、どのようにステップを進めるのかという、目標に向かって段階を踏んで進んでいくプロセスは学生の頃と変わらないので仕事に役立っています。
成長するための機会は学生の頃にも色々あると思うので、その機会を活かすことが大事です。また、無理だと思ってもとりあえずやってみようという精神も大事だと思います。
――数ある航空会社の中でANAを選んだ理由は?
元々航空業界を目指していなかったため、他の航空会社にはエントリーしていませんでした。しかし、海外の人にイメージされているタフな日本企業で挑戦してみたいと思い、様々な業界の日本企業にエントリーしてみました。
多くの説明会や留学生向けの就職活動のブースを回り、多数の企業を見てきました。その中で、ANAに関して特に印象に残ったのは、当時(2018年/コロナ前)、“世界のリーディングエアラインを目指す”というAmbitionのある目標を持っている企業であり、留学生や日本人の学生の間で非常に人気があったことです。
このような人気のある企業であれば、競争が激しいと感じ、一緒に働きながら成長するために競争したいと思いました。また、ANAの大切な考え方の一つが「努力と挑戦」であり、私の個人的なモットと一致していたため、この企業で働いてみたいと強く思いました。
――最後に大学生へメッセージをお願いします。
就職活動は皆さんにとってストレスのかかる時期であり、人生で重要な決定を迫られるものです。不安を抱えることもあるかと思いますが、この時期は自分自身をより深く知り、理解する機会としてプラスに捉えてほしいです。
この世界の未来は皆さんが創っていくものです。今後、皆さんと共に美しい未来に向けて取り組んでいけることを楽しみにしております。頑張ってください!
開催予定の『お仕事図鑑・先輩ロールモデル』オンラインイベント
(無料・学年問わず歓迎)
✅2025年1月21日(火) 15:00~15:45
「外資系企業・保険営業」の魅力とは?新卒入社から27年間『アクサ』に勤める大先輩に聞いてみよう!#お仕事図鑑
✅2025年1月23日(木) 15:00~15:45
新卒入社2年目『アクサ損害保険』で活躍する先輩に、就活エピソードや実際の働き方を聞いてみよう!#先輩ロールモデル
✅2025年1月29日(水) 16:00~16:45
「塩野義製薬」で新型コロナウイルス感染症の治療薬を創薬した先輩社会人2名に、開発秘話や仕事のやりがいなどを直接聞いてみよう!#お仕事図鑑
取材:蒲生 杏奈(ガクラボメンバー)
執筆:亀谷 凪沙(ガクラボメンバー)
編集:学生の窓口編集部
取材協力:ANAグループ