「お風呂がわいたときに流れてくるメロディー」の正体は? #もやもや解決ゼミ
お湯張りの完了のメロディーの正体は?
日常に潜む「お悩み・ギモン」=「もやもや」を学術的に解決するもやもや解決ゼミ。
今回は、「お風呂がわいたときに流れてくるメロディー」がテーマです。
大手給湯機器メーカーの『株式会社ノーリツ』(以下『ノーリツ』)が展開する給湯器リモコンは、お湯張りが完了するとメロディーが流れます。「お湯はり完了の音といえばコレ!」といっても過言ではないほど、皆さんの耳に定着しているメロディーですが、何か元の曲があるのか、それともオリジナルの曲なのでしょうか? 『ノーリツ』に教えてもらいました!

メロディーに原曲はある?
お湯張りの完了を知らせるメロディーは、クラシック音楽の「人形の夢と目覚め」の第2部「夢を見ているところ」が原曲です。
この楽曲は、ドイツのピアノ教師で作曲家だったテオドール・オースティンが1862年に発表した、6曲からなる小品集「子供の情景」の第4曲で、主にピアノ初心者のための作品として知られています。
お湯張りの完了を知らせるメロディーを搭載した給湯器リモコンは、現役大学生の方が生まれるよりも前の1997年に、弊社が業界で初めて発売しました。
今でこそ家電からきれいなメロディーが流れるのは一般的になりましたが、当時はほとんどが報知音(ブザー)。家の中には似たような音があふれかえっている状況でした。そのような中、「目が不自由な方のお風呂沸かし時の不便さ」を解消する目的で、「家中の音と差別化したメロディー」と「お知らせ音声」で、沸き上がりを知らせるアイデアを形にしました。
クラシック音楽を採用した理由は?
メロディーの選曲に当たっては、「流行りすたりがなく、家で毎日鳴っても聞き飽きない」「1日の締めくくりに穏やかな気持ちになれる」という理由から、まずはクラシック音楽に絞りました。その上で、「お風呂に入る高揚感と幸福感を感じることができる明るい曲」という条件の下、数多ある中から選曲を重ねました。
ただし、「思い」だけではうまく選曲は進みません。というのも、リモコンに搭載できるデータ容量には限りがあるため、お湯張り完了を知らせるメロディーと、「お風呂が沸きました」の音声に使えるのは11秒程度と制限があったからです。
さまざまな曲が候補に挙がりましたが、ワンフレーズが指定の秒数に収まりきらず、曲調を速くアレンジするしかありませんでした。しかし、曲調を速めると、お風呂のゆったりとしたイメージに合わなくなってしまいます。
そんな中で、幼少期にバイオリンを習っていた開発担当者から、「隣のピアノ教室からよく聞こえてきて耳に残っていた音楽」として、「人形の夢と目覚め」が提案されました。当時は一般的には知名度が低かった曲ですが、ノーリツの「思い」を実現しつつ、ゆったりとした本来のテンポを崩さず11秒に収まったことから、採用するに至りました。
お湯張り完了のメロディーとして定着
発売当初は、「お知らせ音声」が安全性の観点から高い評価を得ていたものの、こだわって選曲した「人形の夢と目覚め」のメロディーについて利用者の反応は薄いという結果でした。
それから約27年が経過し、現在では広く認知され、親しまれています。変わらず届けてきたこのメロディーは、弊社の調査によると日本人口総数の約3人に1人相当が聞いていることがあると分かっています。次の世代にも「国民的お風呂の音」と思ってもらえるように、今後も大切にしていきたいです。
また、「お湯はり完了メロディー」は、2021年に商標登録されました。登録された内容は「『人形の夢と目覚め』のメロディーと『お風呂が沸きました』のお知らせ音声」です。出願当時、クラシック音楽は「音楽」として楽しまれるもので、「商標」として登録するには非常に困難とされ、前例もない状況でした。当初の申請から3年8カ月を経て、ようやく2021年に登録が実現。クラシック音楽を含む音声での商標登録は初めての事例となりました。
『おふろの楽しさ』を提供
「お湯張りボタンを連打してみたい」「何度もあの『お湯はり完了メロディー』を聞きたい」というニーズに応えて、何度も「ふろ自動ボタン」を押すことができる 『無限∞湯沸かしボタン』をノーリツサイト上で公開しています。実際のリモコンではなかなかできない体験を通じて「おふろの楽しさ」を提供しているので、ぜひチェックしてみてください。
⇒無限∞湯沸かしボタン│おふろのじかん ノーリツ (noritz.co.jp)
https://ofuro-time.noritz.co.jp/wakasuapp/picturebook/mugen/
ちなみに、『ノーリツ』は、創業者が戦時中の海軍兵学校時代の厳しい訓練後に、許されたわずかな時間の入浴で心を癒やした経験から、「お風呂は人を幸せにする」という理念を掲げ設立されました。
この理念は、現在に至るまで創業の原点として継承されつづけ、メロディーの選曲時においても「お風呂の幸せをメロディーからも感じてもらいたい」という熱い思いのもと、こだわりぬいて選曲がされました。
1日の終わりに、あたたかいお風呂で体の疲れを癒やされる人も多いかと思います。これからもこの「お湯はりメロディー」が、1日の終わりを締めくくる幸せのメロディーとして皆さまに愛されることを願っています

◇けつろん!
「お風呂がわいたときに流れてくるメロディー」は、クラシック音楽の「人形の夢と目覚め」が原曲でした。曲を聞いたことがあっても、原曲については「知らなかった!」という人がいるかもしれませんね。また、機会があれば原曲を聞いてみるのもいいですね。おなじみのフレーズが聞こえた瞬間は「おおっ!」と思うこと請け合いです。
◇おしえてくれた先生
株式会社ノーリツ
https://www.noritz.co.jp/
クラシック音楽を含む音声で初めて、音商標に登録 「お風呂が沸きました」でおなじみの "お湯はり完了メロディー"
https://www.noritz.co.jp/company/news/2021/20210428-004325.html
文:大西トタン@dcp
編集:学生の窓口編集部



























