福井の本気。眼鏡のまち福井って言うけど、なぜ福井? #学窓ラボ
こんにちは!福井生まれ福井育ち、富山在住の大学生りほです。
県外の子には、福井って眼鏡のイメージがある!と言われることがよくあります。ただ当の福井生まれの私でも、なぜ福井でこんなに眼鏡産業が有名なのかはわかりません。
よって今回は、
・福井の眼鏡製造誕生ヒストリーを描いた映画『おしょりん』
・福井の眼鏡博物館「MEGANE MUSEUM」
の2つから見えた、福井の眼鏡作りヒストリーを探っていきます!
目次
・映画『おしょりん』から見えた眼鏡作りの始まり
・ここまで福井の眼鏡シェアが高いのはなぜ?
・「MEGANE MUSEUM」で眼鏡の歴史に触れる
・おすすめカフェ情報
・まとめ
映画『おしょりん』から見えた眼鏡作りの始まり

みなさんは、福井の眼鏡産業の礎を築いた物語、映画『おしょりん』をご存知ですか?
~映画『おしょりん』概要(福井市のPRより引用)~
《あらすじ》
明治37年、福井県足羽郡麻生津村の庄屋の長男・増永五左衛門と結婚したむめは、育児と家事で忙しい日々を送っていた。ある日、五左衛門の弟の幸八が勤め先の大阪から帰郷し、村をあげてメガネ作りに取り組まないかと持ち掛ける。今はほとんど知られていないメガネだが、活字文化の普及で必ずや必需品になるというのだ。成功すれば、冬は収穫のない農家の人々の暮らしを助けることができる。初めは反対していたが、視力の弱い子供がメガネをかけて大喜びする姿を見て、挑戦を決めた五左衛門は、村の人々を集めて工場を開く。だが、苦労の末に仕上げたメガネが「売り物にならない」と卸問屋に突き返され、資金難から銀行の融資を受けるも厳しく返済を迫られ、兄弟は幾度となく挫折する。そんな二人を信じ、支え続けたのが、決して夢を諦めない強い心を持つむめだった。彼女に励まされた兄弟と職人たちは、“最後の賭け”に打って出る──。
《キャスト》北乃きい、森崎ウィン、かたせ梨乃、小泉孝太郎 他
配給:KADOKAWA ©「おしょりん」制作委員会
この映画から、福井の眼鏡作りは、「冬に農業ができない間の代替産業として始まった」ということが分かりました。
今となっては福井を代表する産業ですが、当時はまだ「眼鏡」というアイテム自体が珍しかったのでしょう、映画の中では反対の声が大きく、需要があるかわからないものに資金を投入すべきなのか疑念の声があがるシーンが印象的でした。
増永家の次男が何度も何度も熱心に眼鏡作りの将来性を説得したり、生まれつき視力が悪かった子供の姿を通して村人たちは徐々に眼鏡の素晴らしさに気づいていきます。こうして眼鏡作りが福井の地で始まることに。大阪から職人を呼び、何度も試行錯誤を重ねている様子が描かれていました。
写真は鯖江駅にある看板です。福井の眼鏡作りは、「麻生津(あそうづ)」という場所(現福井市)で始まりました。めがね=鯖江市のイメージを持っていたので、新たな発見でした。
ちなみに、眼鏡の専門学校に通っている知人によると、この看板の眼鏡は老眼鏡とのことです。さすが、見る観点が違います。笑
ここまで福井の眼鏡シェアが高いのはなぜ?
続いて、どうして福井の眼鏡フレームが日本製の商品でシェアが高いのかを調査しました。
福井県眼鏡協会 さばえめがね館によると、福井の鯖江で生産されている眼鏡は、国内生産のなんと90%以上を占めているのだそうです。日本産の眼鏡フレームはほとんど福井産、ということですね。世界の眼鏡フレームも約20%が鯖江で作られているとのこと!すごいです。
眼鏡作りが1905年に福井の地で始まってから76年。1981年に福井は世界で初めて、チタン製眼鏡の開発・生産を始めました。この軽くて丈夫なチタン製の眼鏡がきっかけとなり、国際的にも眼鏡の産地として名を馳せていったそうです。
「MEGANE MUSEUM」で眼鏡の歴史に触れる
もう少し福井の眼鏡の歴史を知ろう、ということで、福井の鯖江市にある「めがねミュージアム」を訪ねました!
オフィスビルのような建物で「これ、本当に博物館?」と思いましたが、1階にちゃんとミュージアムがありました。1階には他にミュージアムショップ、2階にカフェ、体験工房がありました。
入ってすぐ見えたのは、眼鏡フレームの材料から作られた日本地図。材料はアセテートという植物性プラスチックだそうです。とてもカラフルで、様々な色を作り出せるんだと分かります。
ミュージアムには、昔の眼鏡が沢山展示されていました。これは「鼻メガネ」と呼ばれる形で、耳にかけるパーツがなく鼻で固定する仕様です。1840年頃に進化を遂げ、19世紀後半にはヨーロッパで男女問わず人気を博したそう。
眼鏡フレームには時代の流行が反映されているんだなと思いました。

こちらは昔、眼鏡を作る際に使用されていた機械だそうです。映画にも登場していました。歴史を感じますね。
おすすめカフェ情報

メガネミュージアムの最寄りの駅である、「鯖江駅」の2階には「えきライブラリーtetote」という図書館の機能を備えたカフェがありました。
こちらはやわらかプリン(280円)と紅茶(500円)。優しい味で、ほっと一息つけました。こちらのカフェ、他にもお蕎麦やカレーなどもあるみたいです。また鯖江に来たときは利用したいと思います。ちなみに学割が利用できたので、学生さんには持ってこいの場所だと思います。鯖江観光に友人や1人でぶらっと来た時、足を休めにぜひ訪れてみてはいかかでしょうか?
まとめ
いかがでしたか?今回は福井の眼鏡について調べてみました。
冬に農業ができない間の代替産業によって眼鏡産業が起こり、眼鏡の将来性を信じた増本家や村人の情熱によって礎ができ、チタン素材の登場と日本の技術によって世界に名を馳せていくことになった眼鏡の歴史を学びました。
こうした背景から、福井で眼鏡産業が根付き盛んになっていったのですね。これから福井の眼鏡を見る目が変わりそうです。
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