『近大マグロ』で有名な「近畿大学水産研究所」に聞いた! どんな魚でも養殖可能なの? #もやもや解決ゼミ
日常に潜む「お悩み・ギモン」=「もやもや」を学術的に解決するもやもや解決ゼミ。今回は、「魚の養殖」がテーマです。
現在はマダイやマグロなどさまざまな魚が養殖されています。では、どんな魚でも養殖可能なのでしょうか。反対に「養殖できない魚」はいるのでしょうか。世界で初めてマグロの完全養殖に成功し、さまざまな魚の養殖に取り組んでいる『近畿大学水産研究所』に答えていただきました。

事業性がないため養殖しない魚もいる
『近畿大学水産研究所』では、マグロやマダイ、ブリ、カンパチ、シマアジ、ヒラメなどを養殖していますが、どんな魚でも養殖可能というわけではありません。
養殖業は、人が人為的に魚に餌を与えて大きく育てたり、美味しく育てたり、健康に管理して育てて出荷し、販売する生業です。そのため、
1.養殖用として育てる魚(稚魚、幼魚など)の確保
2.安定して入手できる魚に適した餌の確保
3.魚が育つのに適した環境の確保
が必要です。
さらに、
消費者の需要があり、かつ事業として継続するため、種苗(養殖用稚魚)代・餌代などの経費、施設費などの生産費が、「魚の販売価格(高く売れる)」を上回ることなどの条件があり、これらの1つでも欠ける魚は「養殖できない魚」となります。
例えば、深海魚などは、稚魚などの確保が困難で、深海の環境を再現することが難しく「養殖ができない魚」ではないでしょうか。
稚魚の入手が難しい魚でも、親魚から卵を採卵してふ化させ、飼育する「完全養殖」によって養殖が可能になる場合もあります。しかし、今の技術や施設で親魚を育てて成熟させることができる魚種に限定されます。
また、養殖をする必要がない魚、例えば天然もののほうが安く取れる場合は、養殖するメリットがありません。事業性がないので、技術的には養殖することは可能であっても養殖されません。

◇けつろん!
魚の養殖技術が進歩している現在でも、「養殖できない魚」はいるということでした。また、養殖可能な魚であっても、お金にならないなど、メリットがないケースでは「養殖ができるけど行わない魚」もいるとのことです。
◇答えてくれた先生
近畿大学水産研究所 所長 升間 主計(ますま・しゅけい)
近畿大学水産研究所は1948年に創設された魚類増養殖の専門研究機関。「近大マグロ」をはじめとする完全養殖研究のほか、栄養学や魚病学などの基礎研究、バイオテクノロジー、代替タンパク源研究など総合的な研究活動を行っている。
⇒近畿大学水産研究所
https://www.kindai.ac.jp/rd/research-center/aqua-research/
文:大西トタン@dcp
編集:学生の窓口編集部



























