【社員インタビュー】「SAPの道でプロフェッショナルになりたい」。 日本TCSでシステム移行プロジェクトを担う社員が描く未来
「将来の“なりたい自分”がまだわからない」という悩みを抱えるみなさんに、いろんな企業で活躍する先輩たちの姿を通してロールモデルを見つけてもらう企画「#先輩ロールモデル」。
今回は「日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ」(日本TCS)で働く先輩社会人にインタビュー。エンタープライズアプリケーションサービス統括本部でドイツ・SAP社のERP(統合基幹業務システム)のシステム開発を担当する村木紳人さんに、日々の仕事内容や学生時代に取り組んだことについてお話を伺いました!
2019年入社
SAP人事モジュール(人事情報管理、給与計算等)の導入・保守を担当。お客様の人事システム刷新に向けて現行システムの分析を実施している。
今後の目標は「SAPの道でプロフェッショナルになりたい」
――まずは簡単に自己紹介をお願いします。
日本TCSの村木です。2019年度の入社なので、現在は5年目になります。9月末までは、古いシステムから新しいシステムに切り替えたいというお客様の現状の分析をした上で、どういった手段があるのかを提案するといった仕事をしていました。
10月からは、SAP社の旧システムからSAP社の新システムへお引越しをするプロジェクトでマネジメント・開発担当を担います。
――現在の具体的な仕事内容について詳しく教えてください。
まずは9月末までいたプロジェクトについて。企業が使う現行の給与計算や人事管理などは基本的にシステム化されています。ただ、すでに30年ぐらい動き続けている古いシステムで、機能数も非常に沢山あります。そういった機能をSAPによってどれだけ省略可能かという事をお客さまに伝え、SAPの導入を当社に任せてもらえないかと提案していくというプロジェクトでした。
10月以降は、すでにSAPを導入しているお客さまを対象に、新バージョンのSAPへの引っ越しを行うプロジェクトに就きます。こちらはまだ始まったばかりですが、どれだけ改修する箇所があって、どれくらいの工数がかかるかという部分を分析して見積もりを出したり、システム移行する場合の影響を分析して算出したりしています。
――新たなプロジェクトに携わりたいと思ったきっかけや、心境の変化などについて教えてください。
もともとシステムは、大体ふたつのプロジェクトにわかれると考えています。ひとつは「導入」で、新しいものを開発して導入するタイプ。もうひとつは「保守」で、既存のシステムのメンテナンスや管理を行うタイプ。私はずっと「保守」を経験してきた一方、「導入」を経験したことはなかったので、新しいことにチャレンジしたいと思いました。心境の変化としては、不安とワクワクが入り混じった心境ですね。
――すごく難しそうなお仕事だと思うのですが、この仕事に向いているのはどんな人だと思いますか?
SAP製品はどんどん拡張する大きなシステムなので、すべてを理解することはなかなか難しいです。学生時代からSAPの知識をつけるのも大変ですし、SAPに関するスキルが必要というより、なんでもチャレンジできる人が向いていると思います。
自分の仕事の領域をどんどん広げていく意欲のある人や、やりたいことに自ら手を挙げられる人、自分自身をアップデートできる人に向いていると思います。分析などの部分に関しては、会社に入社してから慣れることが大事だと思っています。
――これまでいろんなお仕事を経験してきたなかで、一番印象に残っているお仕事はなんでしょう?
「システム間連携」という機能の改修です。お客さまの企業内は、SAPのシステムだけで成り立っているわけではなく、他にもさまざまなシステムが導入されており、各システム間でデータのやり取りをしています。これらのデータのやり取りは「システム間インターフェース」と言われるもので、どんな会社でもいっぱいあるんです。以前は、そのインターフェースの改修業務を担当していました。
当時はまだ入社2年目だったのですが、当社チームメンバーも連携先システムの保守ベンダーもベテラン揃いで、私も置いていかれないよう、なんとかガムシャラに食らいついて、システム連携を無事に納期に間に合うよう完成させたのは思い出に残っていますね。
――かなり大変だったと思いますが、乗り越えた秘訣や工夫などは何かありますか?
同じ会社にシステムを導入しているベンダーとはいえ、システムが違うと会話の言語が変わります。いわゆる業界用語や専門用語を使うと、話が通じないこともあります。なので、なるべくわかりやすい表現を意識し、複雑な部分に関しては補足資料などを使って可視化して、分かりやすい形で情報提供する工夫をしました。
――現在の会社で働くことの魅力や面白さについて教えてください。
インドの資本が入っていることで、インドの人々を知ることができるというのは魅力のひとつだと思います。
当社のプロジェクトは国内メンバーだけでやる仕事と、グローバルメンバーとともに取り組む仕事があって、私は国内メンバーのみのプロジェクトにしか参画したことはなく、まだインドの同僚と直接的に仕事をした経験はありません。
ただ、TCSはインドのITサービス企業として最大手ですし、IT業界としてインドは進んでいますから、今後グローバルメンバーといっしょに働けることを期待しています。
――実際に働いてみて、社内の雰囲気などはいかがでしょうか?
働いている社員は多種多様で、いろんなバックグラウンドを持った人がいます。外国籍の人、海外の大学を卒業した人、帰国子女の人なども多くいますし、他社から転職してくる方もいます。雰囲気としては、言いたいことが言える環境ですね。実際に自分の意見をはっきりと言える人が一番活躍するので、自主的、主体的な姿勢も受け入れてくれる環境だと感じます。
――現在、仕事上で何か課題に感じていることや、今後の展望などについて教えてください。
入社後5年目で感じているのは、インド出身の同僚とどうすればうまく協働していけるかということです。まだ合併して10年程度しか経っていませんし、日本とインドで仕事の進め方に差異が生まれてしまうと、プロジェクトがうまく進まないこともあると思います。実際、そういうことも起きていると聞いています。インドには技術者が数万人単位でいると思うので、その潤沢なリソースをいかにうまく活用するかは全社的な課題だと認識しています。
私自身のキャリアパスとしては、SAPのプロフェッショナルになりたいと思っているので、いろんなところを経験して、コンサルティングの領域などもしっかりやっていきたいと思っています。また、プログラムを組んだ経験もないと、実際の上流工程は分からないので、そういった実践的な経験も積んで、 全工程に精通したコンサルタントになりたいと考えています。
手続きのリサーチからすべてひとりでやり切った“留学体験”
――ここからは学生時代のことについてうかがいたいのですが、村木さんはどんな学生時代を過ごしていたのでしょうか?
大学は工学部の情報系で、研究に取り組んだり、授業でSAPを学んだりしていました。サークル活動などはあまりしていなかったのですが、留学資金を集めるためにアルバイトはしていましたね。
私の大学では留学をする学生が少なかったので、留学に向けた手続きなどもすべて自分で調べたのですが、とてもチャレンジングで貴重な経験になりました。大学を休学することにはなりましたが、留学経験は今のキャリアにも繋がっていると思います。
――具体的に、学生時代の経験で今の仕事に役立っていることはありますか?
学生時代にSAPを知ったのは、大きなターニングポイントだったと思っています。 仕事として取り組んでいても面白いですし、高い需要がある世界に来られたのは、自分の今後のキャリアを築くうえでも重要なポイントだと思っています。
また、私の卒業研究は実際の工場にシステムを導入するという内容で、先輩から後輩に代々受け継がれてきたプロジェクトだったのですが、私たちの担当がちょうど導入の手前ぐらいだったので、 学生時代から実際にお客さまにシステムの仕様を説明する機会にも恵まれましたし、それは経験値としても貴重だったと思っています。
――村木さんが最終的に日本TCSに入社を決めた理由などについて教えてください。
ひとつは、いわゆる外資系企業なので英語を使って仕事ができること。もうひとつはSAP製品を扱っている会社であること。SAP製品を扱う会社の集まりにJSUG(Japan SAP User’s Group)というコミュニティがあります。そのコミュニティ内でのサポーター(企業)のランクには、プラチナ、ゴールド、シルバーといったランクがあり、日本TCSは日本に約40社しかないプラチナサポーターの1社だったということも、入社の決め手にもなりました。
プライベートは筋トレでストレス発散!
――普段のオフタイムはどのように過ごされているんですか?
同期と飲みに行ったり、ジムで筋トレをしたりしていることが多いですね。デスクワーカーなので、毎日8時間は座りっぱなしなのですが、小学生の頃からずっとスポーツをやっていたので、汗をかかないとストレスが溜まるんです。私はお風呂に入っているときなども仕事のことをずっと考えてしまう性格なので、頭を切り替えるためにもオフタイムを作るのはとても重要なことだと思っています。
――最後に、学生の皆さんにメッセージをお願いします!
今、まさに就活されている方もいらっしゃると思いますが、私の就活時は、「SAP製品に関わりたい」という軸をもって、そのうえでどこを妥協点とするかを考えていました。長く取り組む仕事ですから、全くやりたくないことをやるのはキツいと思うので、単純にやりたい、やってみたい、という感情に従って会社を選んでいただければいいかと思います。ありがとうございました!
取材:清水 碧
編集:学生の窓口編集部
取材協力:日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社