「軸が決まると、進みも早くなるし、ぶれずに目的を達成できる」Novel Core 連載 vol.6

編集部:あこ

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「身に覚えのない責任でも、自分ごととして捉えて消化していくのが大人かなと思う」Novel Core 連載 vol.5

新世代のラッパー、シンガーソングライターとして多彩な活動を続けるNovel Coreさんのキャリアや表現者としてのこだわりに迫る連載企画。第6回目は前回に引き続き特別編として、学生のみなさんから寄せられたお悩みに、これまでの経験を振り返ってもらいながら答えていただきました。

ーーやりたいことがたくさんあり過ぎて未来が見えない
「軸が決まると、進みも早くなるし、ぶれずに目的を達成できる」

――前回に引き続き、学生のみなさんから届いたお悩みを、Coreさんにお答えいただきたいと思います。最初のお悩み相談です。

今の僕には、やりたいことがたくさんあり過ぎて未来が見えません。もっと英語の勉強をしたい、部活で日本一になりたい、小さい頃からやっているサーフィンで世界を目指したい……。時間がなくて、お金もなくて、とにかく必死に毎日をやり過ごす毎日です。Coreくんの『PERIOD.』に、“どうにかなるから 今 頑張れ”という歌詞がありますが、この曲で歌われている15歳のCoreくんのように、僕にも自分と同じような仲間が周りにいませんし、やりたいことがあり過ぎるので呆れられることも多いです。それが自分のスタイルだと思っていますが、そのスタイルは独りよがりなのかと思うときもあります。Coreくんは、どのように頑張って、踏ん張って、苦しい時期から光が差したのか、そのきっかけなどを教えてください(takumiba)

おそらくtakumibaさんは、サーフィンや部活など、幼少期から通ってきたものがたくさんある分、今になってやりたいことの選択肢が多くて悩んでいるのだと思うのですが、僕も基本的にそうでした。音楽だけでも、たくさんのジャンルを通ってきましたし、それ以外にも興味のあるもの、勉強したものがいろいろあって。選択肢がいっぱいあるがゆえに、これもやってみたい、あれもやってみたい、これもできるかも、あれもできるかもと、結果的に自分のキャパシティをオーバーしているものに対して向き合い続けるみたいな状況になっていました。でも実際に自分がtakumibaさんと同じような経験をしてきて思うのは、絶対に軸を決めたほうが良くなるということです。僕の場合、一番得意なものを伸ばそうと考えて、最終的に音楽を選んだのですが、それからは音楽が軸にあるのは絶対に揺るがないし、軸があるからこそ、アートや他のエンターテイメントもやるけど、それを音楽に還元しようという気持ちでやっています。軸が決まると、進みも早くなるし、ぶれずに目的を達成できるのかなと。

――どのように軸は音楽という答えを導きだしたのでしょうか。

今、お仕事をさせてもらっているものを大きく3つに分けると、音楽、ファッション、アートディレクションがあって、その中で熱量も含めて一番自信があるものはどれだろうと考えたときに、答えは音楽で。たとえばファッションを選んだとして、まずはファッションモデルをメインに活動していって、その延長戦上で音楽やアートをやる自分を想像したときに、本職の人たちには敵わないだろうなと思ったんです。それで一番自分が自信を持てるものを軸に置いて、その上で他のものに手を伸ばしたほうがいいのかなと考えました。takumibaさんも、幼少期からサーフィンをやっていて、たとえば一番自信があるのがサーフィンだとしたら、サーフィンを軸にしつつ、他の運動だったり、勉強だったりに重きを置いていくのが綺麗なんじゃないかなと思います。

――サーフィンを軸に語学を学ぶこともできますしね。takumibaさんは金銭面についても触れていますが、今置かれている状況があるからこそ、目標が見つけやすい部分もあると思いますが、Coreさんはどうでしたか。

確かに僕はもろ置かれていた状況が大きかったです。クラシックのマエストロを目指そうと思った矢先に、そもそも音楽大学に進学するお金がない、学力も足りないという問題が目の前にあって。でも音楽をやりたい、人に伝える仕事がしたいと考えたときに、ラップだったら学力も必要ないし、大学に行って学ぶ必要もないし、俺にもできるじゃんと思ってやり始めたんです。そういう境遇みたいなものに導かれていく発想はあったかもしれないですね。

――上手くいかない時期もあったかと思いますが、どのように苦境から脱したのでしょうか。

僕の場合、1個プライドを捨てた瞬間じゃないかなと思います。今の自分の人格を作るのに大きく影響したのが、「高校生RAP選手権」にディフェンディングチャンピオンとして戻ったときで。ステージ上で負けて、初めて人前で涙を流したことで、それが大きな転機になりました。それまで自分のキャラクターを強く作って演じ続けていたところから、自分に素直であろうとするようになって。その瞬間に周りの人たちも壁を作らずに接してくれるようになって、そこから生きやすくなっていったんです。自分の中で、「これだ!」って決めてしまっているものを壊したときに、光が見えることは多いんじゃないかなと思います。

――音楽に軸を決めてから、いろいろなお仕事が複合的に結びついていますが、それは自然とそういう状況が作られたのでしょうか。それとも自分から積極的に発信したことで、いろいろな可能性が広がっていったのでしょうか。

アート方面に関しては、自分のCDジャケットのデザインなど、結びつけやすいところもあったので、気づいたら両方やっている状態ができあがっていました。でもファッションに関しては、まだ日本ってファッションと音楽の結びつきが強くないと感じますし、お仕事をいただけるようになるまでの流れも、音楽業界とは明確に違うなと。だから最初はとにかく名前を覚えてもらうだけでも精一杯で、とにかくチャンスがあれば、そういう場に顔を出して、好きだってことをアピールすることを繰り返しました。

――BMSGの力になるためにしておくべきことは?
「アーティスト性を磨くことがBMSGのスタッフとして働いていく上で強力なスキルになる」

――次のお悩み相談です。

私は高校3年生で、BMSGで働くのが夢です。この夢を抱いてから数年間、どのようなことを経験したらBMSGの役に立てるかを考えてきました。様々な役割がある中で、学業も含めて多くのことを両立しているトレーニーの方々が輝くためのお手伝いをしたいと思いました。子どもたちに有益な時間を作って、勉強も教えるスキルを身につけるために、大学は教育学部を志望しました。受験勉強と並行して、ダンスや音楽を独学で勉強していますし、幼稚園の頃からアクロバットを習い続けているのですが、それも役に立つかもしれないと考えて補助の練習も始めています。大学受験が終わったら、たくさんの音楽に触れて、本格的にダンスを始めたり、音楽系の会社でインターンなどの経験を積んだり、などを考えています。BMSGの力になるために、これからしておくべきことや歩むべき段階があれば教えていただきたいです(ゆう)

現時点でダンスや音楽の勉強をして、大学進学後はインターンも視野に入れるなど、目的に向かって明確な意思を持って進んでいること自体が素晴らしいと思いつつ、BMSGが持っている特殊性みたいなところでお話すると、一概にワークスキルが高く優秀とされる人が採用されるかというと、そうじゃない気も個人的にしていて。僕たちアーティストたちの考えることや、やろうとしていることに対して、寄り添いつつ、正しい方向を示していく。一緒にいろんなソリューションを作っていくことに重きを置いている会社だなと。

――いわゆるマネジメントだけに終わらないということでしょうか。

アーティストのエゴと向き合う時間がすごく多いので、純粋に事務的な作業力にプラスして、音楽業界の状況を見ながら、それに対してアーティストたちが何を思って、何をしようとしているのか、行動原理自体を理解する力が必要になってくるパターンが多々あるんです。僕たちアーティストからすると、それをスタッフさんたちに求めるのってめちゃくちゃえぐいことだなって思うんですけど、スタッフさんでありつつ、アーティストにならなきゃいけない瞬間がBMSGのスタッフさんたちにはあって。だからアーティスト性を磨くことも、BMSGで一緒に働いていく上では強力なスキルになるんじゃないかなと思います。

――そもそも社長(日高光啓/SKY-HI)がアーティストですからね。

僕もそこが特殊だなと思っていて、もしもBMSGの社長が現役のアーティストじゃなかったらと考えると、たった3年で今みたいな状況は生まれていなかったと思います。アーティストのエゴを理解しつつ、スタッフさんとしていろいろなサポートをしたり、新しいアイディアを出していったりみたいなスキルが求められているんですよね。

――「BMSGだったら何でも好きにやらせてもらえる」だけじゃないと思うんですけど、その辺のさじ加減はいかがですか。

BMSGにいると、基本的にやりたいと言ったことに対して、「無理」で返されたことは一度もなくて。それを実現するためにはどうしたらいいだろうと考えるんです。たとえば予算が足りないんだったら、その予算をどう補填していくのか、その予算を生み出すために何か新しいことやろうかとか、何かしら別のパターンで入口を探っていく作業に入るんです。

――それが新しいビジネスに発展する可能性もありますしね。

そうですね。ただ「無理」って返ってくることがない分、それ相応の責任を背負ってアイディアを出していく必要があります。だから僕たちも僕たちで手放しに、これをやってみたい、あれをやってみたいと言おうとは思わない。社長や周りのスタッフさんたちが、「それだったらやる意義があるから、しんどいかもしんないけどやってみよう」という方向に舵を切ってくれそうだなという材料と、ちゃんとしたプレゼンができるアイディア以外は、そもそも提出しません。BMSGにおいて、特に僕のようなソロアーティスト達は自分たちのチームの舵を取る役割が大きいです。

――ゆうさんに向けて、こういう勉強をしておいたほうがいいというアドバイスをいただけますか。

とにかく好き嫌いをせずに、いろんなものに触れるのが一番だと思います。音楽にしてもジャンルや年代を問わず片っ端から聴いて、アーティストのライブはもちろん、演劇にしろ、ミュージカルにしろ、幅広く足を運んで、実際に体で浴びて、雰囲気の違いを感じてという期間を作っていくことで、アーティスト性が育つはずです。

――誤解から友達との関係が悪化してしまった
「誤解を解きたいのなら、自分の気持ちに嘘をつかず、勇気を出して伝える」

――今回の最後のお悩み相談です。

大学生活が始まって2ヶ月くらい経ったある日、グループで仲良くしていた子の一人が、私がその子の悪口を言ったと誤解して、DMで『もう関わりたくない』と伝えてきました。私は心が強くないので、そのまま何も行動していないのですが、やはり誤解は解きたい。でも、その子に話しかける勇気もありません。話しかけて、さらに仲がこじれるのは嫌だけど、このままその子と疎遠になるのも嫌です。他のグループの子たちは、まだ私のことを好きでいてくれているにも関わらず、その子との関係が悪化したために、一人で授業を受ける日もあります。それで孤独を感じて、あんなに頑張って入った大学が嫌になってしまいました。どうしたらいいですか?(りお)

誤解を解きたいのか、それはそれでしょうがないと自分なりの人生を歩んでいくのか、どちらかを選ばないといけないですよね。ただ僕に相談をしてくれている時点で、誤解を解きたい気持ちのほうが強くて、関係を修復したいんだと思うんです。だったら、自分の気持ちに嘘をつかず、勇気を出して言ったほうがいいんじゃないかと思います。

――どのように誤解を生んだかは分かりませんが、相手側からの意思表示がDMというのがネックになっていますよね。CoreさんはLINEなどを送るときは、どんなことを意識していますか。

もともと僕は感情的なときにLINEなどを打たないようにしていますが、去年ぐらいから、より徹底するようにしています。一旦寝かせて、冷静になってから返すことを心がけるようにしていて。あとは感情表現をできる限り丁寧にしようと心がけています。どうしても文面でのやり取りって冷たく映りますからね。仕事関係のLINEのやり取りにしても、顔文字やビックリマーク、…などを入れることで、少し感情が見えやすくなるので、できる限り意識するようにしています。

――誰かとの関係性がこじれたときは、文面ではなく、話し合いを選ぶほうですか。

僕は絶対に直接会って話し合います。モヤモヤしながら進んでいくのがすごく嫌なタイプなので、ちょっとでも誤解が生まれているなと思ったら、どうにかして解いておきたい。僕はファンに対しても完全にそうです。ちょっとでも自分の発信したことが違う方向に捉えられて、もしそれが炎上したとしたら、1万字ぐらいの文章を投稿してでも誤解を解きます。

――そういう投稿をするときも入念に推敲するんですか。

いつも文章を書くときは、1文節書くごとに、口に出しながら頭から読み返します。文の流れをすごく大事にしたい気持ちが強いので、それによって流れとして正しいのか、この文脈からの、この流れだとどう伝わるかなどを確かめます。

PROFILE

Novel Core

東京都出身、22歳。ラッパー、シンガーソングライター。
SKY-HI主宰のマネジメント / レーベル "BMSG" に第一弾アーティストとして所属。メジャー1stアルバム『A GREAT FOOL』とメジャー2ndアルバム『No Pressure』が2作連続、各チャートで日本1位を獲得。Zeppを中心とした大型のライブハウスを周遊する全国ツアーや、豊洲PITでの単独公演を全公演即ソールドアウトで成功させ、来年1月には日本武道館での単独公演が決定。
その存在感を確かなものにする一方で、FERRAGAMOやETROなど、トップメゾンのモデルに起用されるなど、ファッション業界からも注目を集める新世代アーティスト。
公式サイト:https://novelcore.jp/
Twitter:@iamnovelcore
Instagram:@iamnovelcore
TikTok:@iamnovelcore
YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/novelcore

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取材・文/猪口貴裕
撮影/武田敏将

編集部:あこ

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食べることと寝ることが大好き。休みの日は家にこもって、ひたすら映画やドラマを見たり、漫画や雑誌を読むのが幸せ。

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