【社員インタビュー】「仕事選びは人生選び」 リステリン®やバンドエイド®など、世界的ブランドの価値をさらに高めるためのお仕事とは?

編集部:ぜんや

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ヒット商品やサービスを手掛ける企業のキーマンにお話しを伺う企画「#お仕事図鑑」。
今回は「Kenvue」で働く先輩社会人にインタビュー。ブランドマネジメントのディレクターを務める浦崎里奈さんに、企業のことや仕事に必要なスキルなど様々なお話を伺いました!

PROFILE

浦崎 里奈

リステリン®、バンドエイド®といった日本No.1ブランドの価値向上と、ビジネス成長に責任をもつブランドマネジメントをリードしている。
同時に、ブランドのP/L(損益計算)に責任をもち、売上だけでなく利益も含めたビジネス成長を担うため、投資戦略や新しいビジネスモデルの構築など、幅広い業務に携わる。

――まずは自己紹介をお願いします。

浦崎里奈と申します。ブランドマネジメント部、いわゆるマーケティング部門のディレクターをしております。ジョンソン・エンド・ジョンソン コンシューマーヘルス(当時)に入社したのが2016年なので、今7年目になります。新卒でも同じような外資系のメーカーでマーケティング職として働いていましたので、10年以上外資系メーカーでマーケティング、ブランドを作る仕事に携わっています。

2023年のキックオフイベントで、Kenvueのロゴと記念撮影。

――ブランドマネジメント、マーケティングの具体的なそのお仕事内容を教えてください。

仕事は大きく分けて2つあります。
1つは日本市場に向けた新製品の発売に関して、例えばリステリン®の次の新製品はこういう味を出そうとか、こういう効果があるものを出そうという製品開発であったり、テレビCMやインフルエンサーの投稿であったり、いろんなタッチポイントでのマーケティングプランを作っていくという仕事です。

もう1つはKenvueのブランドマネジメントで、ブランドの価値とビジネスの両方をしっかりと伸ばしていく仕事です。リステリン®を知っている人は日本の中でも8、9割 いるんですが、競合の製品・ブランドと比べて良いと思っている人の割合を増やしていく、売上目標に対してシェアをしっかりと伸ばしていく。そのためにブランドの投資や外資のマーケティング部門では珍しいPL(損益計算書)つまりトータルの利益までを含めて、経営者視点で価値向上に責任を担うという両軸の仕事をしています。

――商品の良さを伝えるだけではなく、ブランドの経営面でも管理をされているということなんですね。様々な競合製品がある中で、自社の商品をアピールするためにどんなことを意識していますか?

意識していることは3つあります。
まず1つ目は、市場をどうやって伸ばしていくかということ。リステリン®やバンドエイド®は、日本のマーケットの絆創膏市場やマウスウォッシュ市場の中でナンバーワンのポジションにあります。したがって競合に勝つというより、さらに市場をどうやって伸ばしていくかということを考えて仕事をしています。例えば日本ではマウスウォッシュを使っている人が3割程度なんですが、アメリカだと6割に達しているんです。つまり日本には市場成長余力があるということで、もっと多くの人にマウスウォッシュを使ってもらうには、若年層向けの製品を出した方がいいんじゃないか、または、シニア向けに製品を開発するべきか、など、いろいろな角度から様々な戦略を考えています。

2つ目は、マーケティングと営業の双方の観点から戦略を立てること。Kenvueは日系のメーカーに比べると、営業もマーケティングも少人数で大きなブランドのビジネスを支えています。数多くの商品が並ぶドラッグストアでは、見つけやすく、手に取りやすい、といった、いい場所を確保することが非常に重要ですが、営業の人が1000人いれば1つ1つ店舗に行って交渉ができるところ、少数制の弊社では網羅的に店舗に伺うかわりに、売上や実績など、数字やデータを基に店舗の方とより効率的に効果ねらう交渉をしたり、いかにスマートに戦略を立てられるかということが重要で、これをマーケティングと営業の両方の観点で考えるようにしています。

3つ目はお客様のことを誰よりも知るということ。どのメーカーも同じように取り組んでいると思いますが、1年間で1000件を超えるリサーチを行ったり、ドラッグストアやホームセンターを視察したり、日々お客様の情報を集めています。

営業の現場に出向き、売り場のモニターチェックなども行う

――外資系企業でありながら、日本で愛されるブランドを目指している中で、日本の消費者と海外の消費者で違いがあれば教えてください。

日本と海外の消費者の違いについては、製品の使用習慣が挙げられると思います。先ほどお話ししたマウスウォッシュ(使用率が日本では3割、アメリカでは6割)を例に挙げると、アメリカではオーラルケアに対する意識が高く、マウスウォッシュが当たり前のように家庭にあって、大人が習慣的に使っているので、その影響で使い始めるお子さんが多いんです。

また、アメリカは公的医療保険制度が日本と違って限定的で、大部分の人が民間医療保険を利用していることもあり、みなさん病気の予防意識が非常に高いんです。虫歯で高額の治療費を払わないようにするためにも、しっかりマウスウォッシュなどでオーラルケアを徹底し、予防していくという高い意識があります。このように、国や地域によって習慣や意識の違いがあると思います。

ただ、ブランドや製品に求めていることは共通していて、例えばコスメであればシワ対策の製品が欲しいといったニーズは変わらずどこの国や地域にもあると思います。ブランドとして変えるべきではないこと、一方で、日本でビジネスをする上では何を変えるべきか、といったことを考えながら仕事をすることも非常に面白いなと思っています。

――浦崎さんが感じるお仕事の魅力や、わくわくする瞬間などがあれば教えてください。

自分のしたことがお客様に最終的にどう届いたのかが見えやすいところです。私がこの仕事を10年ぐらい続けられている理由はそこかなと思うんですけど、リステリンの今週のシェアは何パーセントでした、というような、市場シェアのデータが毎週出るんですが、私はそれを見るのが本当に楽しみなんです。

新製品が発表されたり、自分たちが作ったCMが放映されて、それがお客様の本当に求めていたことと一致して、正しい形で届くと、シェアがブワっと上がるんですね。
シェアが上がるということは、何万人、何百万人のお客様が製品を買ってくださったことの証であり、自分のしたことがお客様にきちんと届いたことの証になります。逆に届かなかった時は、じゃあ次はどうしたらいいんだろうと考える、そんな日々がワクワクしますし、モチベーションにもなっています。

リステリン®のTVCMイメージ

――本当に様々な挑戦をされてきたと思うんですが、失敗したな、難しかったなという経験はありますか?

もう5年くらい前のことなんですが、グローバルのプロジェクトとして、100か国近くの国でリステリンのタブレットを発売するというプロジェクトがありました。タブレットを口に含んで噛み砕いてそれを最後飲み込むという商品だったんですが、私も含めて日本人の感覚からすると「飲み込む」というところにポジティブな感情があまりなかったんですよね。

どうしたら嫌悪感を抱かれずに使ってもらえるのか、製品の効果をどう説明すれば魅力的に伝わるのか、本当に考え抜いて、多額の予算をかけて発売したんです。発売当初はそれなりに好調だったのですが、その後継続的に売り上げを伸ばすことはできませんでした。

この失敗から得た教訓は、単に商品を売ることが私たちの仕事ではなくて、多くの人に使い続けてもらうためにどうするか、そこまで考えて仕事をする、ということ。単発的に売上をあげることはやろうと思えばできるんですが、たとえばこの先の100年も、たくさんの人に変わらず愛してもらうにはどうしたらいいのか?ということを、私たちの仕事でやらなければいけないのです。

タブレットのプロジェクトでは、自分自身のの消費者としての感覚をも無視してやり続けた結果失敗してしまったので、違うと思ったものは、たとえプロジェクトが走っている途中でも、大きな方向変換をする、その決断が最終的にブランドにとってはいい結果につながることもある、という事をこの経験から学びました。

――お仕事に必要なスキルや、向いている人の特徴があれば教えてください。

1つは人が好きなこと、人に対する好奇心があることですね。マーケティング・ブランドビジネスに携わる人として重要だと感じています。この人はどう思っているんだろう、どんなふうに考えているんだろうと、裏にあるインサイトを考えることが好きな人は向いているかなと思っています。

もう1つはKenvueのバリュー(大切にする「価値観」として定めているもの)にも入っているんですが、挑戦するマインドかなと思います。私たちのビジネスでは毎回どういうふうに新しさを出していけるか、変化するテクノロジーや生活様式に対してどう仕掛けていこうかという大胆な行動力が持てる人、先ほどの好奇心と合わせて、どんどん新しいことに挑戦して市場をリードしていくマインドが大切かなと思います。

 

Kenvueは世界165か国以上、12億人の「日々のケア」に寄り添う

――最後に大学生に向けてのメッセージをお願いします。

仕事選びは人生選びだと実感しています。当時、就活を一緒にしていた仲間たちと今でもすごく仲がいいんですが、同じ大学の同じゼミで勉強していた仲間でも、新卒で入った会社によって、その後全く違う人生を送っています。仕事を選ぶという事は、人生にも大きな影響を与えることなのだな、と感じています。

その上でお伝えしたいのは、楽しいと思うことを突き詰めてほしい、ということです。これから1日の中の7時間とか8時間を仕事に費やすわけですよね。それは人生の中でものすごく大きな時間の投資で、そこが楽しくないとあまり頑張れないし、そんな人生はハッピーじゃないなと思っています。

私自身、この仕事を10年続けられているのは、仕事が本当に楽しいなと思えているからです。自分自身が何が好きなのか、どういうことをしている時に楽しいと思うのか、モチベーションが湧くのかをぜひ考えていただいて、それが仕事にもつながるように、ファーストキャリアを決めていただければなと思っています。


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取材:清水 碧
編集:学生の窓口編集部
取材協力:Kenvue

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活字中毒の中年編集者です。暇さえあれば本やウェブコンテンツを読み漁っています。 文章や言葉で読者を楽しませたり、悩みに寄り添い勇気づけられるよう、日々悪戦苦闘しながら言葉を紡いでいます。

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