入社理由のひとつは『違和感が少ない会社』 法務の仕事で第一三共を支える先輩社員の 仕事や学生時代の話を聞いてみた。
「将来の“なりたい自分”がまだわからない」という悩みを抱えるみなさんに、いろんな企業で活躍する先輩たちの姿を通してロールモデルを見つけてもらう企画「#先輩ロールモデル」。
今回は【第一三共】で働く先輩社会人にインタビュー。契約書のチェックや法務相談を担当する伊藤さんにお話を伺いました!
2022年度 入社
契約書のチェックや法務相談を担当。
大学や病院との共同研究に関連した契約の確認、個人情報保護法・下請法など、会社として守らなければいけない法律に関する相談への対応など行う。
――まずは自己紹介をお願いいたします。
第一三共株式会社の法務部に所属しています、伊藤花と申します。22年度に入社し、現在2年目となります。
――具体的なお仕事内容を教えてください。
大学と共同で研究をする時や他の企業様に研究の一部を委託する際、契約書を必ず締結します。その契約書の中身が問題ないか、過不足がないかチェックをする仕事がメインです。また、「これからこういうことをやるんですが、法律的に問題ないでしょうか?」といった法務相談の対応もメイン業務の一つです。
――業務上、法律がすべて頭に入っていないといけない、というイメージなのですが、実際はどうなのでしょうか?
私もそのようなイメージを抱いていました。知っておいた方がいい法律やルールはもちろんあるので、少しずつ勉強しながら身に付けていく部分もありますが、すべての法律を知っているというのは難しいことなので、どういうふうに調べたらいいかとか、こういう時にはどの法律を見たらよさそうかという引き出しを増やすのが大切だと思います。
――これまで法務のお仕事をされてきて、一番印象に残ったお仕事やエピソードを教えてください。
アメリカ、ヨーロッパに子会社があり、共同で一つのプロジェクトをしたいという相談があり、その際、アメリカでは法的に問題無いと言われていたんですが、日本の法律から考えると少し問題があるかもしれないので、チームで検討するという仕事が以前ありました。
国によって法律、ルールが違うので、この国で大丈夫だったから他も大丈夫。ということはないんだと改めて思いましたし、一見すると法律でダメと書いてありそうだからやめておこう、というだけでは、法務として事業推進のブレーキになってしまいます。どうやったら進められるか、ルールに抵触しないで進められる方法はないか、法律的に良いか悪いかを判断するだけではなく、どうしたら事業部のやりたいことが実現できるかを考え対応した案件でしたので、とても印象に残ったプロジェクトでした。
ーー法務のお仕事で求められるスキルや向いている人の特徴があれば教えてください。
私のように法律のバックグラウンドがない方もいるので、必須のスキル・知識はあまりないかなと思っています。
ただ、気になったことや、おかしいと違和感に思った際に、「まぁいいか」ではなく「確認してみよう」と、疑問を持てる力というのは必要だと思います。
また、先輩から「相談や案件を交通整理する」という印象的な言葉で仕事の仕方を教えていただきました。
どういう状況で何をしたくて、何が問題になっていて、結果どうすればいいのか。論理的に整理をするということかと思いますが、相談してきた部署の人と一緒に交通整理をする。その思考、考え方が大切だなと感じています。
――第一三共の魅力をどんな所に感じますか?
普段の仕事は法務の領域に限られていますが、その仕事の先が何に繋がっているのかと考えたときに、日本に限らず世界の医療、人々の健康のための仕事だと考えて仕事をしている第一三共において、法務としてサポートしている、健康医療に貢献できているというのが魅力だと思います。
――健康医療に貢献できることもそうだと思いますが、他にも入社の決め手になったことがあれば教えてください。
説明会やインターンでお会いした先輩社員が、みなさんしっかりビジョンを持って働かれているなと感じました。誠実であることや、健康に対するパッションなど、大切にしている価値観に共感できる部分が多く、すごく合いそうだなと思ったのが一つです。
もう一つは、『違和感が少ない会社』だと感じたことです。社会にマイナスの影響がなるべく少ない会社で働きたいと思っていた中で、事業内容や社員の方の発言であったり、説明会の内容であったり、違和感が少ない会社だなと感じたことが大きかったですね。個人の価値観次第ですが。
――様々な方に取材させていただいている中で、『違和感がなかった』という選び方は聞いたことがありませんでしたが、お話を聞いてとても大事なことだなと感じました。
ーーどんな学生時代を過ごしていましたか?
やりたいことをいろいろやった学生時代だったかなと思います。一・二年の頃は音楽サークルに入ってサークル漬けの日々を送りつつ、バイトをしていました。三年生の時には一年間、交換留学でスウェーデンにいました。
私は大学を一度卒業してから、二年間別の大学の学部に通いました。最初の四年間は国際政治を勉強していたんですが、元から教育に関心があったので、三年次編入という形で別の大学で教育科学を勉強したり、やりたいことをいろいろさせてもらってきました。
――学生時代に、これは一番頑張ったと思うことがあれば教えてください?
スウェーデン留学がきっかけで性教育、Sexuality Educationにすごく関心を持ちました。二つ目の大学で同じような関心を持つ友人に出会えたので、性教育を一緒に勉強したり、SNSで発信をしたり、勉強会を開催したりと活動した一年間だったんですが、すごく自分の中でエネルギーかけて活動していたなと思います。
――学生時代の経験が、今のお仕事に役立っていると感じることはありますか?
気になったことは突き詰めて考えてみるというのは、今も生きていると思いますね。面白いと思ったことも、変だなと感じたことも、違和感に近いかもしれないですが、それを調べたり、詳しい人に聞いてみたり。今も仕事の中でわからないことがあれば、自分で調べたり、詳しい先輩に聞いてみたり、その回し方みたいなものは活きているかもしれないですね。
――学生時代や就活、仕事のスタイルにおいても、『違和感』を大切にされているんですね。学生時代や就職活動前にやっておいたほうがいいことはありますか?
自己分析ですかね。自分が今までどういう経験をしてきて、どういうことを考えて、何を大事にしたいのかは、整理しておくと、就活だけでなく、その先のキャリアを考える時に役に立つかなと思います。
あとはやりたいことはやっておいた方が良いなと思っています。バイトもそうですし、長い期間旅行に行くとか、ボランティアやインターンなど、働き始めてしまうと時間的に難しくなることは学生のうちにやっておくといいと思います。
――自己分析のやり方がわからないという声もありますが、伊藤さんは具体的にどんな自己分析をしていましたか?
モチベーショングラフや、自分の長所短所、好き嫌いを書き出すなどネットで調べた方法を色々と試しました。個人的には、モチベーショングラフはあんまり特徴が見つからなかったですが、他己分析はやってよかったなと思っています。
どのやり方が合うかいろいろと試していく中で、あまり何も見えてこないなと感じたら見切りをつけて別の方法を試す、でもいいのかなと思います。
――今後の展望やキャリアパスを教えてください。
私は色々やってみたいなと思うタイプなので、法務だけではなく、違うコーポレートの部署も経験してみたいなあと、ふわっとですが考えています。
――大学生へのメッセージをお願いします。
就活ではいろんなプレッシャーと不安を感じるかもしれないですが、自分を作りすぎず、進路を選んでもらえたらいいなと思います。いろんな人と話せるすごくいい機会だと思うのでぜひ頑張ってください。
取材:清水 碧
編集:学生の窓口編集部
取材協力:第一三共株式会社