イギリス・ウォーリック大学に11カ月間留学をした、あやぱんさんのリアルな留学ライフをレポート!~基本情報編~ マイナビ学生の窓口『study abroad report』
これから海外留学をする方、検討している方に向けて留学先のリアルな情報をお届けする『study abroad report』。
今回はイギリス・イングランドのウェスト・ミッドランズ州にあるウォーリック大学へ留学を経験した大学生あやぱんさんから情報をレポートしていただきました。本記事ではあやぱんさんの留学に関する基本情報をお届け。どんな風に留学先を決めたのか?実際の生活スタイルは?などなど、留学前に知っておくとタメになるリアルな内容となっています。
レポートしてくれるのはこの人
あやぱんさん
イギリス・コベントリーにあるウォーリック大学へ留学を経験した大学生(慶應義塾大学に在学中)。 滞在期間は11カ月間。
Instagram:@aya_pun__ukjp
留学先を知ったきっかけ、留学を決めたタイミング
ーいつ、どうやって留学先を選んだの?
●経営学を学びたいのに、自身の学部では経営学の授業を履修できないことに不満があったから
●英語力を磨きたいのに、コロナの影響で留学生と交流する場が極めて少なかったから
●日本では知り得ない文化や考え方を知りたかったから
ということで留学をしました。
イギリスを選んだ理由は、自分がその国の血を引いていることと、多国籍国家という点で魅力的だったからです。
ウォーリック大学を選んだのは、経営学部が世界トップクラスであり、教員も生徒も国際職豊かだからです。(そして自分の成績ではウォーリック大学以外申し込めなかったから…泣)
留学自体は高校1年生の時から行きたかったものの、実際に交換留学プログラムに申し込んだのは大学1年生の時でした。
(当初経営学部志望でしたが、諸事情で社会学部に所属することになりました。)
留学先での生活について
1日の過ごし方~授業がある日編~
1日の過ごし方~授業がない日編~
滞在先の生活環境
ー住環境について詳しく教えてください。
私が住んでいた寮はオンスイート(各部屋にトイレ・シャワーあり)で、キッチンを11人で共有していました。寮の建物、部屋、キッチンに入る際に鍵が必要で、全てタップ式です。(鍵を無くしてもすぐに再発行できて、とても便利でした!)
キッチンにはケトル以外料理器具がなかったため、全て自分で買い揃える必要がありました。冷蔵庫と冷凍庫は二つずつあり、1人1段づつ使うというルールがありました。ゴミ捨ては毎週水曜日と金曜日に交代で行おうと決めたのですが、フラットメイトのほとんどがそれを守らず大変でした…。
各部屋ではバスとトイレがセットになっています。(バスタブはなし)しかしシャワーは扉がなく部屋が水浸しになることが多々あったため、自分でシャワーカーテンを購入し設置しました。トイレスタンプと激落ちくんは掃除する時に大活躍するため、ぜひ日本から持って行ってほしいです。(激落ちくんはイギリスで買うと超高いです!)
寮生が共同で使用する洗濯機と乾燥機が2台ずつあります。洗濯機は一回につき£3.20、乾燥機は£1.70の料金がかかりました。寮にはおよそ100人住んでいるので、いつも混んでいたのを覚えています。終わった洗濯物をすぐにとりに来ないと、次の人が勝手に取り出し洗濯機の上に置いて自分のを始めます。そのタイミングで靴下がなくなる、ということが頻発していました。(笑)
また、意外と寮の壁は防音性が低くうるさいです。私の場合お隣さんが聞いている音楽をBGMにして勉強していました。(笑)気になる人は扉と床の隙間を埋められる防音シールを持っていくといいかもしれません。ちなみに100円均一で買えるものは性能が悪いです。
ー持って行って役立ったものは何ですか?
・トイレスタンプ
・激落くん(イギリスで買うと高いから)
・コロコロ(床がフローリングの人は特に)
・質のいい包丁(日々の自炊のストレス軽減のため)
・手持ち扇風機(イギリスの夏は空気が籠るし暑いから)
ー大学までの移動はどんな手段を使っていますか?
寮は大学の敷地内にあるため、教室まで徒歩10分でした。
ーネット環境を整えるためにどんなツールを使ったり対策をしていますか?
eduroamという大学で使えるWi-Fiがあるため、それに接続して使っていました。
ー生活で困ったことはどんなことですか?
寮のうるささです。週末になるにつれてパーティーが寮の中で開催されることが多くなります。その音で眠れないことは時々ありました。
また部屋の間取りも少しストレスでした。両開きクローゼットが入り口の扉の真裏にある上、靴を脱ぐスペースと扉が開くスペースが被っていました。そのためクローゼットの扉を開けたまま部屋のドアを開けようとして衝突したり、部屋に入ろうとしたら靴が邪魔で開かなかったり、室内履きの時にクローゼットのものを取ろうと思っても微妙に届かなかったり…。地味にひどく不便でした。間取りにはよく注意してくださいね。
ー生活で困ったとき相談する場所・人はいる?(どんな人に相談している?)
どの寮にも管理人がいるため、管理室に出向けば対応してくれる人がいます。その他困ったことがあれば、学生部やチューター(教授と生徒一人ずつ)が相談に乗ってくれました。私の大学はサポート体制が手厚く、大学のサイトを確認すればどんな問題にどう対処すればいいのか、どこに相談しに行けばいいのかが記載されています。 しかし個人的にはフラットメイトやサークルの友達に頼ることが多かったです。
留学をして自分自身が一番変わったところ
ー留学をして一番変わったところや、成長したと思うことは何ですか?
社会問題、政治、経済に関心を持つようになりました。海外で暮らしていると、海外や日本の社会問題(環境問題、労働問題、差別など)について考える機会が必然的に多くなり、複数の側面から問題を捉えられるようになります。そして問題を深掘りしていくと、それらは政治や経済に密接に関わっていることに気づかされます。
留学前は「政治は全く興味ないし、経済は複雑でわからない〜」と言っていましたが、留学後は過去の自分の浅はかさをすごく恥ずかしく感じるようになりました。今では選挙に行かない若者への危機感が強くなり、経済を難しいものだとつっぱねなくなりました。また時事問題に目を向け、原因と対策について自分なりに考えるようにしています。
滞在先で気を付けた方が良いこと
ー留学先で自分の身を守るために気を付けていることはありますか?
私は夜10時ごろに図書館から寮へ帰る途中、知らない男性に話しかけられたことがあります。背が高くひょろっとしていて部屋着を着ており、年齢は数歳上のように見えました。近くに開いているスーパーはないかと聞かれたため、怪訝そうな顔で「あっちにあるよ」と言ったら「なんでそんなに警戒してるの?僕が怖い?」と聞かれたのです。
「警戒したことで不機嫌にしちゃったかな、嫌だったかな」と思って慌ててフレンドリーさ全開に話したら、遊びに行きたいから連絡先を教えてほしいと言われました。怖くて嫌だったものの、断りきれずに電話番号を教えてしまったのです。
結局本人から連絡はなかったのですが、「変な人に連絡先が渡ったらどうしよう、個人情報が漏れたらどうしよう」という不安がしばらく続き、気疲れが甚だしかったです。あの人は何者だったのでしょうか…大学外からきたドラッグディーラーな気がしています。
「大学内なら夜でも治安がいいから」と油断したこと、相手の機嫌を伺いすぎてNoと言えなかったことで本当に怖い思いをしました。日本人は優しすぎるので、同じ経験をすることがあるかもしれません。外国で怖い思いをしたら、容赦無く冷酷な態度をとってください。親近感のある外見の人でもです。そして夜道も十分注意して歩くようにしてください。
これから留学をする学生のみなさんに伝えたいこと
留学の最大の魅力は「選択肢が増える」ことだと私は思っています。ずっと同じ国、同じ環境にいると、その国の“当たり前”が完全に身について、別の視点や別の生き方が見えなくなりがちです。しかし環境・社会のシステム・常識も・人の考え方などが全く違う国に住むという経験をすると、今まで見えてこなかったものが見えてくるようになります。しかも頭で理解するだけではなくて、体で感じて実践できるのです。
例えば私の場合、留学前は「痩せていれば痩せているほど美しい」という考えを信じて疑ったことはありませんでした。しかしイギリスに留学して「どんな体型のあなたでもステキ」という考えに四六時中触れていたことで、「細い=美ではない」という考えが染みついたのです。そして私の中に「痩せる」以外に「現状維持」や「そもそも体型なんか気にしない」などいう選択肢ができました。些細なことに聞こえるかもしれませんが、日々の呪縛から解かれて楽に生活できるようになったため、私にとって大きな変化だったと言えます。
選択肢の種類は様々です。今後の進路や大学の研究内容、付き合う友達や趣味かもしれません。しかし今まで見えてこなかった選択肢が見える/選べるようになることで、人生って変わっていくと思うんです。留学は、人の考えをガラッと変えて、新しい選択肢を突き出して、人生を変えちゃいます。大袈裟な話ではありません。実際に私も経験したのですから。
「今の自分は前の自分とは全然違う」という感覚を、皆さんも留学して味わってください。頭で理解するのではなく、体で感じてきてほしいです。その感覚は今まで通り生活していると絶対に手に入れられるものではありません。一生自慢し続けられる“経験”という財産を、みなさんも手に入れてください。
文・写真:あやぱん
編集:マイナビ学生の窓口編集部 ろみ