話し上手になるための8つのステップ ~自身を変えなければ、言葉は変わらない~【世界の古典と賢者の知恵に学ぶ言葉の力】 #Z世代Pick

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こんにちは。Z世代ブックピッカー・まえれなです。
みなさんは話し上手になりたい!と思ったことはありませんか?

初対面の人と話す時や、プレゼンで大勢の前で話す時など、「もっと上手に話せたらいいのに」と感じる人は多いのではないでしょうか? 様々な実用書を読んで実践してみても、それでもなかなか上達しない....なんてことはありませんか?

『世界の古典と賢者の知恵に学ぶ言葉の力』の著者であるシン・ドヒョン氏は、話し上手になるということはどういうことか、以下のように述べています。

「話し上手」とは、単に話術に長けているというより、絶えず自分を省みて成長し、他人に関心を傾けて理解し、その場の状況を読み取る目を備えた、総合的な力を指す。つまり、「言葉の勉強」というのは、その境地に至ろうとして努力する過程のことだと言っていい。

話術に関する本はすでにたくさん出回っているが、そのほとんどは実用書だ。そのため、どうしても中身は単調になる。話し上手になるための努力の過程をすっ飛ばして、名スピーチの実例やテクニックの紹介に終始し、ただ言い回しの問題にとらわれているために、どんな意味を言葉に込めるのかという、最も肝心な点を見逃している場合が多い。

『世界の古典と賢者の知恵に学ぶ言葉の力』では、話し上手になるために必要な自分磨きのための8つのプロセスを紹介しています。ここではそのうちの1つを一部抜粋してお届けします。

第一章『修養』

水は方円の器に従う。
----------荀子

荀子(BC298-238年)。中国戦国時代の哲学者。孔子の学問を継承したが、性悪説を主張したため、後に異端とされた。宗教や神話を迷信として否定し、礼によって道徳を実現する政治を主張して、統治者に高い道徳性を求めた。
----------引用文出典:『荀子』

器を変えずに、器の中の水の形だけを変えようとしても、無駄なことは明らかだ。言葉も同じで、言葉の器、つまりあなた自身を変えなければ、言葉は変わらない。言葉を磨きたいなら、まず器を磨いたほうがいい。深みのある話し方を身につけたいなら、深みのある人間になるのが先だ。信頼される話し方をしたければ、信頼に足る人間にならなければならない。

もちろん、器が大きくて信頼できる人間であるかのように、言葉で飾り立てることはできる。だが、それは一瞬でしかない。二言三言かわす程度ならともかく、それ以上会話を続けていけば、すぐにその人の本質は明らかになる。口を開くたびに他人とトラブルになったり、反対に、自分の感情を内に閉じ込めてしまったりするのは、すべて言葉の選び方や話のテクニック以前に、人間の器に問題がある可能性が高い。

内面の感情をコントロールできない人は、思ったことをそのまま口に出してしまうため、つまらないことで人と争うことになる。また、自分を愛せず自己肯定感が低い人は、自信もないので必要以上に自分を隠したり、反対に自慢したりする。このように、言葉にはどうしても話す人の人間性が表れてしまう。

だから修養して人間の器を磨くことが必要なのだ。つまり、感情マネジメントと自己肯定感の二つを身につけるだけで、ふと口にした言葉に悩まされるような事態は、半分以下に減るに違いない。

■実際に読んでみた感想
「一つの言葉には、語り手と聞き手の両方の人生が込められている」という本文に入る前の著者の言葉で私はこの本に出会えたことに感謝した。私達は日々、どんな時でも言葉を使って暮らしている。人々とコミュニケーションをとるとき、何か書類を提出する時などさまざまな環境状況において言葉を使わずに生活することはまずないだろう。

そんな時私達はいつの間にか何も考えず言葉を発していないだろうか。誰かと話をする時必ず語り手と聞き手という立場が発生する。その時にどういった解釈をするのかは人それぞれである。語り手の話す内容を必ずしも聞き手が肯定することはできないとしても理解することはできる。

そうしたことを改めて意識して賢者の知恵から学ぶことができるのがこの本である。今本屋に出ている話術に関する本はたくさんあるが、言葉の使い方を根本から変える方法を提示してくれる本は他に見たことがない。この本を読むことで、自分の言葉の使い方をふりかえり、自分と世の中を変えるために言葉を手段として使えるようになりたいと思う。(まえれな)


『世界の古典と賢者の知恵に学ぶ言葉の力』
定価 : 1,650円(税込)
頁数 : 224頁
ISBN : 978-4-7612-7488-7
発行日 : 2020年4月15日

■著者情報
シン・ドヒョン
人文学者。大学で哲学と国文学を専攻。幼いころから哲学を学び、東西の古典に親しんできた。世の中を変える勉強と自分を変える勉強は同時に進めるべきで、そうしてこそ本当の変化がもたらされると信じる。その第一歩として、“言葉の勉強”をはじめ、その成果を本書にまとめた。

ユン・ナル
ソウルで高校の国語教師を勤めながら、哲学をはじめとして人文学の勉強にもいそしみ、エッセイを執筆・発表している。他人の視線にとらわれず、新しく深みのある文章を書くために、日々努力している。

米津 篤八
朝鮮語・英語翻訳家。早稲田大学政治経済学部卒業後、朝日新聞社に勤務。退職後、ソウル大学大学院で朝鮮韓国現代史を学び、現在は一橋大学大学院博士課程在学中。翻訳書に『言葉の品格』『言葉の温度』(光文社)、共訳書に『チェ・ゲバラ名言集』(原書房)などがある。

編集部:ぜんや

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活字中毒の中年編集者です。暇さえあれば本やウェブコンテンツを読み漁っています。 文章や言葉で読者を楽しませたり、悩みに寄り添い勇気づけられるよう、日々悪戦苦闘しながら言葉を紡いでいます。

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