有村架純「自分の核を見つけて大切に、きっと運は自然とやってくる」 #学生新聞

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2010年のドラマ初出演以来、数々の人気作品に出演し、昨年は日本アカデミー賞も受賞された有村架純さん。
今回、人気漫画の映画化であり、2月23日(木・祝)より全国劇場にて公開中。また、Netflixで世界に同時配信中の映画『ちひろさん』の主演を務めた。「元風俗嬢」という従来のイメージを覆す役柄を演じた有村さんに、本作品に込められた想いや見どころを伺った。

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心を救ってくれる作品『ちひろさん』

今回のお話をいただいて原作の漫画を読んだとき、私も一ファンになってしまうくらい、主人公のちひろさんに心惹かれました。そして、自分の中のわだかまりをスッと救ってくれるような、今の時代に生きづらさを感じている人にとって救いとなる作品になるに違いないと感じたのを覚えています。とくにコロナ禍において一人で過ごす時間も増えた中で、「一人でいるのは怖いことではなく、むしろ自分の幸福度を上げてくれる時間かもしれない。みんな自信を持って堂々と思いのままに生きてほしい」という思いでこの作品に参加することを決めました。
たとえば、作品の中にこんなセリフがあります。「みんなで食べるご飯はおいしいけれど、一人で食べてもおいしいものはおいしい」。人は共感性を求める生き物であり、共感できないと疎外感を感じる。そんな人間関係の駆け引きを肯定してくれる、ちひろさんならではのセリフだなと感じています。
ちひろさんは親からの愛を十分にもらえなかった子で、きっと何かを失うことへの恐怖心があるからこそ周りの人と程よい距離感を保っているのだと解釈しました。でもその距離感が心地良かったり、みんながちひろさんに心を開きたくなったりするし、ちひろさん自身もこれまで周りから愛をもらい温かさを知っているからこそ、一人を愛することができるのだと思います。

“ちひろさん”という女性

ちひろさんのビジュアルは私ではないという不安があり、喋り方や髪型、艶感なども調べたり話し合ったりしたのですが、あまりやり過ぎたくはなかったので、基本的にはそのままで行こうということになり、この作品の世界に飛び込ませてもらいました。ちひろさんの過去などはたくさん想像して、一社会人として、世間一般にいう普通の女性として社会に踏み出したけれど、人との尺度の違いやうまく交われない何かを感じ、風俗という職業に出会った。達観した、人生を1回終えたような佇まいをどう表現できるのかを考えながら演じる中で、私もちひろさんという人物を追いかけていたように思います。だからこそ自然とちひろさんのことを「ちひろ」ではなく「ちひろさん」と呼んでいたのかもしれません。
ちひろを生きているという感覚よりもちひろさんを客観視しているという感覚に近かったです。そのような感覚は初めてだった気がします。それと同時に、相手から飛んでくる棘のようなものに対して、「傷ついてほしいだろうけれど、私は傷つかないよ」という相手と対峙するような強さがある人。そのような中で、ちひろさんのいい意味で物事に干渉しない、人に期待しないカラッとした部分を意識していました。

誰かの心に作品を残すこと

今回、今泉監督とお仕事をさせてもらって感じたのは、監督は好奇心の塊のような人で、自分自身の中に戦い方がある人だと思いました。何かコンプレックスがあったりもがいているものがあったりして、それを撮影することで一つずつ消化しているのかなという印象を受けました。その分、細かなニュアンスまで丁寧に指導してくださり、そこに身を委ねて撮影していました。何か特別なリクエストがあったわけではないのですが、あまり暗くなりすぎず、明るくちひろさんを演じさせてもらいました。監督の作品には日常の温もりを感じさせるものが多いと思うのですが、多くの人にそのことが伝わったら嬉しいですね
女優という仕事をしていて素敵だなと思うのは、すごく綺麗ごとに聞こえるかもしれないですが、一つでもいいので自分の作品を誰かの心に届けられればと思っています。そのために自分はこの仕事を続けているのだなと最近改めて感じています。
今のところは演じること以外には挑戦してみたいことはないのですが、いつかは脚本を書いてみたいと思っています。いろんなジャンルの作品があると思うのですが、私は説明の多すぎない、余白を感じられる作品が好きなので、そんな作品を作れたらいいなと思っています。

自分の核を見つけて大切に、きっと運は自然とやってくる

大学生の皆さんの中には、自分が理想とするものが漠然としすぎていて、本当にやりたいことが何か分からないという人も多いのではないかと思います。
そんなときは、まず思い描く理想の根本となる部分を探してみてください。それを見つけることができたら、いろいろなことがとてもスムーズに進んでいくと思います。タイミングとか運のようなものが勝手にやってくるような感覚です。一気に視野が広がると思います。うまく一番の核となる部分を見つけ出していただきたいです

PROFILE

有村架純

1993年2月13日生まれ。主な出演作品はNHK 連続テレビ小説『ひよっこ』(2017)、映画『花束みたいな恋をした』(2021)、『前科者』(2022)、『石子と羽男』(2022)、『月の満ち欠け』(2022)。現在、NHK 大河ドラマ『どうする家康』に出演中。2月23日に映画『ちひろさん』がNetflix&劇場公開された。

学生新聞2023年4月1日発刊号 https://gakuseishinbun.jp/
取材・文/濱穂乃香(東洋大学3年)
取材/田根颯人(中央学院大学4年)、八木彩花(上智大学4年)、濱穂乃香(東洋大学3年)、大塚美咲(東海大学3年)
ヘア&メイク/尾曲いずみ
スタイリスト/瀬川結美子
衣装クレジット:テーロプラン/テーロプランカスタマーサポート

『ちひろさん』
有村架純
豊嶋花 嶋田鉄太 van
若葉竜也 佐久間由衣 長澤樹 市川実和子
鈴木慶一 根岸季衣 平田満
リリー・フランキー 風吹ジュン
原作:安田弘之『ちひろさん』(秋田書店「秋田レディース・コミックス・デラックス」刊)
監督:今泉力哉
脚本:澤井香織 今泉力哉 音楽:岸田繁
主題歌:くるり「愛の太陽」(VICTOR ENTERTAINMENT/SPEEDSTAR RECORDS)
製作:Netflix、アスミック・エース
制作プロダクション:アスミック・エース、デジタル・フロンティア
配給:アスミック・エース PG12
Ⓒ2023 Asmik Ace, Inc. Ⓒ安田弘之(秋田書店)
2014 https://chihiro-san.asmik-ace.co.jp/
Netflixにて世界配信中&全国劇場にて公開中

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「学生の学生による学生のための新聞」として、全国約760校の大学・短大・専門学校に年2回(4月・10月)発刊しています。「学生新聞オンライン」にて新聞掲載記事はもちろん、WEB版オリジナル企画も発信。取材・執筆は学生が担当。新たな発見がありますよ!

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