『大いなりすぎた海』 私、沖縄に住み始めて4年目になる。私、実はひとつ秘密がある。|「#Z世代の目線から」エッセイコンテスト7月入選作品2
「#Z世代の目線から」エッセイコンテスト7月
入選作品2:『大いなりすぎた海』村岡季歩 さん
771文字/2分くらいで読み終わります。
私、沖縄に住み始めて4年目になる。
私、実はひとつ秘密がある。
私、海洋恐怖症である。海が怖いのだ。
島国日本に海が見れるところなんて溢れかえっているのに「沖縄に住んでいます」といえば体感8割の確率で「海が綺麗でしょ」とくる。もちろん海は綺麗だ。沖縄に来た当初は「写真でみる色じゃん!」と本気で思った。見るぶんには本当に美しい。怖いといいながらも今年海に何度ひとりで足を運んだかわからない。
私だって昔から海が怖いわけではない。昔は海が大好きで特に海洋図鑑を見るのが好きだった。しかし、いつしかプランクトンから凶暴なサメまで生み出す「海の生命エネルギー的なもの」が怖くなってしまった。足首ほどまで浸かると、砂浜独特の引き込まれるような感触と、ジリジリとした太陽の下にあるとは思えない冷たさが火照った体に足先から入り込んで、海の中と外が別物のように感じる。波はもっと深くへ誘うかの如く押しては返し、肌は潮と汗でベタつく。潮の匂いが辺りを覆い、このままぼーっと立っていたら海とひとつになってしまうような気がしてそれ以上先へ進むのは躊躇われる。いっそのこと入ってしまえたらどんなに楽か。四方八方海に囲まれた土地に住みながら情けない話である。
何も、海のネガキャンをしたいわけではない。私が綴った恐怖心はきっと海の魔性の魅力だと思う。海に飛び込む勇気がある方は是非美しい沖縄の海にダイブしていただきたい。梅雨も終わり台風シーズン前、燦々とした太陽が気持ちのいい季節になった。私と同じように海が怖い方はビーチでラムネで乾杯しよう。ビーチパーティー(ビーパという)の文化があるためBBQも簡単。アメリカンなハンバーガーのキッチンカーが出ていたりもする。青い空と白い砂浜、エメラルドグリーンの海を見ながらの食事は大変乙である。
皆さま、めんそーれ。
著者:村岡季歩 さん |
学校・学年:琉球大学 4年 |
著者コメント:個人的沖縄おすすめシーズンは3月(長袖一枚でなんとかなる)、7月(夏の空!海!花火があったり星が綺麗だったり)です。GW明けには梅雨入り、9月には台風がやってきます。 |
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