歴史に残る巨大プロジェクト。リニア中央新幹線を推進する仕事の魅力は? #東海旅客鉄道株式会社 #JR東海【お仕事図鑑】

編集部:ゆう

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穂苅裕太郎さん
東海旅客鉄道株式会社 中央新幹線推進本部 企画推進部

2010年入社。現場研修を経て2011年より在来線部門である東海鉄道事業本部管理部総務課に配属。2013年、秘書部役員秘書、2015年より新幹線鉄道事業本部関西支社管理部人事課で新幹線部門の「人」を支える仕事に従事。海外留学を経て、2018年からは広報部東京広報室でリニア中央新幹線の広告宣伝をはじめとする広報・宣伝業務を担当。2021年より現職。

東海道新幹線を運行する東海旅客鉄道株式会社(以下、JR東海)は、「超電導リニアによる中央新幹線計画」(以下、プロジェクト)を推進しています。

全線開業後は、東京から大阪までを時速500km、所要時間1時間で繋げる、まさに「夢の超特急」とも言える大きなプロジェクトです。このプロジェクトの具体的な仕事はどのようなものなのでしょうか?

今回は、JR東海中央新幹線推進本部企画推進部に所属する穂苅裕太郎さんに、お話しを伺いました。

社内外のステークホルダーと連携・調整し、プロジェクトを推進

――まず自己紹介をお願いします。

2010年に入社し、最初は在来線・新幹線の車掌や駅員など、鉄道事業の現場で働きました。

その後、在来線部門や、秘書、人事などの業務に携わり、アメリカに留学しました。帰国した後は、東京広報室で広報・宣伝に携わり、2021年7月より中央新幹線推進本部企画推進部に配属となりました。

――企画推進部はどんなことをする部署なのでしょうか?

中央新幹線推進本部は、私が所属する「企画推進部」と、リニアの技術を開発する「リニア開発本部」、そして中央新幹線の路線を実際に建設する部門である「中央新幹線建設部」の3部署で構成されており、協力してプロジェクトを推進しています。

企画推進部は、リニア開発本部や中央新幹線建設部をはじめとする社内の部署や、国土交通省や沿線の都府県といった社内外のステークホルダーと連携し、総合調整を行うことで、プロジェクトを円滑に進めていくための部署です。

――プロジェクト全体をどのように進めていくのかを見渡し、方向づけていく仕事、ということですね。

このプロジェクトは1,500名以上の社員が参加し、東京から名古屋間の工事費は7兆円を超えるという大規模なものです。理解や協力をいただく社外のステークホルダーも、国や自治体、沿線住民の方々、投資家、マスコミなど、多岐にわたります。

企画推進部は約70名程度の組織ですが、こうした大規模なプロジェクトについて社内外の関係者を総合調整していく役割を担っています。

社内だけでなく社外の関係者も意識したコミュニケーションが重要

――具体的にどのような仕事をしているのでしょうか?

内容は多岐に渡りますが、ひとつは社外のステークホルダーに対して、プロジェクトの現況を的確に把握し、伝えられるようにしていくことです。

大きなプロジェクトであるがゆえ、関係者の方々から寄せられる関心・疑問はさまざまです。そうしたものにひとつひとつ適切に答えることではじめて、ステークホルダーの方々のご理解やご協力が得られると考えています。

受け身だけではなく、プロジェクトについて皆さんが思うであろう疑問を先取りしていきたいと考えていますし、逆に我々が「知ってもらいたいこと」を整え、世の中に発信していくことも大切です。

――他にはどのような仕事がありますか?

巨大なプロジェクトですが、その中身は一つひとつの具体的な設備投資の案件の積み重ねで構成されています。そこで、一つ一つの設備投資案件について、会社の意思決定が円滑に行われるよう取りまとめていくことも私の仕事です。

――企画推進部の仕事の特徴は何でしょうか?

まずは「コミュニケーション」がきわめて大切です。社内だけでも関係者は多岐にわたり、また技術的で専門的な内容も多いです。そのため、自分から様々な部署とコミュニケーションを取って、彼らが考えていることや、自分たちに求められていることを理解したうえで調整していく必要があります。

また、世の中の状況に常にアンテナを張ることも求められます。関係者にプロジェクトがどのように関心を持たれているのか、メディアでどのように取り上げられているのかを知らないと適切なコミュニケーションは行えませんし、プロジェクトを円滑に進めることはできません。

――実際に工事現場を視察することもあるのですか?

あります。皆さんがあまり目にされることはないと思いますが、実はさまざまな場所で着実に工事が進んでおり、このインタビューを受けている本社ビルの地下でも工事をしています。先日も現場の視察を行いました。工事現場を見ると、自分の携わっているプロジェクトが今まさに前進しているという手触り感が得られ、さらに仕事のモチベーションが高まります。

前例のない挑戦に挑むというやりがい

――プロジェクトに関わる仕事の魅力を教えてください。

日本の人口の約6割が、東京から大阪までの当社のマーケットエリアに集中しています。このエリアを繋ぐ大動脈ともいえる高速鉄道の利便性を向上させることは、そのまま社会全体を良くすることにも繋がると私は考えています。そのような、私たちの社会にとって意義がある仕事に携われているという誇りを感じられることは大きな魅力です。

もともと私自身がJR東海を選んだのは、人の役に立ちたい、家族に喜んでもらえる仕事がしたいと考えたことがきっかけでした。実際に、多くの人の役に立つプロジェクトに携わることができて嬉しいですね。

――企画推進部の仕事の「面白さ」はどんなことでしょうか?

これは面白いと感じることであると同時に難しさを感じる点でもあるのですが、法律から財務、技術的な内容まで、学ぶべきことが本当に多くあることです。私は法学部出身ですが、これまで学んだことのないような法令にも日々出会い、実務を通じて学んでいます。

また、プロジェクト全体を見渡す上では、どう会社の中で意思決定してゆくかという経営的な視点や、個別の投資案件を精査する財務的な視点、技術的にどうなっているのかという専門的な視点など、さまざまな力が求められます。

私は34歳ですが、日々の業務を通じて学びを深めることで自分の成長を感じながら、充実した日々を送ることができています。

――その学びのひとつひとつが、夢のプロジェクト実現に貢献しているのですね。

現在も新幹線を使えば手軽に東京から大阪に行くことができますが、超電導リニアならさらに短い時間で行けるようになります。

このプロジェクトは、私たちの生活をひとつ上のフェイズに飛躍させる挑戦です。そこに前例はなく、自分たちでそれを作っていくのだという気概が求められます。

そして、その結果が次の時代のインフラとして長い間残っていく。こんなにやりがいのある仕事は、ないと思います。

――仕事をする上で意識していることは何でしょうか?

まずは何よりも「謙虚でいること」です。色々な人との対話が必要で、また学ぶべきことが多い仕事だからこそ、謙虚な姿勢で学び、前向きに知識を取り入れる姿勢を大事にしています。

また「自分で考えて動くこと」も常に意識しています。人に仕事を与えられるのを待つのではなく、より良い仕事のためには自分に何ができるのか、自分の頭で考え、そして実行に移すようにしています。

JR東海のアイデンティティが込められたプロジェクト

――このプロジェクトにはJR東海のどのような思いが込められていますか?

JR東海の大きな使命が、東京~名古屋~大阪の高速大量旅客輸送という『日本の大動脈』を担うことです。本プロジェクトは、この大動脈輸送をただ守るだけでなく、ひとつ上の段階に飛躍させようとするものです。


リニアは一般的に長い間「夢」といわれてきましたが、今まさに「夢が現実になる」段階に来ています。日本固有の技術を用いた超電導リニアによる新幹線の実現は、日本社会の「次世代の軸」になるかも知れません。そうしたことに自分が実務として携われていることに、日々感謝しながら仕事に取り組んでいます。

――「自分もリニアに携わる仕事がしたい」と考えている学生もいますが、穂苅さんの企画推進部の仕事で求められるスキルは何でしょうか?

先ほど申し上げたような財務や法律といった点への知識は重要ですが、なにより大切なのは「人間力」だと思っています。本プロジェクトは1人の力では実現できません。社内で多くの人々と共に、ワンチームとなって進めることが求められます。そのとき何より大切なのが、周りの人たちが「この人と一緒に、仕事がしたい」と思ってくれるような「人間力」だと思います。

また、前人未踏のプロジェクトを推進していくうえで、「チャレンジ精神」も欠かせないものです。誰も辿ったことのない道だからこそ、「自分たちが切り開くんだ!」という強い気持ちが求められる。チャレンジ精神を共有しながら、一緒になってプロジェクトを推進していく、そんな仲間が来てくれたら嬉しいですね。

――最後に学生へのメッセージをお願いします。

社会人として生きて行く上で技術、知識、スキルはもちろん大事です。ただ、それだけでなく、「人としての幅を広げること」も大切なのではないでしょうか。

先ほど「人間力」と言いましたが、在来線、秘書、新幹線、広報、そして今の企画推進部と、どの部署でも様々なことに興味を持ち、そしてそれを実行に移している上司や先輩との出会いがありました。

「こんな人に、自分はなりたい」、そんな尊敬できる人たちに囲まれていることも、当社で働くうえでの大きな働きがいのひとつです。学生の皆さんも、ぜひ自分の好きなことや興味のあることなど、さまざまなチャレンジをし、人としての幅を広げてもらいたいです。

 ――ありがとうございました! 

※記事内容及び社員の所属は取材当時のものです。

編集後記

リニア中央新幹線は、JR東海のアイデンティティが込められた、日本の歴史に残る巨大プロジェクトです。開通した際には、ライフスタイルの変化だけでなく経済の活性化も期待されています。長野県飯田市など、首都圏から長時間の移動が強いられていた地域にも行きやすくなるため、人の流れが大きく変わる可能性もあります。私たちが想像している以上に、便利で楽しい未来がやってくるかもしれませんね。

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文:高橋モータース@dcp

編集:学生の窓口編集部

取材協力:東海旅客鉄道株式会社
https://jr-central.co.jp/

「リニア中央新幹線」公式サイト

https://linear-chuo-shinkansen.jr-central.co.jp/

 「採用・インターンシップ」公式サイト

https://saiyo.jr-central.co.jp/

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学生に「一歩踏み出す勇気」を持っていただけるような記事を届けたいです。

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