SKY-HI 人生グラフvol.4 まずは数をこなそう。SKY-HIが伝える「殻を破りたくなったとき」の注意点
これまでの人生のなかで大きな決断をしたときや、人生観が変わったタイミングなど、自身のターニングポイントについて振り返ってもらう新企画「人生グラフ」。著名人の方々の分岐点から、学生に向けてのきっかけや学びを教えていただきます。
前回に引き続き登場いただくのは、ラッパー、音楽プロデューサーとして活躍されているSKY-HIさん。連載の4回目をお届けします。
【vol.1】「10年間の鬱屈した気持ちはこのために必要だった」SKY-HIが語る人生のターニングポイント
【vol.2】「まわりから抜きん出るには“プラスワン”を持て」SKY-HIの一番つらかった時代を支えた言葉
【vol.3】ラッパー・SKY-HIが語る「学生時代は“無駄の数”が多いほうが勝ち」
1曲に9ヵ月間のパワーを注いだ期間
＜SKY-HIが描く自身の人生グラフ＞
今回は、SKY-HIさんが高みを目指し、1曲に9ヵ月間のパワーを注いだ期間について話を伺いました。
殻を破りたくて、1曲に9ヵ月かけた
2015年あたりで、音楽1曲に対して9ヵ月間ほど時間をかけて作っていた時期がありました。
なぜそんなに時間をかけていたかというと、今自分が持っている才覚で明らかに辿り着けていないと思う部分があって。登ってみたい、乗り越えてみたいと感じたためチャレンジしました。高望みをし、全パワーを注いだので、心労があった時期でもありましたね。
今っぽい生き方や考え方でいうと、本当はそういった壁は回避したほうが自分のオリジナルのスタイルが見つかるような気もします。それくらい、ゴールに多様性がある時代だと思うから。
ただ、今自分の持っている能力や才能などを使っても、乗り越えられない壁があったとき。その壁を越えるために一定期間の時間や心を費やすのは一つの手段としてはいいと思います。僕も挑戦したからこそ、より視野が広がりましたね。
挑戦は「自分の型」を身につけてから
ですが、危険だなとは感じましたね。途中でやめられないし、心身ともにキツイのであまりおすすめはしません。僕はある程度自分の型が出来上がっていたからこそ、挑戦できた時間だったので、型ができていない若い子がむやみに挑戦はしないほうがいいかな。というのも、型がないうちから挑戦しても、基盤がグラグラで成長はできなさそうだから。
若い子に多いのが、曲を作り出してまだ10曲しか出来上がっていないのに、「もっとアーティストとしての個性を見つけてから………」と止まってしまうこと。これってとってももったいないんですよ。何も考えずにとりあえず100曲を作ったら、勝手に自分の型ができますからね。
音楽だけではありません。漫画家になりたかったら何も考えずに100作作ればいい。画家になりたかったら、100枚絵を描いてみるとか。そうやって初めて型が見え、ステップアップにつながっていくのだと思います。稀に初めての作品から完全に自分な人もいますが笑、基本的には自分のスタイルって自分はわからない事が多いですから。
＜SKY-HIの成人期に影響を受けた映画＞
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取材・文：田中さやか
写真：島田香
編集：学生の窓口編集部
