大学生のパソコン選びはこれで決まり! 知っておくと役立つパソコンパーツも解説【2024】
こんにちは、『マイナビ学生の窓口』でパソコン購入に関する相談イベントをしている砂流(すながれ)です。
元パソコンショップの販売員&PCメーカーの宣伝広報担当もしていた筆者が、大学生におすすめのパソコンを紹介していきます。「どんなパソコンを買っていいか分からない」「そもそもパソコン用語が分からない」といった人にも分かりやすく紹介していくので、最後までお付き合いください。
まず、自分でもどのパソコンが良いかを判断できるように、「これだけは覚えておきたい用語」からご紹介します。ここを抑えておけば、「とりあえずネットにあったおすすめのパソコンを購入したけど、想像と違って後悔・・・・・・・」みたいなことにはなりません。
これだけは覚えておきたい用語
パソコンには色々なパーツがありますが、スペック(性能)を決めるうえで重要になるのが以下の3つです。
この3つのパーツを理解して量販家電店やECサイトを見るだけでも、パソコン選びが今まで以上に捗ります。
CPU (シーピーユー)
パソコンの要であり、速さの根幹となるパーツです。パソコンの性能の大半はCPUによって決まります。
CPUはパソコンの処理の大半を任せられているため、常に様々な処理を「同時」にこなしています。ポイントは「同時」なこと。例えば、オンライン授業を受ける場合、Zoomなどを立ち上げながら、インターネットブラウザで調べ物をしたり、WordやOneNote、メモ帳などでメモをとったりすると思います。
このようにパソコンは常に複数の作業をしており、その作業をどれだけこなせるかの要がCPUです。
代表的なCPUは「インテル入ってる」というCMでお馴染みの「インテル Core i シリーズ(インテル コアアイ シリーズ)」です。
インテルのCPUは数字によってランク付けがされており、数字が高ければ高いほど性能が良くなります。
- ・Core i3
- ・Core i5
- ・Core i7
- ・Core i9
大学生活で講義やレポートだけでなく、写真・動画編集など趣味にも快適に使いたい場合はCore i5以上がおすすめです。
そして、CPUにはAMD(エーエムディー)のRyzen(ライゼン)というものもあります。
- ・Ryzen 3
- ・Ryzen 5
- ・Ryzen 7
- ・Ryzen 9
こちらもインテル同様に数字が高ければ高いほど性能が良くなります。2つあってややこしいですが、「Core i5とRyzen 5、Core i7とRyzen 7はざっくり同じくらいの性能*」と覚えておけば大丈夫です。
*厳密にはCPUの世代やプロセッサー・ナンバーによって性能は異なります。とはいえ、おおまかには似た性能なのでまずはこのように覚えておくと役立ちます。
メモリ
メモリは、人間の作業で例えると作業机のようなものです。
このスペースが狭い(メモリが少ない)と、調べ物をするためにインターネットブラウザでたくさんタブを開いたり、資料や写真をたくさん表示したりするとパソコンが重たくなったり、ロード時間が長かったり、クリックしてもしばらく反応をしなかったり、起動していたアプリが落ちたり、最悪の場合はフリーズします。
メモリ容量が少ないと、CPUの性能が高くても上記のような状況が起きやすくなってしまいます。ですので、メモリ容量は重要です。
メモリ容量はスペック表に・・・・・・
- ・メモリ 8GB
- ・メモリ 16GB
- ・メモリ 32GB
などと表記されています。これから数年パソコンを使う場合、「最低8GB」と覚えてください。
ストレージ
ストレージは、データの保管場所のことです。
ストレージには、Word、Excel、PowerPoint、写真、動画、レポートなどのアプリケーションやデータが保管されています。また、WindowsやMac OSなどパソコンを動かすOSもストレージの中に保管されているので、ほぼすべてのデータはストレージにあるといっても良いほどです。
ストレージの容量は・・・・・・・
- ・256GB
- ・512GB
- ・1TB(テラバイト)*
*1TBは1,000GBのこと。
などと表記されています。ストレージは外付けHDDや外付けSSD、クラウドストレージなどを駆使すれば容量の拡張もできますが、最低限256GBはあったほうが良いと思います。
ここまでのまとめ
大学生におすすめしたいスペックを下記にまとめます。
■おすすめのスペック
- ・CPU : Core i5以上
- ・メモリ : 8GB以上
- ・ストレージ : SSD 256GB以上
上記を前提に、おすすめのノートパソコンの選び方を紹介します。
大学生のパソコンの選び方
ノートパソコンの形状
ノートパソコンには、通常のノートパソコンと、本体とキーボードが分かれるタイプのものがあります。
通常のノートパソコンタイプは、タブレットタイプに比べるとキーボードが打ちやすいモノが多く、音が良いものやバッテリーの持ち時間が長いものもあります。また、動画編集や3DCGなど重たい作業も快適に行えることが多いです。
タブレットタイプは、紙のノートのようにタブレットにタッチペンで講義メモを書いたり、外側にもカメラがついているため講義を写真で撮ったり、マンガや小説などを大画面で読みやすかったりします。
Windowsであれば、ノートパソコンでもタッチパネル対応のモデルが多くあります。通常のノートパソコン、タブレットタイプ、どちらも文系、理系問わずおすすめです。
大きさと重さとバッテリー
ノートパソコンの画面は10型~17型くらいまでさまざまありますが、おすすめは13型~15型くらいです。画面が大きければ大きいほど作業がしやすくなり、YouTubeはNetflixなどのストリーミング配信や、写真なども大画面で楽しめます。
また、画面の右側でインターネットブラウザでの調べ物、左側でレポートなどの作業がやりやすくなるのもポイントです。15インチクラスだと、左右に表示しても視認性が高く、見えにくいといったことはまずありません。
ただし、15型は軽くても1.5キロくらいはするため、持ち運びには少し不便です。普段は講義はインターンもオンラインが中心で、外出時はたまにしかパソコンを持ち運ばないという人には、15型がおすすめです。
大学生の皆さんは、A4ノートが入るくらいの大きさのカバンで通学されていると思います。このサイズに収まる範囲内であれば、13~14型が適しています。
13.3型は一般的なノートパソコンサイズで、左右に異なるものを表示しながらの作業もできますし、重さが1キロを切るモデルも多くあります。デザインが特徴的なモデルも多いので、悩んだら13.3型から選ぶのが良いでしょう。
ノートパソコンで重要なポイントのひとつがバッテリーの持続時間です。最新のパソコンは10時間以上持つものも多くあり、一部では24時間を超えるものもあります。バッテリーの時間は目安であり、ゲームや動画編集など重い作業をしていると公称時間よりもかなり早く切れてしまいます。そうしたことを考慮して、バッテリーが16時間以上あると、1日中外出していてもバッテリーが切れずに使用できると思います。
OSの違い
パソコンには、Microsoftの「Windows」と、Appleの「Mac OS」、Googleの「Chrome OS」があります。講義に使ったり、レポートを書いたりするにはどのOSも問題ありませんが、大学生活で快適にパソコンを使うという意味では、Windowsがおすすめの選択肢です。
Mac OSを搭載したMacBookは、iPhoneを持っている人は互換性が高く使いやすいと思います。しかし、一部の学校が対応していないこともありますので、購入前に確認することが重要です。
Chrome OSを搭載したChromebookは、安価で起動も速く、使い勝手の良いパソコンではありますが、対応していないアプリなども多く、学校指定の提出方法に対応していない可能性があります。また、写真や動画の編集、グラフィックや3DCGの編集などを行いたいと考える場合、将来の拡張性を考えると制限があるかもしれません。
また、世界中のほとんどの企業はWindowsを使用しており、就職先で渡されるパソコンの大半はWindowsであることが多いです。WindowsとMac OSの操作感の違いが大きく異なることはありませんが、将来を見越してOSを選ぶのであればWindowsが安心の選択となるかもしれませんね。
前置きが長くなりましたが、ここからはおすすめのパソコンを紹介していきます。
おすすめのパソコン7選
Surface Laptop 4 13.5インチ
マイクロソフトの人気パソコン「Surface(サーフェス)」シリーズのノートパソコンタイプです。少し高価ですが、その分、デザイン性も高く人気のモデルです。通常のノートパソコンと比べて縦が長く、WordやExcel、ウェブなどの表示が見やすく、タッチにも対応しています。15インチモデルもあるので、大きな画面を好む人は15インチがおすすめです。
画面サイズ : 13.5インチ
解像度 : 2256 x 1504(タッチ対応)
CPU : 第 11 世代 インテル Core i5-1135G7 プロセッサー
メモリ : 8GB
ストレージ : SSD 512GB
OS : Windows 10 Home
グラフィック:インテル Iris Xe グラフィックス
バッテリー駆動時間:約17時間
本体重量:1.26kg
Office : Office Home & Business 2019
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MacBook Air
最新のモデルでは、Apple独自のM1チップという、CPUやGPUをひとつのチップに搭載しています。。性能が向上し、バッテリー持ちも良好。MacBookを購入したい人には、こちらのモデルが比較的リーズナブルでおすすめです。M1チップの搭載により、MacBookの性能や使用感が大幅に向上していますので、今購入するのであればM1チップ搭載モデルを選ぶことをお勧めします。
画面サイズ : 13.3 インチ
解像度 : 2,560 x 1,600
チップ : Apple M1チップ
メモリ : 8GB
ストレージ : SSD 256GB
OS : macOS
バッテリー駆動時間:約18時間
本体重量:1.29kg
Office : なし
Dell Inspiron 13 7300
重さが1キロを切っていて、軽量で薄型、かつデザイン性も高いモデルです。Dellはもともとコストパフォーマンスの高さで知られていますが、このモデルはその例に漏れず、コスパも優れています。予算に余裕があれば、Core i7のCPUを選択することでさらに快適に使えます。
画面サイズ : 13.3 インチ
解像度 : 1920 x 1080
CPU : 第11世代 インテル Core i5-1135G7 プロセッサー
メモリ : 8GB
ストレージ : SSD 512GB
OS : Windows 10 Home
グラフィック:インテル Iris Plus グラフィックス
バッテリー駆動時間:約17時間
本体重量:0.99kg
Office : Office Home & Business 2019
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HP Spectre x360
デザインに定評のあるHPの中でも人気の高いモデルです。特徴は画面がくるっと360度回転すること。通常のノートパソコンとして使えるだけでなく、テントモード、タブレットモード、スタンドモードなど、様々な用途に対応できます。さらに、ペンも付属しており、講義中のメモを取ったり、動画や映画を視聴したり、料理のレシピを閲覧したり、電車の中でタブレット感覚で利用したりするのに便利です。
画面サイズ : 13.5インチ
解像度 : 1920×1280(タッチ対応)
CPU : 第11世代 インテル Core i5-1135G7 プロセッサー
メモリ : 8GB
ストレージ : SSD 256GB
OS : Windows 10 Home
グラフィック:インテル Iris Plus グラフィックス
バッテリー駆動時間:約15時間
本体重量:1.36kg
Office : Office Home & Business 2019
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Surface Pro 7
マイクロソフトの人気パソコン「Surface(サーフェス)」シリーズの中でも代表的な製品です。本体とキーボードが外れるタイプであり、タッチペンを別途購入すれば、講義のメモを取ったり、インターネットブラウザで調べ物をしている際にメモを追加したり、読書中にサッとメモを取るなど、タブレットとしての使用が捗ります。
画面サイズ : 12.3 インチ
解像度 : 2736 x 1824 (タッチ対応)
CPU : 第 10世代 インテル Core i5-1035G4 プロセッサー
メモリ : 8GB
ストレージ : SSD 256GB
OS : Windows 10 Home
グラフィック:インテル Iris Plus グラフィックス
バッテリー駆動時間:約17時間
本体重量:1.26kg
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富士通 FMV LIFEBOOK UHシリーズ
重さが734gという非常に軽量で薄型なモデルです。とにかく軽いノートパソコンが欲しい人には特におすすめです。富士通はさらにこのモデルよりも100gほど軽いモデルも提供していますが、価格とのバランスを考えると、こちらのモデルがより良い選択と言えます。また、HDMIのポートやSDカードのポートなど、豊富なインターフェースも特徴の一つです。
画面サイズ : 13.3 インチ
解像度 : 1920 x 1080
CPU : 第11世代 インテル Core i5-1135G7 プロセッサー
メモリ : 8GB
ストレージ : SSD 256GB
OS : Windows 10 Home
グラフィック:インテル Iris Plus グラフィックス
バッテリー駆動時間:約11時間
本体重量:736 g
Office : Office Home & Business 2019
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LG gram
16インチという大画面ながらも、1190gの軽さを実現し、バッテリー持ちも約30時間という他のメーカーではなかなか見られない特徴を持ったモデルです。また、14インチタイプも990gと軽量で、約37時間もの長時間バッテリー持ちを誇ります。さらに、米軍の調達基準である「MIL-STD-810G」を7項目クリアしており、耐久性にも優れています。外出が多く、大画面で作業したい人にはおすすめのモデルです。
画面サイズ : 16インチ
解像度 : 2560 x 1600
CPU : 第 10世代 インテル Core i5-1035G4 プロセッサー
メモリ : 8GB
ストレージ : SSD 512GB
OS : Windows 10 Home
グラフィック:インテル Iris Plus グラフィックス
バッテリー駆動時間:約30時間
本体重量:1.190kg
Office : Office Home & Business 2019
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パソコンは新しいものを購入する
最後に、ひとつだけ重要なことをお伝えします。
それは、「パソコンは新しいものを購入すること」です。パソコン業界は技術革新が速く、CPUの速度は年々上がっています。3年前のパソコンのCPUと現行品は同じ「Core i5」と書いてあっても速度が大きく異なります。
ですので、3年前の中古品を買うより、少し高くても新しいものを買うほうがおすすめです。
新しいiPhoneを買おうと思っているときに、現行モデルかひとつ前のモデルを買うことはあっても、3年以上前のモデルを選ぶことはあまりおすすめできないのと同じ。これから数年使うのであればなおのこと性能がいいものを買ってください。
大学生は自分がやりたいことがどんどん浮かんできて、チャレンジできる時期でもあります。そのときにパソコンの性能が足りないからできない、は避けたいですよね。
ぜひ、将来を見越した買い物を!
教えてくれたのは…
砂流 恵介さん
秋葉原でパソコンショップ販売員の経験を得て、日本エイサーへ入社。宣伝・広報を担当する。2013年に同社を退職後はパソコンを含むガジェットのレビューを様々なWEBメディアで執筆。また、BtoC企業を中心にPR業務やコンサルタント、ゲーム実況配信など、多方面で活動している。
編集:マイナビ学生の窓口編集部
イラスト:watasack(渡邊 桜)