VRエンジニアってどんな仕事?必要なスキルや習得すべきプログラミング言語を解説
VRエンジニアのVRとは、「Virtual Reality(バーチャルリアリティ)」のこと。『仮想現実』と訳されるように、あたかも自分がゲームの世界に舞い込んでしまったようなリアリティを感じることができる技術です。VRの技術はゲームに留まらず、ライブ配信や医療などさまざまなシーンで活用されるようになってきています。その開発の中核をなしているのが、まさにVRエンジニア。今回はまだまだ謎の多いVRエンジニアという職業についてひもといていきます。
VRエンジニアとは
VRエンジニアとは「Virtual Reality(バーチャルリアリティ)」の技術を活用したゲームなどのコンテンツやサービスを開発する技術者のこと。
大きなゴーグル状の機器を頭に装着してVRを楽しむ姿をTVなどで見た人は多いのではないでしょうか。あのコンテンツを制作している人がVRエンジニア、というわけです。ちなみにVRエンジニアはVRクリエイターとも呼ばれます。
そもそもVRって何?
VRはよく『仮想現実』と訳されますが、日本バーチャルリアリティ学会によればそもそも「仮想」ではないと提言しています。
「みかけや形は原物そのものではないが,本質的あるいは効果としては現実であり原物であること」(日本バーチャルリアリティ学会「バーチャルリアリティとは」)
やや難しい概念の話になりますが、「仮に想定された現実」というよりも「本質的な現実」といえるかもしれませんね。
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VRエンジニアの仕事内容
VRエンジニアの仕事内容を一言でいうと「パソコンを使ったVR制作」です。VR制作の主なプロセスを3ステップで見てみましょう。
●STEP1:コンテンツ設計
⇒まず表示する画面やキャラクターの動きなどを設計します。
●STEP2:コンテンツ制作
⇒制作ソフトにプログラミング知識などを活かして作り込んでいきます。
●STEP3:テストとデバッグ
⇒成果物が正常に動くかどうかテスト・修正を行います。
それからVRは大きく「CG版」と「実写版」に分けることもできます。
●CG版:コンピュータグラフィックを使ったもの
⇒ゲームの世界に入り込める!
●実写版:実際に撮影した映像を使ったもの
⇒ライブ配信、不動産の物件内見など
このように、VRはビジネスの現場にも登場しており、今後もますます活用の幅が広がっていくことが期待されています。
働く舞台は?
VR技術はさまざまな業界で活用されてきていますが、VRエンジニアがそれぞれの業界にいるわけではありません。VRエンジニアの主な就職先としては、VRを得意とするソフトウェア開発会社が挙げられます。
VRの開発には専門知識や高度な技術、そして専門の機材なども必要。そのためVRを専門に手がける会社がさまざまな業界向けサービスを提案しているのです。
求められるスキルや言語とは
VRエンジニアはいくつかの専門スキルを総合的に組み合わせて使いこなすことが求められます。その分幅広いスキルが必要となるため、別職種でのエンジニアやCGクリエイター達がこれまでの経験を活かしてキャリアアップで転職してくるケースも多いようです。
◆VRエンジニアに求められるスキル◆
・Unityなどのゲームエンジンのスキル
・3DCG制作スキル
・動画撮影・編集スキル
・プログラミング言語
ゲームエンジンとは、ゲーム制作に必要な機能をパッケージ化した制作ソフトのこと。「ゲーム」という名がついていますが、ゲームに限らず幅広いコンテンツ制作が可能です。
代表的なものは、現在のところ「Unity」と「Unreal Engine」が挙げられます。特に「Unity」は需要が高いため習得を目指すにはおすすめ。
ゲームエンジンは高度なプログラミング知識がなくてもある程度ゲームを形にすることができるのがメリット。ただしプロの制作現場では、プログラミング言語もやはり使っていかなければなりません。
◆プログラミング言語の例◆
・JavaScript
・C#
・Ruby など
また技術の進歩に合わせて新しいスキルを学んでいく姿勢も大切です。
それから技術面だけでなく、制作をスムーズに進めるためのビジネススキルも必要。例えば先方のニーズを汲み取ったり、周辺スタッフと協力したりするためのコミュニケーション力は必須でしょう。
VRエンジニアになるには?
ではVRエンジニアになるにはどうしたらいいのでしょうか。
新卒・未経験でも目指せる?
新卒や未経験からVRエンジニアを目指すことは不可能ではありません。ただし新卒の場合はVR制作会社であっても最初は別の職種に配属となるかもしれません。その場合は、そこから研修を受け実務を積んでVRエンジニアを目指すことになるでしょう。
新卒でも中途でも、全くスキルがない状態でVRエンジニアとして就職を目指しても不利になりやすく、できれば最低限の基本スキルだけは事前に習得しておく方がベターです。
VRの勉強方法としてオススメなのは、ずばり「スクールに通う」方法です(オンライン型も有り)。
独学で学ぶこともできますが、もしもどこかでつまづいた時、ネット上での情報はまだ少ないため解決に時間がかかってしまう恐れも。その点スクールならば、プロ講師によるサポートを受けることができ安心です!
どんなスクールがある?
VRエンジニアになるための講座は主にゲーム系、プログラミング系のスクールが開講しています。一例としていくつか挙げておきます。
・VRプロフェッショナルアカデミー
・バンタンゲームアカデミー
・総合学園ヒューマンアカデミー夜間・週末講座
ただしVR専門の講座はプログラミングの入門レベルやUnityスキルを持っていることが前提となっている場合も。ご自身のスキルと照らし合わせて無理のないようステップアップしていくようにしましょう。
VRエンジニアは将来性が期待できる!
先にお伝えしましたように、VRエンジニアの仕事はゲーム制作だけにとどまりません。医療や住宅・不動産、自動車など、さまざまなビジネス分野へ広がりを見せており、将来性は高いと考えられます。
ただしこうした新技術がどこまで一般家庭にまで普及していくかは未知数な面もあることは事実。それでもVRエンジニアは複合的なスキルを持ち合わせている職種ですから、ゲームクリエイターやプログラマーなど他の職種への転職でも重宝されるはずですよ。
まとめ
今回はVRエンジニアという新時代のお仕事について解説してきました。最後に改めてVRエンジニアに求められるスキルについて挙げておきます。
◆VRエンジニアに求められるスキル◆
・Unityなどのゲームエンジンのスキル
・3DCG制作スキル
・動画撮影・編集スキル
・プログラミング言語
この4つだけ考えても幅広いスキルが必要であることが分かります。学生のうちから時間を有効に使って、まずはプログラミング初級講座から始めてみてもいいかもしれませんね。
(マイナビ学生の窓口編集部)