誘う側も誘われる側ももっと楽しいスポーツ観戦を! NTTドコモの5Gでのチャレンジとは?

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 NTTドコモ 5G特集

2020年の後半から携帯電話会社の新料金プランが続々と発表され、5Gの盛り上がりも過熱しています。いよいよ身近になってきた5Gは我々の生活をどう変えてくれるのでしょうか?   

今回は、5Gの楽しみ方のひとつである“スポーツ観戦”をテーマに、NTTドコモにお話しを伺いました。試合観戦をより楽しくする仕掛けや、AR、VRなどを活用した未来の体験とはどのようになっていくのでしょうか?

教えてくれたのはこの人

石田 茂之(いしだ しげゆき)さん

株式会社NTTドコモ
コンテンツビジネス部 技術企画担当

5Gでコアファンもライトファンも観戦体験が向上

――  石田さんのお仕事内容について教えてください。

5Gを用いた施策に携わっています。
具体的にいうと、スタジアムの中で5Gの低遅延※1 を活用したマルチアングル視聴の体験をしていただく施策など、技術的な支援をする仕事です。

※1 低遅延とは:
4Gは端末から基地局までの通信において、理論上は10ミリ秒(0.01秒)程度の遅延が発生しますが、5Gでは1ミリ秒(0.001秒)程度まで短縮できるようになります。10倍反応が早くなる技術とも言い変えられます。


2020年9月27日には、鹿島アントラーズさんと茨城県立カシマサッカースタジアムで「マルチアングル観戦サービス」というイベントを実施しました。

(c)KASHIMA ANTLERS

このイベントは、5Gに対応した2画面スマホを活用したもので、目の前に2画面スマホが配備されている特別席をつくりました。この2画面スマホには、試合前には画面上にチームの基本情報や当日のフォーメーションなどが表示されています。

試合が始まると、上側の画面には、試合を俯瞰で見られたり、ピッチを縦に見られたり、選手を間近で見られたりといったマルチアングル映像がリアルタイムで映し出され、自分で好きな視点を切り替えながら見ることができます


(c)KASHIMA ANTLERS

下側の画面には、各選手のポジションや走行距離を表示したり、サッカーゲーム『ウイニングイレブン』のように選手の能力値を六角形で表示したり、ライトなファンの方にも選手の特徴や試合の状況などが分かりやすいような情報を表示しました。

―― 試合を観戦しながら、2画面スマホで映像や情報を見るのは新しい体験ですね。

なかなかない体験ですよね。

マルチアングル視聴は、ナゴヤドームさんとも連携して中日ドラゴンズの試合でも実施しています。ナゴヤドームでは、ドーム内に設置した5台のカメラのライブ映像や、スタメンデータなどを5Gに対応したスマホで選んで観戦いただける仕様です。

ほかにも、卓球のTリーグの開幕戦で、5Gで使った新しい観戦体験を届ける施策も行わせていただきました。11台のカメラで撮った映像をすべて5Gで映像編集センターにアップロード(この取り組みは国内初!)。その映像にCGでエフェクトなどをつけて「dTV チャンネル」「ひかり TV for docomo」「ひかり TV」にてライブ配信をしました。

カメラは、プロ用の大きなカメラも使っていますが、5G対応のXperiaやGalaxyなどのスマホも使って撮影しています

(ライブ配信の現場で行う細かなセッティングも石田さんのお仕事だそうです。)

実はこのときに4Kでの撮影にもチャレンジしていて、検証は済んでいますので、今後は中継映像にも取り入れていきたいと考えています。

5Gがオフィシャルとユーザーの架け橋に

―― マルチアングル視聴はどんな映像が見られていたのでしょうか?

「思ってもいなかった視点が意外と受け入れられているな」という印象です。僕もサッカーをよく見るので、メインスタンドにいると見られないゴール裏からの視点のように、自分が見ている場所から見ることができない視点が人気になるのかなと思っていたのですが、ずっと見られていたのは選手のアップの視点でした。

あと、自分が見たいところを戻って見ることができるリプレイ映像が、よく見られていました。

―― リプレイ映像や、選手のアップ映像、能力値を六角形で表すなど、そのスポーツのルールに詳しくない人でも楽しみやすそうですね。

鹿島アントラーズさんのマルチアングル視聴は二人一組での応募だったのですが、まさにライトなファンの方に楽しんでほしいと思って企画しました。

コアなファンの方がライトなファンの方を連れて試合を見る場合、コアなファンの方が試合中にいろいろ解説をすることが多いと思います。そのサポートコンテンツとして、マルチアングル視聴を活用してほしいと考えていました。

―― なるほど。

我々が施策を企画するうえで根底にあるのは、5Gを活用してスポーツの感動や興奮をライトなファンの方や、できるだけ遠くのお客さまに届けるとこと。

実際にマルチアングル視聴を体験していただいた方にアンケートで、「マルチアングル視聴を、お金を払って見てみたいですか?」と聞いてみました。結果は、好評だったので手応えは感じていますし、やって良かったと思っています。

―― 5Gでアプローチできるスポーツ観戦で、ほかにも考えられていることがあれば教えてください。

JリーグさんやTリーグさんとの協業は今後も続いていくので、スタジアムの中やアリーナの中で映像を見ていただく施策はどんどんチャレンジしていきたいなと思っています。

あとは先ほど説明した、Tリーグの開幕戦で実施した複数のカメラ映像を5Gで転送する施策。これが当たり前に実現できるようになれば、例えば、ファンの方やサポーターの方が撮影した映像からコンテンツを作っていくようなこともできるのではないかと思っています。

(Tリーグでは審判の胸の位置のカメラでも配信)

―― ファンやサポーターの方が撮った映像が、公式コンテンツになるというのはすぐにでも実現しそうなのでしょうか?

技術的には近い将来できると思います。あとは、権利的な問題も絡んでくるので、そことの兼ね合いですかね。もしかしたら、そう遠くないシーズンで実施できるかもしれません。

―― 映像以外にもスポーツ観戦での取り組みはありますか?

ラグビーワールドカップ2019の日本代表の試合をライブビューイングで観る「家族で、あそぼう!ラグビーパーク」というイベントを開催したときには、音という観点で、観客の声量を可視化する取り組みを行いました。
スタジアムの音声を録音してライブビューイング会場で表示をしたのですが、どれだけ現地が盛り上がっているのかを遠くの会場にいても感じ取れる面白い施策になったと思います。

そこでは、震えるボールというものを観客の皆さんにお配りもしました。パスを出した瞬間やキックをした瞬間に振動を加えたり、ゴールをしたチームの色に合わせてボールが光ったりするものです。

今ご紹介したような、映像だけではなく音や振動なども組み合わせた体験は、ライトなファンの方々もより楽しみやすい部分かと思いますので、今後もいろいろなものを提供していきたいと思っています。

未来のスポーツ観戦の体験はどうなる?

―― 未来のスポーツ観戦の体験価値はどういう風になっていると思いますか?

コロナ禍の情勢を考えると、現地観戦がしにくい状況が続き自宅観戦が慣習化されていくような未来もあり得ると思います。そうなったときに、マルチアングル視聴や、AR(拡張現実)、VR(仮想現実)、そしてそれらを組み合わせたMR(複合現実)といったものも、より求められていくのではないでしょうか。

5Gがより普及して高解像度な映像が送られると、よりリアリティがある迫力のある映像を届けられるようになるので、自宅での観戦もより現地観戦に近くなっていくでしょう。
また、スタジアムで観戦する際にも、自分の見たい視点で見られるマルチアングル視聴やサポートコンテンツの拡充は、より多くの人にとってスポーツが楽しみやすいものになっていくと思います。

あともう一つは、双方向性です。5Gで超低遅延になることで、選手や実況解説の反応がよりリアルタイムになります。

これからは、映像だけでなく音や光や振動のような、これまで伝えてこられなかったものもどんどん伝えられるようになり、五感を使ったスポーツ体験ができるようにと考えています。こういったチャレンジはどんどんやっていきたいと思います。

―― ありがとうございました。最後に、これからの未来を作っていく学生に向けて、応援のメッセージをいただけますでしょうか。

コロナ禍の状況で、大学生活そのものや就職活動も急にオンラインになり、難しさを感じていると思います。

オンラインだからこそ、人との距離感が遠く感じると思いますが、逆に家にいながらでも、いろいろな体験や経験ができる機会でもあります。この機会に時間を有効に使って自分の興味がある分野も、そうではない分野も触れてみてください。

今は、僕のような若手社員の活躍の場というか、意見もすごく求められることが増えています。これはチャンスだと思うので、いろいろな会社や業界を見て、気に入る業界を見つけてほしいなと思います。

あとは、皆さん、本当に体調に気を付けて頑張ってください。

文・取材:砂流 恵介
編集:マイナビ学生の窓口編集部

編集部:ベッシー

編集部:ベッシー

昔ながらの大学生活でイメージされるような大学生活を謳歌し、就職活動はちゃんとやらず、社会人のスタートではつまづき、いろんな会社を転職しながらキャリアビルド。学生や若い人のチャレンジを応援したい、頑張れる場を提供したいという想いを持って編集部で活動中。伝えたいメッセージは「自分で考え、自分で動き、人にはどんどん頼りましょう」

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