休み明けのしんどさ、苦しみを解消する方法は? 心理学で解説! #もやもや解決ゼミ
日常に潜む「お悩み・ギモン」=「もやもや」を学術的に解決するもやもや解決ゼミ。
誰でも休み明けの月曜日には調子が出ないもの。土日のお休みですっかりリラックスしていたのに、月曜日からまた学業・仕事となると気持ちの切り替えも難しいですよね。大学生のみなさんはとくに長期休暇明けはしんどいでしょう。
このような休み明けの苦しみはなぜ起こるのでしょうか? また解消法はあるのでしょうか?
立教大学 現代心理学部映像身体学科の香山リカ教授に回答してもらいました! 香山先生は精神科医としての活動も行っていらっしゃいます。
「ストレスが交感神経を異常に緊張させる」のが原因
日曜日の夕方くらいからなんとなく気持ちが落ち込んで、体の調子も悪くなる。
一部の人はこれを「サザエさん症候群」と呼ぶようです。ちょうどテレビで人気アニメ『サザエさん』が始まる頃から具合が悪くなる人が増えるから、こういわれているわけです。
このような気持ちのまま眠りも浅く、月曜の朝を迎えると、そこからはっきりと体の不調が出てくることもあります。
これは「ブルーマンデー症候群」と名付けられていますが、頭痛、腹痛などの症状が現れたり、中年以降だと高血圧や心臓病につながったりするので、油断はできません。
これらの原因は、「また今週も始まった。発表もあるし課題の締め切りもあるし。あーバイトのシフトも今週はキツいんだ」と考え込むことで起きるストレスです。
ストレスから体の自律神経のうちの交感神経が異常に緊張し、頭痛、吐き気、腹痛や下痢などが起きるわけです。
学生の場合は、新学期や新学年にも同じように心身の不調が起きることもありますが、これも同じメカニズムと考えられます。
「自分の体と心をいたわる方法を見つける」ことが予防になる!
ではどうすれば、休み明けに子供から大人までを苦しめる「サザエさん症候群」や「ブルーマンデー症候群」を和らげることができるのでしょうか?
まずは、「そういうものなのだ」と知ることが大切です。
「なんだかわからないけどいつも休み明けに頭が痛い」と一人で悩んでいると、さらにそのストレスが増して、自律神経はもっとおかしな動きをしてしまいます。
もし休み明けになんとなく不調でも「ああ、これがあのブルーマンデー症候群ってやつか」と気付くだけで、神経がちょっとリラックスして気分もラクになるものです。
それから、なるべく休み明けにはキツいスケジュールを入れないのも大切。月曜1限から授業があるのは仕方ないかもしれませんが、5限までずっとビッシリ、その後さらにサークルにバイト、などというのはやり過ぎです。
逆に、月曜にはスポーツジムなどなるべく気晴らしになるような予定を入れておき、日曜夜には「明日はダンスのレッスンだ!」と楽しみにできるといいかもしれません。恋人がいる人は、「月曜夜のデート」などの予定を入れておくのもいいでしょう。
月曜に限らず新学期などの始まりで気持ちが重いという人は、とにかく交感神経が緩むように、ゆっくりした腹式呼吸、ハンドマッサージ、足湯などを試してみてください。香りのいいお茶をゆっくり楽しむのもおすすめです。
いくらイヤな気分だからといって、食べ過ぎ、遊び過ぎ、買い物などに逃げるのはとても危険です。そういう一時的な気晴らしではなくて、自分の体と心をいたわるような方法を自分で見つけること。
それが、日曜や休み明け前の「サザエさん症候群」、そして月曜や休み明けの「ブルーマンデー症候群」を脱出する第一歩になると思います。
香山先生によれば、休み明けに苦しいのはストレスで交感神経が異常に緊張するから、とのこと。その緊張はお休みの最終日から始まっているようです。これがいわゆる「サザエさん症候群」なのですね。
このような苦しみから逃れるには、「自分の体と心をいたわる方法を見つける」といいようです。みなさんも香山先生のアドバイスを参考に、自分なりの解消法を発見してください♪
イラスト:小駒冬
文:高橋モータース@dcp
教えてくれた先生

精神科医・立教大学 現代心理学部映像身体学科教授。
1960年北海道生まれ。東京医科大学卒。
豊富な臨床経験を生かして、現代人の心の問題を中心にさまざまなメディアで発言を続けている。専門は精神病理学。