「楽しそうだから、やってみる」でいいじゃん。バイリンガール・吉田ちかと、メルボルン、3か月のプチ移住 #大学生の社会見学
大人気YouTubeクリエイターとして活躍する吉田ちかさん。自身のチャンネル『バイリンガール英会話』は登録者数約146万人を突破、現在はオーストラリア・メルボルンでのプチ移住に挑戦するなど、アクティブに活動されています。
新しいことに次々と挑戦されている吉田さんですが、実は何かを始めるときに意識していることがひとつあるんだそう。メルボルンでの滞在をまとめた最新刊『WAKE UP! in メルボルン』と共にお話を伺いました。
1.「自分の頭で考える」が前向きへの第一歩
ーーやりたいことが見つからなくて悩んでいる人や、自分と周りを比べて落ち込んでしまう人も多いです。前向きになれないとき、吉田さんはどんなことを意識していますか?
悩むことって悪くないと思うんです。とことん悩んで、「自分にはなにが足りないのか」「何に対して落ち込んでいるのか」を考えてみることって、自分を知るためのいいきっかけだと思います。
ただ、「悔しかったから、次回はもっとこうしてみよう!」と次に活かせるところまで落とし込めるかどうかが、「前向きでいれる人」とそうでない人の違いなのかなって思います。
落ち込んでマイナスになることも、前向きでいることも、どちらも「エネルギー」だと思うので、悩んだあとに、マイナスなエネルギーをちゃんとプラスに変えるよう意識するのが大事なのかなって思いますね。
ーープラスに変換する力を、日常生活でどう養っていけばいいのでしょう?
自分の頭で考えるクセを身につけるといいかもしれませんね。学生さんや若い世代の方からコメントやツイッターで質問をよくいただくのですが、「どうすればいいですか?」や「教えてほしいです」と、答えをを求めている印象があります。
でも、自分が自分のことを一番わかっているはず。今までの経験や経緯を知らない他人がその方にあった答えをできると私は思えません。答えは、自分の中にあるはずです。
なので、自問自答をして考える時間を意識的にとると、自分のやりたいことが見えてきて、やるべきことも見えてきます。そうすると、悩んだときにもうまく立ち直れるし、プラスのエネルギーに変換しやすいと思います。
2. 「やりたいこと」を見つけたいならまず始めてみる。
ーー「やりたいこと」や「大好きなこと」を見つけるにはどんなことをしたらいいと思いますか?
「ある日、突然大好きなことがあらわれる」と思ってる人って多いんじゃないですかね。でも、大好きなこととかすごくやりたいことって、そんなにすぐにはあらわれないと思うんです。
「こんなことをやってみたけど、なんか違った。でも、これをきっかけに新しい道が見つかった」とか、いろんなステップがあると思います。私も、27歳くらいのときに、動画って楽しそうだなやってみよう、くらいの感覚でYouTubeをはじめてみたことが、いまに繋がっていますし。アレコレ考える前にやっちゃえばいいんです。(笑)
ある日、突然ひらめくか、というとそうではないと思うんです。やっぱり日ごろから色々動いてないと何も見つからないんじゃないかなって。
ーーとにかく、「動いてみる」ことが大事なんですね。
そんなに将来のことで悩まなくていいんじゃないかなとも思います。「今日はこれがやりたい」「明日はこれをやってみよう」という、直近のやりたいことや目標にフォーカスして行動していれば、気がついたら自分が思っていた以上のところに辿りついているものなんじゃないかなって。私は今でも将来のことについてあんまり考えないですね。(笑) ただ、常に「やりたいこと」はあります。だから、前向きに進めているんだと思うんです。
3.「行きたい!」と思ったら行く。「やりたい!」と思ったらやる。
ーーYouTubeでの動画投稿、メルボルンでのプチ移住…。吉田さんのチャレンジ精神に憧れる人も多いと思います。このチャレンジ精神はどこから生まれてくるのでしょう?
やりたいことをやってるだけなんですよね。(笑)今回も、プチ移住したいからプチ移住してみただけなので、自分の中では、「チャレンジング」なことをしている認識はそんなになくて。
「あ、行きたい!」と思ったら行く。「あ、やりたい!」と思ったらやる。もちろん大変なこともあるんですけど、「やりたいことをやっている」という感覚のほうが強いので、大変なこともあんまり大変だ、って感じないというか。(笑) やりたいことやっている楽しさや、もっとこれをやってみたい!っていう気持ちのほうが上回るんですよね。
ーーなるほど!何か大きな挫折を経験して「跳ね返すために行動しよう」といった原動力があるわけではないんですね(笑)
はい(笑)。もちろん会社に勤めていたときは大変なことはありましたが、何かを失って…というような挫折はありません。やりたいことをやっていると、大変なこともそこまで大変だとは感じないですしね。
そもそも私、“やった方がいいこと”ってやらないんですよ。“やりたいこと”、“やらなきゃいけないこと”しかしないと決めているので、「今日やる気が出ないなあ」と感じることがなく、モチベーションに左右されることもないんです。
なので、もしかすると、チャレンジがなかなかできない人は、それが「やりたいこと」じゃないのかもしれないですよね。例えば勉強とか、資格の取得でも、“やった方がいいこと”があるのであれば、それを楽しむ方法を生み出して“やりたいこと”にするのが続ける秘訣になるのかなって思います。
4.下調べなしではじめた、メルボルンでの移住生活
ーー最新刊『WAKE UP! in メルボルン』では、3ヶ月間のプチ移住の様子が、素敵な写真と文章によって綴られています。そもそもメルボルンに移住するきっかけは何だったのでしょうか?
メルボルンは完全に感覚で決めましたね(笑)。日本は冬だったので、暖かい場所に行きたかったのと、お友達から「メルボルンは子育てしやすい街」と聞いていたので決断しました。
プチ移住生活自体は、子どもが生まれたことがきっかけでした。自然も文化も豊かな場所で、のびのびと成長できる環境を作ってあげたいなと思い、移住先を探していたんです。最初は軽井沢を検討していたんですけど、「日本じゃいけない理由はないよね」と思い、海外も視野にいれて探し始めました。
ーー実際に移住してみて、滞在前とギャップはありましたか?
メルボルンって想像以上にアジア文化が馴染んでいて、アジアの存在感の強さには最初びっくりしました。でも、アジア系の飲食店も多いですし、看板も中国語や日本語、韓国語ばかりで、食べ物には一切困りませんでした。
事前のイメージに左右されず、フラットな感覚でメルボルンを楽しみたい気持ちがあったので、必要最低限のことしかリサーチせずに行ったんです。なので実は、「全然違うじゃん!」というようなギャップに落ち込むことなく楽しめたと思います。
5.文化の違いを知れば、人生は豊かになる気がする。
ーーメルボルンでの生活を通じて、自分にどんな変化がありましたか?
いろんな刺激があったので、自分の人生がより豊かになったような気がしますね。
滞在中にIT企業を取材させていただいたんですけど、現地の人の仕事に対する考え方を聞いて、ワークバランスの重要性に気がつけたのも大きな収穫でした。
ーー最近の大学生は、海外留学志望者が減少しており、留学をしない「安定志向型」が増えている傾向にあると聞きます。吉田さんから見て、海外の文化に触れることの良さを教えてください。
文化や国の違いを早くから知っておくことで、コミュニケーション力がぐっと向上するのではないでしょうか。最近は多くの企業がグローバルな環境で、いろんな国の人たちと接することが多いと思います。そこで文化や国の違いを知っておけば、理解が広くなり、色んな視点で物事を考えられるようになるのでコミュニケーションがスムーズにいくと思いますね。
ーー最後に、『WAKE UP! in メルボルン』に込めた想いを教えてください。
誰かの“体験の一歩”になってほしいと思っています。
この本ではメルボルンをガイドしたいというよりも、現地に行けなくてもメルボルンの良さを知れて、国の文化に触れられるといいなという願いを込めています。もちろん本を読んで終わりではなく実際に行って次に活かしてはほしいんですが…メルボルンに行けない人もきっと多いですよね。なので、行ける人・行けない人の両方が楽しめる本になったらいいなと思っています。
動画もそうなんですけど、誰かの体験をそのまま受け取れるってすごい時代ですよね!
その場に行けなくても、ドキドキワクワクするような体験をしてもらって、「次のお休みはここに行こう!」というような、みなさんにとっての「一歩」のきっかけになると嬉しいです。
文章:田中さやか
編集:ナベ子
【書籍情報】
バイリンガールちかのプチ移住生活WAKE UP ! in メルボルン
https://www.sekaibunka.com/book/exec/cs/19504.html
メルボルンへの「プチ移住生活」を1冊にまとめました。すべて書き下ろしの文章と、動画では伝えきれなかったエピソード&写真なども満載。もちろんYouTubeチャンネル「バイリンガール英会話」との連動もバッチリ!もう一度見直してもよし、本を読んでから面白そうな出来事を見ても楽しめます。また、書き下ろしの「コラム」も充実!将来移住や長期旅行を考えている方も参考になる内容です。