【サントリーの先輩社員】サントリースピリッツ商品開発研究部:黒田新悟さん
プロフィール:黒田新悟(くろだ しんご)
2009年「サントリーホールディングス株式会社」入社。
現在は「サントリースピリッツ株式会社」 にて商品開発研究を担当。
日本を代表する総合酒類・飲料メーカーである『サントリー』グループ。酒類の中でもウイスキーや焼酎、またリキュールなどの事業を担当しているのが『サントリースピリッツ株式会社』です。今回は、このサントリースピリッツ株式会社で働く先輩社員・黒田新悟さんに、仕事に取り組む姿勢や、学生時代の「ガクチカ」は何だったのかを伺いました!
▼サントリーの先輩社員をもっと見る!
サントリーの先輩一覧
今のお仕事はどんな内容?
私は商品開発研究部に所属しており、主な仕事は国内向けの焼酎と、国内外向けのジンやウオッカといったグローバルスピリッツの商品開発、技術開発です。商品開発は、マーケティング担当の方などと協力して新しい商品をつくる際に、最終的な味の仕上げを行う仕事です。一方の技術開発は、蒸溜条件を変えるとどういった味になるのか、目的の味にするためにはどうすればいいのかといった、製品を生み出すための技術面を研究する仕事になります。
入社後はチューハイやカクテルの商品開発を担当し、その後研修で1年間アメリカに渡りスピリッツの研究開発について学びました。そして2017年4月に帰国し、現在の仕事に就きました。この仕事は「お客さまがおいしいと思うものを提案できる楽しさ」と「そのおいしいと思うものがどうすれば生み出せるのかを考える楽しさ」という、2つの要素が経験できます。すごくおいしいものができたけれど、どんな方が飲んで楽しんでいるかわからないのは個人的にもったいないと思いますし、仕事によってはどちらか一方しか経験できませんから、「両方とも知ることができる」いまの仕事はとてもおもしろいです。
ただ「味」という、人それぞれで異なる、明確な答えのないものをつくる仕事なので、常に「自分がつくりたい味の理想を持つこと」は意識しています。そうでないと、仕事もブレてしまいますし、技術開発の提案もできず、結局周りの調整役だけになってしまうかもしれません。もちろん、自分の理想の味は自分で考えるしかないので、「理想の味が何なのか」を考えることは非常に難しいです。でも、ただ調整するだけの仕事はおもしろくないと自分の中で思っているので、難しいながらも「自分がつくりたい味を持つこと」を大切にしています。
一番楽しかった&つらかった仕事は?
楽しい、大変の両方で印象に残っているのが、『こくしぼり』という商品の開発を担当したときのことですね。私は2014年から開発に取り組み、2015年に発売することができましたが、「どんなコンセプトにするか」「今までと違うものをつくるとして今までと同じ工場と設備でできるのか」「原料調達はどうするのか」「このブランドをどう育てていくか」といったことを全て各部と協議して考えなければいけませんでした。「新しいブランドをつくる」ということはなかなか経験できないことですし、実際に商品が発売され、一気に市場に広がっていったときはとても充実した気持ちになりました。
その反面、難しいことも多く正直ギリギリでした。周囲からも「無理じゃないか」とか「(発売を)先延ばしにすれば」とかいろいろ言われましたね。新しい味をつくるだけでなく、ブランドをどうつくり上げていくかなど味以外の課題も多かったのですが、いろんな部署と協力して一からつくり上げることができたのは貴重な経験になりました。
今の会社を選んだ理由は?
大学に入ったころは「博士課程」に進もう思っており、勉強をとにかく頑張っていこうと考えていました。ただ修士課程に入ったくらいから、「目に見える何かをつくりたい」と考えるようになり、私はお酒が好きだったので「お酒をつくりたい」と考えるようになったんです。それでこの会社を選びました。
あと、大学時代に先輩から「サントリーにいそう」と言われたことも、サントリーを選んだ理由に挙げられます。「性格的に合いそう」という程度の何気ない一言でしたが、とても仲のよかった先輩なので、「その先輩が言うのなら……」と。その言葉は間違ってなかったですね。ちなみにその先輩はもともと別の企業で働いていたのですが、現在は同じサントリーで働いています(笑)。