ITエンジニアになるには? どんな職種がある? 仕事内容を知ろう 2ページ目
ITエンジニアになるには?
ITエンジニアになるには、どうすればいいのでしょうか。
ここではIT系エンジニアの中心的存在といえるシステムエンジニアを取り上げて解説していきます。
システムエンジニアはとても需要の高い職業。求人でも「SE募集」というのは多いですね。開発案件の中核を担うのがシステムエンジニアですので、腕のある人は引く手あまたなのです。
システムエンジニアになるための王道ルートは、専門学校や大学の情報系学科・専攻でITの基礎を学び、その後システム系の会社に就職、という道です。企業に入社後はシステム開発に携わりながら実務経験を積んでいくことになります。
一人前のシステムエンジニアとして認められる為に大切なのは、やはり実務で得られる技術力。学校で学ぶ内容はあくまでも基礎的なベース部分となります。その為全く別の学科・専攻を卒業した人がシステム会社に入り、必死に勉強してシステムエンジニアになるケースもあります。また場合によっては高卒から採用されることもあります。最近はオンラインのプログラミングスクールも増えており、社会人がプログラミングを勉強してからIT業界へと転職を果たすケースも見られます。
システムエンジニアに必要なスキル
一人前のシステムエンジニアになる為に必要なスキルを見てみましょう。
まずは開発に自らも加われるだけのプログラミング技術は必須です。それだけでなく、開発するシステムに付随する要素、必要であればデータベースの設計・開発、ユーザーインターフェースの設計・開発といったものについても理解している必要があります。
また、それらの要素をどのように組み合わせるかを設計でき、仕様書を書けること、担当するプログラマーに指示できることも重要です。さらには、開発工数、かかる時間の見積もりが出せることも求められます。
このように、システムエンジニアには幅広いスキルが求められます。学生時代からシステム開発していた、といった特別な実績がない限り、一人前のシステムエンジニアになるには数年間は実務を積む必要があるでしょう。
さらにIT業界は技術革新のスピードが早いため、一通り習得したからといって終わりではありません。引き続き常に新しいことを学び続けていかないと、顧客のニーズに応えられなくなってしまいます。現役システムエンジニアであり続けるために、常に勉強が欠かせない厳しい世界なのです。
システムエンジニアに向いている人
システムエンジニアに向いている人は次のとおりです。
・ITに興味があり、携わりたいと考えている人
・システムによって物事をよりよくしたいと考える人
・コミュニケーション能力が高い人
・IT系の勉強をしてみてしっくりくる人
・パソコンに長時間向き合っていても苦にならない人
まずはITに興味がある、ITを活用して何かをしたいという気持ちが一番大切。この気持ちがあれば、難しい勉強や仕事のトラブルなどを乗り越える力になってくれます。システムによって物事をよりよくしていくんだ、という気持ちも原動力となるでしょう。
そして意外なのがコミュニケーション能力。プロジェクトは多くのスタッフがチームとなって進んでいくため、システムエンジニアが上手にコミュニケーションを取ることができないと、プロジェクトが円滑に運ばないのです。それにクライアントとの打ち合わせを上手に行うことも大切です。
逆にできるだけ人と関わりたくない、一人だけで作業していたいという人はシステムエンジニアは不向きかもしれません。
システムエンジニアに有利となる資格
システムエンジニアを目指す時に有利となる資格をご紹介します。
●ITパスポート
ITパスポート(iパス)は大学生などにも人気となっている資格。ITに関する基礎的な知識が証明できる、なんと国家試験です!専門の技術者向けではなく、一般の人を対象としているため、入門編としてオススメ。
●基本情報技術者
こちらもITパスポートと同じ系列の国家試験なのですが、こちらは「ITエンジニアの登竜門」と言われています。エンジニアとしての基本知識・技能を体系的に身につけているかを確認することができます。
システムエンジニアの就職先は?
システムエンジニアの主な就職先について表にまとめました。
就職先 | 概要 |
---|---|
SIer(エスアイヤー) | システムインテグレーターのこと。企業の要望に応じてシステムの設計・開発・運用・保守などを行う、システム開発会社。 |
Web関連企業 | ECサイトやWebアプリなどを自社開発して、ネット上でビジネス展開している企業のこと。 |
社内SE | 企業内のシステム開発・運用を担当するエンジニア。さまざまな業種の企業に配置されている。 |
システムエンジニアの仕事は大きく分けて外注するケースと、自社で行うケースがあるということですね。どれが自分に合っていそうか、いろいろな会社を見比べてみると良いでしょう。
ITエンジニアの平均年齢や給与について
ITエンジニアの平均年齢や給与について、厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査」から調べてまとめました。
システムエンジニア | プログラマー | |
年齢 | 38.8歳 | 33.8歳 |
勤続年数 | 12.0年 | 7.1年 |
月額給与 | 38万円 | 30万4,400円 |
年間賞与など | 112万9,000円 | 60万5,200円 |
※月額給与欄は、きまって支給する現金給与額
▶︎データ引用:政府統計ポータルe-Stat「令和元年賃金構造基本統計調査」
給与については月額と賞与が分かれているので、単純計算しますと、
・システムエンジニアの平均年収:568万9,000円+残業手当など
・プログラマーの平均年収:425万8,000円+残業手当など
この位が大まかな平均年収の目安となります。プログラマーとシステムエンジニアでは収入面で差が出てくることが分かりますね。
そして平均年齢はシステムエンジニアが30代後半、プログラマーに至っては30代前半という結果。これは他の業種の技術者と比べ、若い層が活躍している職種だと言うことができます。
ちなみに「35歳定年説」がささやかれることもありますが、この噂は真実ではありません。40代以降でも活躍しているITエンジニアは沢山います。ただしITエンジニアのシゴトは時期によっては非常に忙しくなることがあり、体力的に辛さを感じて職を離れてしまうケースはあるようです。
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ITエンジニアになるにはどうすればいいかについて解説しました。ITエンジニアは常に新しい技術を学ばなければならないので大変ではありますが、力さえあればフリーランスにもなれます。企業勤務を辞めてフリーランスに転向し、外注案件を請け負って自宅でシゴトをする、といったスタイルですね。全ては持っている技術力・知識次第です。その意味ではちょっとうらやましい職種ではないでしょうか。