警察官になるには? 試験の概要や合格後のフローを知ろう 2ページ目
各都道府県の人事委員会が実施している警察官採用試験は、年齢や最終学歴によって受験できる試験が分かれています。ただし、分類の基準や名称は実施している都道府県の人事委員会によって異なります。
例えば東京都の警視庁の場合は、大学卒業程度を「I類」、高校卒業程度を「III類」といった形に分けていますが、神奈川県警の場合は大卒者を「警察官A」、それ以外を「警察官B」といった区分にしています。大学生のみなさんの場合は、警視庁ならI類、神奈川県警なら警察官Aの試験を受けることになりますね。
また、これらの学歴による区分だけでなく、人事委員会によっては特殊な区分が設けられている場合もあります。例えば埼玉県警の場合は、平成29年度埼玉県警察官採用試験に「国際捜査I類」や「サイバー犯罪捜査I類」といった区分を設けています。これらは「大学を卒業又は平成30年3月までに卒業見込みの人(同等の資格があると認められる人を含む)」という資格以外に、語学力が堪能であることや、経済産業省認定の情報処理技術者試験に合格していることなどが受験資格として設けられています。
警察官採用試験の受験資格はおおむねこのようになっていますが、これらを満たしているだけでは受験することはできません。「身体要件」を満たす必要があるのです。身体要件は以下のようになっています。
・身長……男性:おおむね160cm以上であること、女性:おおむね154cm以上であること
・体重……男性:おおむね48kg以上であること、女性:おおむね45kg以上であること
・視力……裸眼視力が両眼とも0.6以上、または矯正視力が両眼とも1.0以上であること
・色覚……警察官としての職務執行に支障がないこと
・聴力……警察官としての職務執行に支障がないこと
・疾患……警察官としての職務執行上、支障のある疾患がないこと
・その他身体の運動機能……警察官としての職務執行に支障がないこと
こうした学歴や年齢、身体要件を満たしている場合に、試験に申し込むことができます。
試験は1次と2次があり、1次では教養試験、論文、国語試験のほか、身体検査や警察官としての適性についての検査が行われ、2次では面接やさらなる身体・適性検査、また体力測定が行われます。
警察官は体が資本の職業ですから、採用試験では学力だけでなく、身体能力も問われます。また警察官の必須武道である柔道や剣道は、経験があったほうがいいかもしれません
ちなみに、キャリア・準キャリアへの道である国家公務員採用総合職試験(院卒者試験、大卒程度試験)、国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)ですが、年齢は21-29歳(2017年(平成29年)度採用試験の場合)であること、そしてそれぞれの( )内で定められている学歴を満たしている場合は、誰でも受けることができます。ただし、どちらも難関であることは言うまでもありません。