- 開催日時
- 2021年02月25日(木) 15:00〜17:30
- 開催場所
- 募集人数
- 名
- 申込締切
- 2021年02月25日(木) 15:00
「お名前を頂戴できますか?」は敬語として正しい? 名前を尋ねるときのマナーと正しい敬語表現
イベント等で出席者の名前を確認しなければならないとき、あるいは初対面の相手と対峙したときなど。相手から名前を聞かなければならないシーンはたくさんあります。そして相手の名前を知り、名前で呼びかけることは大事なこと。過去に会って聞いていたり、名刺をもらっていたりしているはずなのに名前が出てこない場合を除き、「ちょっと、あなた。」のような呼びかけは相手に不快な思いを抱かせることになりかねないからです。
さて、その「名前」。相手に失礼の無いように聞くにはどのように言ったらいいのでしょう。そこで、ちょっと記憶をたどってみてください。あなたは、「お名前を頂戴できますか?」と言われた経験はないでしょうか。この「お名前を頂戴できますか」というフレーズですが、どう使えばいいのか、詳しく見てみましょう。
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「お名前」は「頂戴する」もの?
「お名前を頂戴できますか」の言い切りの形は、「お名前を頂戴する」です。「お名前」という言い方は名前に「お」をつけて丁寧にしていることから、敬語といえます。そのあとに続く「頂戴する」は、「もらう」の謙譲語なので、形だけをみると敬語ということになります。
しかし「お名前を頂戴できますか」の内容を考えると、「日本語としてどうなの?」という疑問が。「頂戴する=もらう」というのは「もの」について使う言葉で、「名前」はそうではないからです。つまり「お名前を頂戴できますか」は、ストレートに言うと「お名前をもらえますか」と言っていることになるので、間違った言葉遣いになるというわけです。
相手に名前を尋ねるときの正しい敬語表現とは
では、相手に名前を尋ねたい場合には、どのように聞くのが正しいのでしょうか。丁寧語や尊敬語、謙譲語を含む敬語を上手に使って表現してみましょう。
まず、「お名前」はそのままで大丈夫。「頂戴できますか」は、「お聞きできますか」「お伺いできますか」「お教え願えますか」「お聞きしてよろしいですか」などに言い換えましょう。例文としては、以下のような表現が相手に名前を尋ねるときに使う正しい敬語表現といえます。
<例文>
「誠に恐れ入りますが、お客様のお名前をお伺いできますか?」
「大変恐縮ですが、お名前をお教え願えますか?」
「差支えなければ、お名前をお聞きしてよろしいですか?」
「恐れ入りますが、お名前をお聞かせいただけますか?」
「申し訳ございませんが、もう一度お名前をお聞かせ願えませんか?」
「お名前様」や「お名前を頂けますか」にも気をつけよう
「お名前を頂戴できますか」以外にも気をつけるべき表現があります。「お名前様頂けますか?」や「お名前を頂けますか?」という尋ね方がそれです。もしかしたら、実際に言われたことがある人もいるかもしれません。
まず「お名前様」は二重敬語であるだけでなく、「名前」という人格の無いものに「様」をつけている点でも間違っています。また、「頂けますか」も「もらえますか」という意味なので、「頂戴できますか」と同様の間違いということになります。
まとめ
相手に名前を聞くというのは、ビジネスの場において基本中の基本。失礼のないように……と思うあまり、ひたすら「お」や「ご」、「様」をつけて丁寧にすることだけに気を取られると、慇懃無礼になったり間違った敬語になったりしまうので注意しましょう。
・執筆:山岸りん
短大卒業後、自動車ディーラーをはじめ金融関係、介護関係、保育、学習塾と幅広い業種での経験があり、現在は学習塾で小学生の指導に携わる。趣味はインテリア雑貨のハンドメイド。