「お名前を頂戴できますか?」は敬語として正しい? 名前を尋ねるときのマナーと正しい敬語表現
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「お名前」は「頂戴する」もの?
「お名前を頂戴できますか」の言い切りの形は、「お名前を頂戴(ちょうだい)する」です。
名前はモノではありません。
「お名前を頂戴できますか」の内容を考えると、「日本語としてどうなの?」「ちょっとおかしい」という疑問がわく方もいることでしょう。
「お名前を頂戴できますか」を細かく見てみよう
「お名前」という言い方は名前に「お」をつけて丁寧にしていることから、敬語だと言えます。
そのあとに続く「頂戴する」は、自分よりも目上の相手から何かを「もらう」際の謙譲語なので、形だけをみると敬語に見えますよね。
謙譲語とは? |
相手より一歩下がった立場として使う言葉のこと |
しかし、「頂戴する=もらう」という表現は一般的に「もの」について使う言葉です。
つまり「お名前を頂戴できますか」という表現は、ストレートに言うと「お名前をもらえますか」と言っていることになるので、敬語としては間違った表現だと言えます。
どうして誤用されているの?
一説によれば、名前を聞く敬語表現の「お名前をお聞かせいただけますか」と、名刺をもらう際の敬語表現「お名刺を頂戴できますか」が混同され、誕生したようです。
相手に名前を尋ねるときの正しい敬語表現とは?
では、相手に名前を尋ねたい場合には、どのように聞くのが正しいのでしょうか?
「お名前を頂戴できますか」をベースにして、おすすめの表現方法をご紹介します。
「お名前」は原則そのままでOK
「お名前」は丁寧語表現なので、そのままで大丈夫でしょう。
中には、「名前」と言われても名字だけしか答えてくれない方も一定数存在します。
フルネームをストレスなく答えてもらうえために、「フルネーム」という単語を入れると便利です。
「頂戴できますか」は適切な敬語表現に
「頂戴できますか」は、本来の「もらう」という表現ではなく言い換える必要があります。
以下の言葉が「頂戴できますか」の類語表現ですので、参考にしてみてください。
「頂戴できますか」の代わりに使える類語表現 |
「お聞きできますか」 「お伺いできますか」 「お教え願えますか」 「お聞きしてよろしいですか」など |
「お名前を頂戴できますか」の言い換え例文
以下の例文のような表現が相手に名前を尋ねるときに使う正しい敬語表現といえます。
丁寧語や尊敬語、謙譲語を含む敬語を上手に使って表現してみましょう。