第二外国語におすすめ! ドイツ語の響きがかっこいい単語3選 「クーゲルシュライバー」【学生記者】 2ページ目
意味:鳥
Oの上に点が二つついた「ö」は「ウムラウト」、といいまして、oの口でuの発音をして読みます。それにしてもかっこいい。「Vögel」とつぶやいただけで、鳥が翼をはためかせて飛んでいく情景がありありと浮かんでくるのは私だけではないはずです。では、実際の会話の例を見てみましょう。
男:「俺、将来は銀行員になりたいな」
女:「私はVögelがいいわ」
ここで「私は鳥がいいわ」と言ったとき、大きな問題が起こる可能性があります。ひとつは、「何か精神的に疲れているのではないか」と推測されてしまうこと。
もうひとつは、「この子、鳥人間コンテストに出たいのかな」と思われてしまうこと。もしあなたが心配されたかったり鳥人間コンテストに出たかったりするのであれば問題ありませんが、多くの場合は、「鳥になりたい」というもっとプリミティブな渇望を表現したいと思っているでしょう。私も年に3回ほどそういうときがあります。
そこでこの「Vögel」です。「鳥」でも「bird」でも表せなかった微妙な心情を表す術を、今あなたは手に入れたのです。おめでとうございます。
さて、ここまで三つの単語を紹介してまいりました。最後に、少し長めの会話文を読んで、今日のおさらいをしましょう。
男:「このKugelschreiber、君ならどう使う?」
女:「文字を書くのに使うわ。何を言っているの?」
男:「じゃあ、ここに文字を書くことは、君にとって「ただ文字を書くこと」と言えるかい?」
女:「これは……婚姻届……」
男:「そう。さあ、Kugelschreiberを取って」
女:「……子供は何人ほしい?Vögelは、何羽飼いたい?」
男:「子供は二人、Vögelは別にいいかな」
女:「じゃあ結婚はしないわ」
男:「Wirklich?」
まず一行目のKugelschreiber。ここで男は女の注意を自分に向けることについて完璧な成功を収めています。だってそうでしょう、Kugelschreiberなんて言われたら振り向くでしょう。
そして女の「Vögelは、何羽飼いたい?」これもまた、女が男の注意をしっかりと自分に向けさせる発言です。普通は「子供は何人ほしい?」で終わってもいいところですが、そう言ってしまったときの甘すぎる雰囲気を回避しつつユーモアを混ぜる、高等技術です。最後の男性の「Wirklich?」も余裕を感じさせる発言です?日本語で本当?と言うと声の裏に動揺が隠れてしまうものですが、単語そのもののかっこよさでうまくごまかせています。
いかがでしたでしょうか。これほど会話に知性が生まれ、ユーモアに富んでいるのに、実践されているのは「ドイツ語の単語を使ってみる」ということだけです。これほど簡単に、楽しく会話ができるようになる方法はそうはありません。自分と相手ともに知っている単語を使うときは、より効果的です。秘密を一つ共有したような、ワクワクした気持ちにさせてくれるでしょう。
今日が、あなたの心の中のベルリンの壁・崩壊の日であったなら、私はとても嬉しいです。
<大学生のまずこれステップ>
1.アニメ「進撃の巨人」のOP曲「紅蓮の弓矢」を聴いてみる
2.ドイツ語の講義をとってみる
3.勉強を始めてみる
文・カジ