「つまらないものですが」はどう使う? 目上の人にプレゼントを渡すときの正しい言葉遣い
社員であろうがアルバイトであろうが、社会人になれば必然的に目上の人や先輩とコミュニケーションを図る機会が増えます。食事をご馳走になったり、飲み会に誘われたり、あるいは出張のお土産をもらったり。そこで考えておくべきなのが「お返し」。日本では良し悪しは別として、好意に対して「お返し」する習慣があります。
いつも何かをしてもらうばかりでなく、してもらっていることへの感謝の気持ちを贈り物などで返すのもマナーのひとつ。ここでは、目上の人に「お返し」つまりプレゼントを渡すときによく使われる、「つまらないものですが」という言葉について使い方を解説していきます。また、類似した言い回しについても取り上げますので、ビジネスマナーとして覚えておきましょう。
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目上の人にプレゼントを渡すとき、何て言うべき?
「お返し」的な意味合いがあるか無いかにかかわらず、目上の人に贈り物をするとき、「はい、どうぞ!」なんて渡す人はまずいないでしょう。大体は何か別の言葉を添えて渡すのでは? 中でも多く使われるのは「つまらないものですが」というフレーズ。プレゼントを贈る側としては謙遜した挨拶として、ある意味定型句です。あえて意味をつけるなら「取るに足りないものですが」ということになるでしょうか。
ここで、実際の使い方を例文から見ていきます。
<例文>
「先日は食事をご馳走していただき、ありがとうございました。つまらないものですが、お役に立てていただければと思います。」
「出張の際にいつもお土産をありがとうございます。つまらないものですが、どうぞ召し上がってください。」
「先日は大勢でお邪魔し、ご迷惑をおかけしました。つまらないものですが、みんなからの気持ちです。」
「先日は大変お世話になり、ありがとうございました。つまらないものですが、どうぞお納めください。」
以上のように、“ありがとうございます”や“すみません”といった内容の言葉を添えて渡すと、より相手に気持ちが伝わります。
「つまらないものですが」を言い換えてみよう
「つまらないものですが」を、その言葉通りに受け取る人はほとんどいないと思います。謙遜してそう言っているとわかってくれる人が大半で、決して使ってダメなフレーズではありません。が、「つまらない」という言葉自体には、意味や価値がないとか無意味でばかばかしいという意味もあるため、ほかの言い回しも覚えておくことをおすすめします。
「つまらないものですが」の言い換えとして使えるのは、「心ばかりですが」や「ほんの気持ちばかりの品ですが」、「お気に召していただけるとうれしいのですが」などがあります。例文としては以下のようなものが挙げられます。
<例文>
「先日は食事をご馳走していただき、ありがとうございました。心ばかりですが、お役に立てていただければと思います。」
「出張の際にいつもお土産をありがとうございます。ほんの気持ちばかりの品ですが、どうぞ召し上がってください。」
「先日は大勢でお邪魔し、ご迷惑をおかけしました。みんなからの心ばかりの品です。お気に召していただけるとうれしいのですが。」
今の時代、「つまらないものですが」という言葉よりは、「心ばかりですが」や「ほんの気持ちばかりですが」などを使う方が自然に聞こえるので、チャンスがあれば試してみてください。
まとめ
目上の人にプレゼントを渡すというのは、多少なりとも緊張しますよね。でも、その際にどんな言葉を使うかあらかじめ考えておけば、「ありがとうございました」や「お世話になりました」などの気持ちを上手に伝えることができます。プレゼントを渡すという行為を、よりよいコミュニケーションを図るいい機会にしましょう。
・執筆:山岸りん
短大卒業後、自動車ディーラーをはじめ金融関係、介護関係、保育、学習塾と幅広い業種での経験があり、現在は学習塾で小学生の指導に携わる。趣味はインテリア雑貨のハンドメイド。