安定を捨ててでも起業する若者がいる! チョコレートで社会問題に切り込んだ若手社長
20代から30代の社会人で、やりがいのある仕事であれば、年収減でも構わないから挑戦したいと言う声は、46%にのぼっています。安定を捨ててでも自分の信念を実行するために起業する若手社会人は少なくありません。
2016年3月22日放送、「ガイアの夜明け」(テレビ東京)では、安定を捨ててでも起業する人々のリアルな姿に迫りました。
ダリケーは京都の商店街にある行列のできるチョコレート店。1番人気は「カカオが香るチョコレート」の10個入りで4000円の商品。おいしさのヒミツは、カカオ豆を店内で焙煎し、皮を手でむき、生クリームと砂糖だけを加えて、芳醇な香りを生み出しています。オーナーの吉野社長は、カカオはインドネシア産の豆にこだわり、強めに焙煎してもフルーティーな余韻が残るように仕上げました。吉野さんは6年前に外資系大手金融会社を退職し、インドネシア産の豆が買い叩かれていることを知り、カカオ農家向上に取り組みチョコレート店を構えたと言います。
吉野さんはインドネシア・スラウェシ島を訪れました。スラウェシ島はインドネシアの7割のカカオが採れると言います。吉野さんはバレンタイン商戦を控え、新たな入手先開拓のためここに来たのです。インドネシア産のカカオの問題は、発酵されていないこと。多くの農家は発酵の方法を知らないため、香りと味が弱いため、安値で取引されてしまうのです。インドネシアの平均月収は3万円、カカオ農家は1万5000円程度で、苦しい生活を強いられています。吉野社長は、発酵すれば良い豆もあるので、世界に発信しなければいけないと考えています。ダリケーは農家からカカオ豆を買い取り、まとめて発酵させるために倉庫を借りてそこで付加価値をつけることにしました。
ビジネスを通じて社会問題を解決しようとする試みは、ソーシャルビジネスと呼ばれます。2月には東京六本木でソーシャルビジネスのアイデアコンテストが開催され、吉野さんは審査委員をつとめました。吉野さんは、安定した職を捨ててでも社会の役に立とうとする新たな世代の象徴といえるでしょう。