大学生が自動車を製作?! 『全日本 学生フォーミュラ大会』2位の京都工芸繊維大「Grandelfino」インタビュー 2ページ目
■学生フォーミュラの面白い点・難しい点とは?
――学生フォーミュラの難しい点とはどんなことですか?
野渕さん 大学生が何もかもやっているので難しいことばかりです。製作した車を走らせること自体がもう難しいです(笑)。実際、強豪チームでも大会当日にトラブルを起こしてリタイヤになったりということもあります。
その中で上位に食い込むには、まず、きちんと全種目完走させなければなりません。それと同時に、数少ないチャンスのなかでいいタイムを残す必要があります。加えて、静的種目で設計思想や車両販売のマーケティング方法が評価され、量産する上での製作方法とコストを正確に提示するというところまでこなして、表彰台の上に立つことができるようになります。
先輩たちの車を引き継いで改良し、また新しいものを取り入れ、というふうに続いていますが、大学や大学院の先輩、スポンサーの方々の支援やアドバイスがなければ、続けることは難しいと思います。たくさんの人に助けられています。
――なるほど。では、学生フォーミュラの面白い点とはどんなことですか?
野渕さん やはり自分たちで車を作って、それを競わせることができるという点ですね。また、その過程でいろんな経験ができます。設計や製作だけでなく、コストの計算や、完成した車の評価とそのフィードバックも行います。更には1つのチームとして活動するのでマネジメントも必要不可欠です。このように、自動車を作る上で必要となるさまざまなことに関われる点が面白いですね。
私はテクニカルリーダー、車両の設計・製作を統括する立場として、自分たちが設計したものを形にして実際に走らせる楽しみがもちろんありますし、ドライバーとしてそのマシンを運転する楽しみもあるのでとても面白いですね。
――野渕さんは前年度の大会でドライバーも担当されたわけですが、大会でのドライビングは難しいものですか?
野渕さん 前年度の大会では私はエンデュランス(約20kmを走行する)を担当しました。緊張していたせいなのかあっという間に終わりましたが、重圧や緊張の中でのドライビングはやっぱり難しかったですね。みんなで製作した車を走らせるということで責任もありますし、いつも通りに車両を操縦することは本当に難しいです。
■2016年大会での総合優勝を目指して!
――2016年の全日本 学生フォーミュラ大会への抱負を聞かせてください。
野渕さん 2015年が総合3位を目指して「第2位」という結果でした。もうちょっとで優勝に手が届いたのですが……(笑)。なので、やはり総合優勝を目指して頑張ります。
――中田さんはいかがですか?
中田代表 そうですね、やはり優勝を目指したいですね。
――ライバルはいますか?
中田代表 2015年の大会で総合優勝したオーストリアの「Graz University of Technology」(グラーツ工科大学)でしょうか、2016年の大会にも参加されるそうですので、今度こそは……(笑)。
――なるほど! 昨年の優勝校がまたやってくるのですね(笑)。ぜひ雪辱を果たされることを祈念しております。ありがとうございました。
現在、グランデルフィーノでは、9月の2016年大会に向けて車両製作の最中とのこと。フレームもほぼ出来上がり、順調に進んでいるそうです。日本の大会で海外のチームに優勝をさらわれるというのもなんだか悔しいですから、京都工芸繊維大学のグランデルフィーノにぜひ頑張っていただきたいところです。グランデルフィーノの活躍に期待しましょう!
⇒京都工芸繊維大学『Grandelfino』公式サイト
http://www.grandelfino.net/
写真提供:京都工芸繊維大学『Grandelfino』
(高橋モータース@dcp)