【大学生お悩み相談室】授業が教授の自己満……大学での勉強って将来の役に立つの?
授業にバイト、サークル、恋愛、将来のこと……大学生活では初めての経験につまずいたり悩んだりすることも多いはず。このコーナーでは、そんな大学生ならではのお悩みに、東京大学教養学部を卒業して現在はイラストレーター・文筆家として活動している大石蘭さんが大学生のころの自分を振り返りながらアドバイスします。
今週のお悩み:授業が教授の自己満足に思えて、ただ合わせて聞いているのがつらいです。こんな授業は将来の役に立つのでしょうか?( 22歳/大学4年生/女性)
A.授業とは教授の自己満足であたりまえ。役に立つのは内容よりも受け方!
誰も興味を持たないようなニッチな分野の話をし続けたり、若い頃に読んだ本についてとうとうと語ったり、仲のいい教授仲間との内輪ネタを繰り広げたり……マイワールド全開の教授、確かにいます。どんなに優秀な教授でも、相性の合う合わないがあることは否めません。
教授の本職には、「教えること」はもちろんですが、「自分の研究」もかなりのウエイトを占めています。正直なところ、自分の研究が一番大事で授業は仕事として仕方なくやっている……という教授も。
だから、大学の講義というのは多かれ少なかれ教授自身の研究報告を兼ねていて、さらに学生から研究のヒントをもらいたい、というスタンスの教授が多いです。
つまり、授業とは何よりもまず教授の自己満足なのです。
授業は教授の自己満足ではなく何か利益が得られるもの、という前提をリセットしましょう。「自己満足」、と言うと語弊はありますが、もちろん教授自身の研究だけでなく、学生の研究に、ひいては学問の世界に、いろいろな役割を果たしてくれるのが大学の授業です。
それが自分も興味を持てるテーマならとても有意義なのですが、単位のために受講してみたら全然興味を持てない講義だった……という場合もあります。
ただぼんやりと聞いているだけでは、退屈になってしまったり、なんのために受けているのかわからなくなったりしてしまいます。そういうとき、どんな姿勢で講義を受けるのが正解?
そもそも、「この授業は将来の役に立つのか?」
その疑問が愚問。
大学の授業というのは、すぐにこれに役立つ、とわかることのほうが少ないものです。授業の内容を安直に実用に結びつける考えは捨てましょう。
将来の自分を決めるのは、授業の内容よりも、授業の受け方です。
……と、正論を言ってみましたが、自分の研究や就活・、バイトなどに忙しいキャンパスライフの中で、興味のない授業にまで時間とエネルギーを割いていられない、というのが本音でしょう。
課題以外にも予習や復習をしたり、授業中に発言してみたり、むりやりやる気を見せる必要はありません。ただ、授業をちゃんと聞く(内職したりサボったりしない)、ノートを取る、課題のレポートなどは手抜きしない。そんなシンプルなガイドラインを、自分の中に設定してみては?
(本当〜につまらない授業だったら、どこが・、なぜつまらないのか、自分が教授だったらどうするか、頭の片隅に置きながら半年間このルールにのっとってやりすごしてみて。)
それだけで、授業の内容が役に立つかどうかはともかく、自分の研究の論文を書くときに必要な体力と思考力のレッスンにはなるはずです。
大学を卒業したあとに役立つのは、知識がすべてではありません。人の話を聞いて、疑問点を整理する。必要な資料を、見当をつけながら探す。いろいろな図書館に足を運ぶ。もらった質問やアドバイスをもとに思考を練り直す……。
などなど、講義を受けたり、演習をしたり、論文を書いたりするプロセスでの、小さな作業の積み重ねが、将来の研究や仕事のあらゆる局面で応用できる力になります。
単位をギリギリ取れるラインで授業をサボったり、適当にレポートを書いたりを続けていると、せいぜい自分の研究の範囲の知識くらいしか身につかずに卒業を迎えて、なんだか学費ももったいないです。
私(東大文系学部・修士卒)は今にして思えばもったいなかったなぁという授業がいくつもあります。
転んでも(?)タダでは起きない! どんな授業もその精神で受けたほうがおトク。
文/イラスト●大石蘭
1990年生まれ。東京大学教養学部卒・ 同大学院修了。代表作にコミックエッセイ『妄想娘、東大をめざす』(幻冬舎)。在学中より雑誌等でエッセイ・コラム執筆、イラストで注目を集め、現在も活動中。
☆オフィシャルブログ→http://lineblog.me/oishiran/
☆twitter→https://twitter.com/wireless_ran
プロのマナー講師監修!学生生活のメールや電話でのコミュニケーションに役立つ
『メール&電話例文完全テンプレート集』配布中!
▼無料ダウンロードはコチラから▼