脱サラしたいという人も多いけど……農家に聞いた! 「現実問題これが大変だ!」ということ5つ
田舎暮らしが注目されている昨今。「いつかは田舎で農業をしながら暮らしたい」と思っている人も増えています。しかし、農業はそんな甘いことではありません。筆者も実家が農業をやっていますが、やはり何かと大変なことばかりのようで……。今回は、そんな「農業の大変なこと」を、農業をやっている20代、30代に聞いてまとめてみました。
●「意外とお金が掛かる」
農業というと、畑や田んぼがあればOKというイメージを持っている人もいるでしょう。しかし本格的に農業を始めるとなると、設備や機材、さらには種など、思った以上にお金が掛かる仕事なのです。
例えば農業機械。高いものだと1,000万円というものもありますし、安いものでも数十万円します。作物の種類などにもよりますが、最初にこれらをそろえるだけでもかなりのお金が掛かります。メンテナンスにもお金が必要です。また、種苗や肥料もタダではありませんし、農地などに掛かる税金の問題もあります。実際に始めてから、「こんなにお金が掛かるものだったのか」と思う人も多いそうです。
●体力がいる
農業は当然ですがほとんどが力仕事です。作業に慣れないうちは特に体力を消耗するので、もう他のことをする余裕がありません。また、40代、50代といった、体力が落ちてくる年齢になってから農業を始める人も多くいます。そうすると、さらに大変だと感じるようです。
もちろん、お金を掛けて農業機械を多く導入することで、人間が行う作業はかなり減りますが、それでも体力を使わなくなるわけではありません。農地が広ければそれだけ負担も増えます。お金の話と同じで、体力についても農業を始めてからこんなにきついのかと驚く人が多いそうです。
●野菜がうまく育たない
農家をやる上で困難なのが「野菜の作り方」です。同じ作業をしても、いつも同じ状態で作物が育つわけではありません。また、天候にも左右されるため、年によってはほとんど作物が育たなかったり、収穫前に大きなダメージを受けてしまったりします。それが何度も続き、心が折れて農業をやめてしまうケースもあったりするようです。
もちろん経験でカバーできる部分もありますが、自然を相手にしている限りは、常に安心はできないとのことです。もちろん設備を充実させることで、ある程度作物を安定して育てることができますが、そのためにはかなりのコストを必要とします。
●人手が集まらない
農業の課題の一つに「労働力の確保」というものがあります。農地の規模によっては1人2人で賄えることもありますが、ある程度の広さの農地で農業を行うとすれば人手の確保は重要になります。
しかしいざ人手を確保しようにも、思ったよりも集まらないというケースが多いそうです。長期間働いてくれる人はもちろん、1日2日のアルバイトも難しいという地域もあります。他にも、人手のいる「稲刈り」でも、なかなか人が集まらないという声もあります。昔は一家総出、また親戚も集まったりして収穫作業を手伝ったりしましたが、最近はそうもいきません。近所の人に手伝ってもらって、ということも難しくなったようです。
●休みがない
基本的に農業に決まった休みはありません。一般のサラリーマンと比べるとこの点が大変なことに挙げられるそうです。農作物の状態を毎日チェックしないといけない時期もありますし、農業の種類によっては夜になっても作業を行うものもあります。長期休みもなかなか取ることができませんね。
よく「雨の日は農業はお休み」と思っている人もいますが、雨の日も実はやることが多くありますし、雨によって農作物にダメージがないか心配になったりするそうです。なかなか気が休まるときがない、ということでしょう。
実際に農業を行う上で、こうした大変なことがあるそうです。ただ、大変なことが多いものの、達成感などやりがいがあるのも確か。「いつか農業をやってみたい」と思っている人は、まずは農業体験などをしてみて、現実を知っておくといいかもしれませんね。
(中田ボンベ@dcp)